厚生労働省の幹部人事が、9月に入ってもなお、発表されていない。内閣で承認を得る局長級以上の人事については、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の延長などに伴い、発令が遅れている。【本根優】
そんな中、審議官を含む課長級以上の人事異動については、9月14日発令を念頭に7日に内示が出た。
保険局担当の大臣官房審議官には間隆一郎氏(大臣官房審議官医政、医薬品等産業振興、精神保健医療担当)が回る。医政局担当の大臣官房審議官には医系で、これまでに新型コロナウイルスワクチンなども担当してきた大坪寛子氏(大臣官房審議官子ども家庭、少子化対策、災害対策担当)が就く。
保険局医療課では、山田章平保険医療企画調査室長が、内閣参事官(内閣総務官室)に出向する関係で、高宮裕介医政局医療政策企画官が後任に起用される。
医政局では、医薬品・医療機器業界の窓口である医政局経済課長のポストが交代。現任の林俊宏氏が子ども家庭局保育課長に回り、後任は安藤公一内閣参事官が務める。
安藤氏は、かつて保険局総務課医療費適正化対策推進室長、保険局保険課長などを務め、データヘルス関連政策に精通する。
経済課長と言えば、医薬品・医療機器業界の産業振興のほか、有事のマスク確保対策から、医薬品流通まで広い範囲をカバーする役職。前任の林氏が8年ぶりとなる「医薬品産業ビジョン」策定に携わったことから、ビジョンのフォローアップも安藤氏が担うことになる。
過去に経済課長を務めた二川一男氏が事務次官まで上り詰めたように、その経験者の多くが局長以上の座を射止める、出世ポストでもある。
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