「横倉(義武名誉会長)色が濃い人事になっている」
そう語るのは、かつて日本医師会執行部で役員を務めたことのある医師会関係者だ。松本吉郎会長率いる現執行部と全国の各ブロックの調整で、定員増となる4人の常任理事は“内定”しているが、そうした思惑通りとはいかずに、単独の立候補者が出て、選挙戦となる可能性もゼロではない。【本根優】
日医は6月25日の定例代議員会で、10人から14人に増員する常任理事について、追加の4人を選任・選定する。5月20日に公示され、6月4日に立候補者の届出を締め切る。
立候補を固めているのは、以下の4人だ。
北海道医常任理事の笹本洋一氏、石川県医理事の佐原博之氏、兵庫県医常任理事の坂本泰三氏、福岡県医理事の濵口欣也氏。
笹本氏は道眼科医会の会長も兼ねる。札幌市で「ささもと眼科クリニック」の理事長・院長を務めている。
佐原氏は日医の「医師会将来ビジョン委員会」の会長を務めた経験を持つ。七尾市の「さはらファミリークリニック」院長だ。
坂本氏は加東市で内科、糖尿病内科などを標榜する「坂本医院」の理事長を務めている。
濵口氏は県産婦人科医会副会長でもある。北九州市にある「濵口産婦人科クリニック」の院長を務める。
前述の医師会関係者によれば「佐原氏と濵口氏は横倉氏が日医会長時代から、信頼を寄せてきた人物。笹本氏と坂本氏は、北海道・東北、近畿というそれぞれのブロック内の力学が強く働いた起用」だという。
この4人以外にも、一部にはブロック推薦を得ない形での出馬を模索する動きがある。ただ、松本執行部としては、できれば選挙を回避したい意向ではあるものの、5人以上が出馬すれば選挙戦、そして代議員による投票が実施される見通しだ。
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