日本医師会の松本吉郎会長が、2期目を目指して6月の日医会長選に出馬することを正式に表明した。その場に選んだのは、3月31日の日医代議員会。松本氏は「次期も引き続き、地域医師会とともに一丸となって、国民から信頼が得られるよう、取り組みを一層強固に推進していきたい」と意気込みを示した。その言葉の通り、2期目当選を果たせるのか。【本根優】
松本氏は22年6月、日医会長に就任した際の所信表明で「会務運営にあたって、地方から中央へ、国民の信頼を得られる医師会へ、医師の期待に応える医師会へ、一致団結する強い医師会へ、の4つを柱に進めていきたい」と語っていた。
2期目出馬にあたり、松本氏は「日医会長に就任してからの2年間、会務の運営方法などを再構築し、厚生労働省をはじめとする、関係省庁との適切な連携を進めるとともに、政府・与党との強固な関係の構築に尽力してきた。日医と地域医師会の連携についても手応えを感じている」と自己評価した。
すでに、1月に「九州医師会連合会」が他ブロックに先駆けて、松本氏に出馬を要請。2月に入り「関東甲信越医師会連合会」も同調した。さらに「東北医師会連合会」が松本氏を推薦する方針を決定。3月に入ってからは「中部医師会連合」「近畿医師会連合」が推薦を決め、「中国四国医師会連合」「北海道医師会」も続いていた。
このため、松本氏の2期目当選は確実な情勢だ。松本氏は「現場の声を直接聞くために、47都道府県医師会に積極的にお伺いしたいと述べたところ、ほぼすべての都道府県を回り、全国の都道府県医師会長とは月に1回は必ず対面や電話などを通じて緊密に連絡を取らせていただいている」と強調した。
しかし、松本氏の地元、埼玉県医師会の関係者は「(東京都医師会の)尾﨑(治夫)会長との関係が悪化していて、修復がなかなか難しい状況」と話しており、松本氏に不安要素がないわけではない。
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