毎年と中間年の意味

和田倉門_2020年12月22日

 12月17日、加藤勝信官房長官、麻生太郎財務相、田村憲久厚生労働相の3大臣で「毎年薬価改定の実現」について合意した。薬価と市場実勢価格の「乖離率5.0%超」を基準に、改定品目を定めることが決まった。【本根優】

 21年度の薬価改定をめぐっては、その実施の是非や改定品目の対象範囲が大きな議論になった。診療側や製薬業界などは「平均乖離率の2倍(16.0%)以上」に対象を絞ることを主張したが、落としどころと予想された平均乖離率の1倍(8.0%)以上」をも下回る「5.0%超」で決着した。

 財務当局の「圧勝」で、製薬業界には落胆が広がる。

 医療費影響額は全品改定の場合は▲4900億円だが、今回の基準でも▲4315億円となり、影響額の面は「ほぼ全品改定」と言える。

 厚生労働省は通常の2年に1回とは違う位置付けを意識して「中間年改定」という用語を好むが、財務省は全く異なる。あくまで「毎年改定」だと言い張る。

 その違いは何か。財務省主計局関係者が語る。

 「奇数年度でも偶数年度でも毎年同じ改定をするという意味だ」

 21年度は新型コロナウイルス感染症の経営影響を考慮し、調整幅2%のほかに、「コロナ特例」で0.8%を上乗せし、緩和を図った。

 このため、次の23年度の中間年改定の方法や適用するルールは今後議論されることになるが、その際にも、今回の改定が「下敷き」となることは疑いがない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 国会前_2021年11月25日

    調整幅+一定幅

  2. 平川門_2021年7月20日

    自見氏再選

  3. 西幸門前L_2022年9月22日

    社保調査会長に後藤氏

  4. 祝田橋_2023年8月30日(中医協の帰り)

    日医の改定対応

  5. 雪道でトラブル

    地域包括ケア病棟評価をめぐる議論の軍配は?

  6. 国立国会図書館前_2021年7月29日

    改定の後ろ倒し「同時か分離か」

  7. 岩手県久慈市_2022年1月2日

    今回も「薬価」が犠牲に

  8. 法務省前_2021年3月26日

    牧原厚労部会長

議事録のページ総合
総会議事録のページ
材料専門部会議事録のページ
■ 議事録のページ【小委・分科会】

第587回中医協総会(2024年4月10日)【速記録】

第587回中医協総会(2024年4月10日)【速記録】

第586回中医協総会(2024年3月22日)【速記録】

第586回中医協総会(2024年3月22日)【速記録】

第224回中医協・薬価専門部会(2024年3月22日)【速記録】

第224回中医協・薬価専門部会(2024年3月22日)【速記録】
PAGE TOP