岸田氏の人事と政策

天王洲のアイル橋_2021年3月23日

 週明け10月4日に岸田内閣が発足する。岸田文雄氏は自民党総裁選に勝利した後に党役員人事に着手し、10月1日に決定した。人事では、安倍晋三前首相や麻生太郎副総理兼財務相に配慮した面が色濃い。果たして、政策面で岸田カラーを突き通すことができるのだろうか。【本根優】

 党三役では、幹事長に甘利明税制調査会長、政調会長に高市早苗前総務相、総務会長に福田達夫衆院議員を起用する。

 甘利氏は麻生派ながら早くから岸田氏支持を打ち出しており、論功行賞的な意味合いが強い。「安倍・麻生・甘利」の3Aの一角で、両氏との調整役も甘利氏が担うことになりそうだ。

 高市氏起用は衆院選を間近に控え、党の代表として野党などとの論戦で、そのディベート力が発揮されることへの期待がうかがえる。当選3回の福田氏の抜てきは、岸田氏が約束した若手重用の象徴と言える。総務会長は当選10回以上の重鎮が就くのが通例だからだ。

 麻生氏には副総裁ポストを用意した。後任の財務相には麻生氏の義弟にあたる鈴木俊一元五輪相を充てる。組閣では、女性・若手の起用などで、どれだけ「安倍・麻生色」を薄めることができるかに耳目が集まる。

 岸田氏は、小泉政権からアベノミクスへと続く新自由主義からの転換を目指す考え。この路線変更は社会保障や医療とも関わりが深い。

 経済財政運営について、岸田氏は総裁選で「規制緩和、構造改革の新自由主義的政策は日本経済の体質強化と成長をもたらしたが、富める者と富まざる者の分断も生んだ。成長のみ、規制緩和・構造改革のみでは現実の幸せにはつながらない」と主張してきた。

 さらに「成長と分配の好循環による新たな日本型資本主義の構築が必要」とも指摘。具体的には「新しい日本型資本主義構想会議」を設置し、これまでの経済政策・成長戦略・社会保障改革を総括し、ポストコロナ時代の経済社会ビジョンをつくる意向だ。

 ここ20年の間の自民党政権は「経済財政諮問会議」をテコに、毎年「骨太の方針」を策定するなどして、官邸主導で経済財政運営を行ってきた。診療報酬改定や薬価改定などもその枠組みで議論されてきたが、そうした手法を岸田氏が転換するのか。それだけの“腕力”を持ち合わせているのだろうか。

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