菅義偉首相を支える首相秘書官は、「新型コロナウイルス対応の充実」を理由に増員が図られ、6人から最大の7人に増えた。【本根 優】
政務は、菅事務所の新田章文氏が官房長官時代から引き続き務める。事務は、防衛省出身の増田和夫氏が安倍内閣から続投。経済産業省出身の門松貴氏ら4人は、官房長官秘書官からそのまま登用された。財務省出身の大沢元一氏は、かつて主計局で医療予算などを担当する主査を務めていた。
増員は厚労省からで、菅氏が官房長官時代に秘書官を務めた経験のある鹿沼均氏を起用した。鹿沼氏は8月に大臣官房審議官(医療保険担当)に就いたばかりだったが、官邸に呼び戻された格好だ。
事務の首相秘書官は各省庁の「審議官級」、官房長官秘書官は「課長級」を充てるのが通例だが、菅氏は気心の知れた面々をそのまま登用したことになる。
霞が関には衝撃が走った。課長級の人間が政権中枢で急に“大出世”したことは、その後の各省幹部人事にも大きな影響を与えかねないからだ。