22年度診療報酬改定が4月1日に実施される。その影響に関して、全国の医師会関係者が懸念を抱いている代表例が「初診を含むオンライン診療恒久化」と「リフィル処方箋の導入」になる。【本根優】
22年度の改定率は、診療報酬本体が0.43%増とされた。ただ、看護の処遇改善に0.20%増、不妊治療の保険適用に0.20%増を確保したものの、リフィルで▲0.10%、小児のコロナ加算措置(医科分)の期限到来で▲0.10%を計上したため、実質的な改定率は0.23%増となった。
リフィルに関して、中部ブロックの関係者から「財務省の意向が強く反映されており、▲0.10%では済まない重大なインパクトをもたらすであろうことは想像に難くない」といった声が上がっている。
日医執行部として「22年度診療報酬改定をどのように総括しているのか」と、真意を問う姿勢からは、改定内容への強い不満がうかがえる。
と同時に、そうした声が中部ブロック、その中でも愛知県医から上がっていることについては、「政治的な意図を感じる」(与党厚労関係議員)との声が聞かれる。
政治的とは、6月に行われる予定の日医会長選挙を指す。愛知県医は20年の選挙で、横倉義武前会長の陣営に付いた。
愛知県医を12年から率いている柵木充明会長は、何かと物議を醸す存在だ。19年には、元国会議員の訪朝団に同行し、北朝鮮・平壌を訪問。将来的な医療支援を検討するため、現地の病院などを視察している。
20年の日医会長選では中川俊男氏が勝利したため、横倉陣営の副会長に名を連ねていた柵木氏は、出馬を辞退した経緯がある。
現在の情勢では、中川氏が再選出馬することが濃厚。仮に「反中川」で勢力を結集するとすれば、診療報酬改定での現執行部の対応のマズさは欠かせないピースとなる。リフィル導入を許したことを攻撃材料にしたい意図が、見え隠れしている。