増える「特例的な対応」

増える「特例的な対応」

 「薬価上のルールなのか、ルールでないのか、わからないものが増えている」
 元厚生労働省幹部でさえ、そんな感想を漏らす。厚労省は24年度診療報酬改定に伴い、2年連続で「不採算品再算定」の特例的な対応を行った。 【本根優】

 具体的には、急激な原材料費の高騰、安定供給上の問題に対応するため「薬価の下支え制度の充実」という名目で、23年度の中間年改定時に、企業が希望する「全品目」に対する不採算品再算定を実施(1100品目)した。同様に24年度にも「全品目」に対する不採算品再算定を行うことにした(1943品目)。

 不採算品再算定は「保険医療上の必要性が高いと認められるもの」「薬価が著しく低額でメーカーが製造販売を継続することが困難なもの」に対して、メーカーが供給停止に陥らないよう、薬価上の措置を施すルールだ。

 本来「成分規格が同一の類似薬のすべてが不採算品再算定の要件を満たす場合」に適用することになっているが、23年度も24年度も、そうした制約を課さなかった。

 一方で、24年度は薬価調査で「乖離率が7.0%を超えた品目は不採算品再算定の対象外」とした。ルール外の特例的な対応を講じつつ、その対応自体も年度ごとに変えているわけだ。

 このほかにも、高額薬剤対策では、通常の新薬薬価収載と異なり、年間市場規模が1500億円超と見込まれる品目が承認された場合「ただちに中医協総会に報告し、薬価算定の議論を行う」特例が存在する。

 これに関連する話として、新型コロナウイルス感染症治療薬については、別の収載後の価格調整(市場拡大再算定)基準を設けている。

 前述の元厚労省幹部は「臨機応変なのか、場当たり的な対応なのか、捉え方はさまざまだろうが、ルール体系が現実に追いついていないのは確かだろう」と指摘する。
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