自民党が医療・健康分野の新たな検討チームを立ち上げた。「ヘルスケア・トランスフォーメーションプロジェクトチーム」(HXPT)の初会合が5月7日に開催された。座長は前官房副長官の木原誠二氏。ヘルスケア産業の成長戦略を議論するのがその目的だ。 【本根優】
HXPTは、岸田文雄首相(自民党総裁)が本部長を務める「新しい資本主義実行本部」の下部組織に当たる。
岸田氏の懐刀と言われ続けてきた木原氏をトップ(座長)に、座長代理に平将明氏、古川俊治氏、事務局長に国光あやの氏、事務局次長に勝目康氏、山本左近氏が就いた。
顧問は甘利明氏、渡海紀三朗氏、田村憲久氏、小渕優子氏、加藤勝信氏、後藤茂之氏、平井卓也氏、宮澤洋一氏。党幹部、閣僚経験者が占めている。
HXPTの議論をどのように反映していくのか。木原氏は7日の初会合で「6月の成長戦略にエッセンスを盛り込んでいきたい」と意気込みを示した。
政府が同じく6月に策定する「骨太の方針」は、主に予算にかかわる経済財政運営と改革の基本方針。一方の成長戦略は、企業活動を活発化させ、経済を牽引するための方策をまとめたものになる。
HXPTでは7日に、再生医療イノベーションフォーラム代表理事会長の志鷹義嗣氏ら、8日には慶大名誉教授の印南一路氏らから意見を聴取した。出席した関係者によると、保険外併用療養費制度の柔軟な運用や拡充が主なテーマになったという。
数多く存在する、自民党の社会保障分野や厚生労働分野の会議は、公的保険がカバーする範囲の持続可能性に焦点が当たることが多い。だが、HXPTは厚労省だけでなく、経済産業省、財務省を巻き込んだ広がりのある議論を志向しており、公的保険と公的保険外のサービスなどとの連携が模索される見通しだ。
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