医師会だけではない。自民党の関係者からも「大丈夫なのか」と心配の声が聞かれる。何かと言えば、100日後に迫る参院選(7月10日投開票の予定)での自見英子氏の2期目当選に関してだ。【本根優】
自見氏は過去に金融相・郵政改革担当相などを歴任した自見庄三郎氏の次女で小児科医。自民党公認で16年に初当選を果たし、再選出馬を予定している。
1期目では成育基本法の成立や、女性医療職の支援、難病対策など、得意分野で一定の成果を挙げ、再度、「日本医師連盟」(日本医師会の政治団体、委員長=中川俊男・日医会長)の組織内候補の座を射止めた。厚労大臣政務官として新型コロナウイルス対策も担った。党内では有力者の野田聖子女性活躍担当相や、ワクチン推進で連携する三原じゅん子元厚労副大臣と連携を深めるなど人脈も広がった。
ただ、安定感のある仕事ぶりとは裏腹に、プライベートの問題が、支持者の不興を買っている。とくに、同じ女性医師らに評判が悪い。それは、自見氏が政務官を務めた時代に“同僚”の橋本岳衆院議員(当時妻と子供4人)と、「不倫関係に陥り、連日夕刻の退庁後にデートを重ねている」などと週刊誌で報じられたためだ。その後、自見氏と橋本氏は21年末に結婚している。
日医連の関係者が語る。
「公示(6月22日まで3ヵ月を切った)この時期であれば、(後援会)名簿は40~50万人分は確保したいところだが、実際に集まっているのはその10分の1ほどだ」
前回16年の参院選で、日医連は、最終的に70万人余りの名簿を集め、自見氏は約21万票を獲得して当選を果たした。
だが、今回は全国的に準備不足に陥っているほか、「女性医師票」を取りこぼしそうな状況だ。
ある都道府県医師連盟幹部は「自分が“スキャンダル婚”をしておいて『私が子育て支援を、子ども家庭庁を…』とアピールされても困る。投票のお願いも非常にやりにくい」とこぼす。