厚生労働省は5月15日の中央社会保険医療協議会総会で、医薬品の薬事承認時期を変更することを報告した。新薬承認を年4回から薬事審議会医薬品第一部会・第二部会後「3週間以内」に見直し、承認頻度を増やすことになるため、それに伴って薬価収載の時期も変更される見込みだ。承認増、収載増は再算定増につながる可能性がある。 【本根優】
現在は、薬事審議会の第一部会、第二部会が1・2月、4・5月、7・8月、10・11月に開催されており、それぞれの翌月である3、6、9、12月が薬事承認月となっている。
その後に、薬価収載の手続きとして「原則60日以内、遅くとも90日以内」というルールに従って、3月承認なら5月収載、6月承認なら8月収載、9月承認なら11月収載、12月承認なら翌年2月収載といった流れができていた。
ただ、診療報酬改定がある年の場合には、その影響で2月収載が4月収載まで持ち越されるのが慣例となっていた。中間年改定の導入後、21年度は通常改定時と同様に4月収載を行ったが、23年度は厚労省が製薬業界の要望を受けて、1ヵ月早く3月収載とした経緯がある。
厚労省は今回の承認時期変更で、「診療報酬改定の前年の10~12月まで」をひとまとめにする方針。それに従えば、25年1月からの承認時期は1・2月、4・5月、7・8月のそれぞれの部会後3週間以内で6回と10・11月をまとめた1回の少なくとも計7回が承認時期となる。
それに合わせれば、薬価収載の回数も現行の4回から7回程度まで増えることが予想される。
一方で、松本真人委員(健康保険組合連合会理事)からは薬価収載の頻度増を見越した注文が付いた。16年12月の薬価制度抜本改革の基本方針に基づき導入された四半期再算定について、松本氏は「年4回という回数よりも、新薬収載の機会を捉えて、そこに重みがある。再算定の回数を最大限増やすことを主張したい」と述べた。
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