前日本医師会長の横倉義武氏(現名誉会長)が9月26日、大阪での医師会関係会合(平成医政塾)で次のような話をした。日医が菅義偉首相とどう対峙すべきかを、自身の経験を踏まえて語っている。【本根 優】
「菅さんは医師会を既得権益の塊と見ていた。会食して何とか理解してもらおうとしたが、『あなたの言うことを信用する』と言ってもらうのに2年かかった。(菅氏が)酒を飲まないので難しかった」
横倉氏は首相の安倍晋三氏とは第2次政権発足時から良好な関係を築いていたものの、官房長官の菅氏との関係づくりには手を焼いていたことがうかがえる。
さらに、かつての「右腕」、中川俊男会長が率いる執行部がどうすべきかを示した。
「菅さんには人と人との関係を通じて医師会を理解してもらう必要がある。秋田の人脈が役立つのではないか。あとは医師会のことをよくわかっている田村(憲久)厚生労働相と太いパイプを築くことだ」
要するに「菅さんとは時間をかけて関係を構築するしかない。当面は田村さんを頼れ」ということになるが、果たして中川会長は「名誉会長」のアドバイスをどう聞いて、どう行動するのだろうか。