自民党の若手議員らは2月6日、「基礎から学ぶ日本の製薬業界」に関する勉強会の初会合を都内で開いた。この日は、日本の製薬業界の現状について、日本製薬工業協会産業政策委員長の谷藤道久氏(田辺三菱製薬ファーマ戦略本部医療政策・マーケットアクセス管掌)から説明を受けた。こうした勉強会の存在を伝え聞いた厚労省幹部は「国会議員が勉強会の名前に『基礎から学ぶ』と入れるのは珍しい」との感想を漏らす。 【本根優】
勉強会の呼び掛け人は梶原大介参院議員。民間会社勤務、参院議員秘書を経て、高知県議に4期当選。22年7月の参院選で初当選した。その当選同期議員による勉強会になる。
神谷政幸氏、長谷川英晴氏、藤井一博氏、山本啓介氏らが出席した。勉強会の趣旨は次のようなものだ。
日本は世界有数の高い創薬力を持つにもかかわらず、新型コロナ禍には「ワクチン敗戦」と言われる事態を招いた。国産ワクチンや治療薬も承認されたが、海外に比べ大幅に出遅れた。ワクチンや治療薬の開発は、国民の生命を守る武器でもあり、安全保障とも関連する。他方で、エーザイなどが開発したアルツハイマー病治療薬(レカネマブ)が承認され、使用が始まり、政府にも創薬推進の会議体が設けられ、創薬力強化や医薬品業界をめぐる動向が大きなテーマになっている。そこで、これらの課題に関して、産学官から講師を招く勉強会を開き、問題意識を共有する機会を設ける。
関係者によると、2月21日にも第2回勉強会を開く予定だという。自民党の製薬勉強会と言えば、大ベテランの衛藤晟一氏が会長を務める「製薬産業政策に関する勉強会」があり、厚労関係議員と有志製薬企業十数社との意見交換の場になってきた。
ある大手製薬企業幹部は「政治資金問題や派閥解消で自民党のガバナンスが大きく変わる様相を見せている。将来を見据えれば、こういった若手議員との接点も大事になるかもしれない」と話している。
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