「長時間労働の削減に今ひとつ結びついていない。事務局として、原因や課題について、どのように分析されているのか」──。これに厚生労働省の担当者が「ICカードやタイムカードで、より正確に医師の労働時間を把握できるようになった可能性がある」と説明すると、支払側委員から笑みがこぼれました。【新井裕充】
約1カ月ぶりの中医協です。前回は医療計画について、今回は働き方改革です。こんなスケジュールで進んでいます。
今回の中医協は総会のみ約2時間の開催で、「働き方改革の推進について(その1)」と題する97ページの資料を厚労省の担当者が説明した後、約1時間に及ぶ質疑応答がありました。
診療側は、基準の緩和など要望事項を中心に述べました。一方、支払側からは、これまでの対応が功を奏していないとの苦言が相次ぎ、「地域医療体制確保加算」が槍玉に上がった印象です。
質疑で複数の支払側委員が言及したのは、労働時間の改善が見られないデータについて。資料39ページです。
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これに対し、厚労省の担当者は調査研究のデータ(P20)を紹介し、「医師の勤務実態調査においては、医師の労働時間について改善が認められている」と説明しました。
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その上で、労働時間の把握にばらつきが生じる原因について次のような認識を示しました。
〇安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)
(前略)医師の働き方につきましては、33ページからの地域医療体制確保加算が令和2年度から新設され、令和4年度には施設基準が見直されておりますが、39ページを見る限りにおきましては、長時間労働の削減に今ひとつ結びついていない印象も受けます。事務局として、原因や課題について、どのように分析されているのか、お考えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。(中略)
〇厚労省保険局医療課・眞鍋馨課長
(前略)地域医療体制確保加算を算定している医療機関につきましては、医療機関を調査客体としたデータでは月155時間以上ですね。年間1,860時間以上に相当する医師の割合はごくわずかでありますものの、若干増えていると。
一方で、これはちょっとページ飛びますが、20ページにお示ししたとおりで、医師を調査客体とした医師の勤務実態調査においては、医師の労働時間については改善が認められているところでございます。ここでは10%程度の医師が1,860時間に相当していると。
こういった、聞く主体、回答する主体におきましてデータに乖離があるという状況かというふうに思ってございます。これらのデータを解釈するに当たりましては、今、申し上げたとおり、回答の主体が「医療機関か医師か」の違いですとか、医師の勤務先の違いにより結果が異なりうることや、それから医療機関がICカードとかタイムカードでですね、より正確に医師の労働時間を把握できるようになった可能性があることなど。それからまた、あとは、医師が自己研鑽や宿日直等をしている時間をどのように認識しているかというところで経時的な変化がある可能性があることなどがございまして、私どもとしては、まずは、これは医療機関側に聞くところ、医者に聞くところ、というふうに、まずはそのように、まずは捉えておくべきかなと思ってございます。(後略)
かつて厚労省の会議で、「医療機関のコストを分析しよう」という壮大な試みがありましたが頓挫しました。最大の壁は医師の労働時間の把握です。正確に把握すべきとの主張に対し、当時の課長は「そうすると労働基準法違反がバレバレになっちゃうでしょ」と言って笑いをとったことを懐かしく思い出します。
それはさておき、今回の議論に使用された資料「総-5」はよくまとまっています。ただ、非常に大部で迷路にはまるのが難点。そこで、ポイントを絞るためにオススメしたいのが32ページです。
表の一番下「P6年度」がどうなるか? と予想しながらチェックしてはいかがでしょうか。
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ここでは、平成20年度改定から前回改定までの対応について三本柱で整理されており、資料も同様の構成になっています。
1.医師の働き方改革に対する評価
2.タスクシフト、タスクシェアに対する評価
3.医療従事者の負担軽減等に対する評価
厚労省担当者の説明は以下のとおりです。前半は、来年4月からスタートする医師の時間外労働規制について。後半は、これまでの診療報酬上の対応です。これが資料の大半を占め、31ページから96ページまで続き、最終ページが論点です。
1. 働き方改革の推進に係る現状等について
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
それでは、続きまして「働き方改革の推進について」を議題といたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
〇厚労省保険局医療課・眞鍋馨課長
はい。医療課長でございます。それでは、「総-5」の資料を用いまして、働き方改革の推進について、ご説明をさせていただきたいと思います。
1)働き方改革の推進について
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2ページをご覧ください。ここに目次がございます。こちらから、働き方改革の推進に係る現状等につきまして、ご説明をさせていただきます。
まずは、「働き方改革の推進について」ということでございます。
3ページ目でございますけれども、こちらは「医師の働き方改革の全体像」ということでございます。
働き方の改革は、医療提供体制に大きく影響する。
こういったことから、住民の適切な関わり方も重要であるといったことも指摘されていることを示してございます。
4ページ目でございます。
医師の時間外労働規制の施行。中長期の見通しでございます。
下の、こちら表がございますけれども、2024年で「施行」とございますけれども、このあとも一部では、一般の医師より長い労働時間も認めることとなっているところでございます。
最終的には、そういった一般の水準を超えた労働、医師の労働に関しまして、
2036年、右側のほうに下にございますが、3月までに解消するという方向で議論がなされているところでございます。
次に、5ページ目に進みます。「医師の時間外労働規制について」でございます。
上半分の中ほどに、「A」「B」「C」というふうにございます。「A水準」は、一般の診療従事勤務医の一般則でございます。2024年度以降に適用されるところでございます。
そして、特例水準といたしまして、その横に「B水準」と「C水準」がございます。
「連携B」「B」、あるいは「C-1」「C-2」ということでございますけれども、
「B水準」というのは地域医療体制を支え、一般則を超えて勤務していただかないといけないという医師に係る水準になります。
「C水準」につきましては、研修医等、医療の技術・技能を向上させるために研修する医師に係る水準となってございます。
この「B水準」「C水準」につきましては、一般則を超えた時間外労働時間の上限となりますので、追加的な健康確保措置を行うということになっております。
6ページ目でございます。
今、申し上げたような水準に該当する医師が各医療機関の中で勤務しているということをお示しをする1つのイメージ図表でございますけれども、
それぞれの水準は、指定される事由となった業務に従事する医師にのみ適用されます。
所属する医師に異なる水準を適用させるためには、医療機関はそれぞれの水準についての指定を受ける必要があるところでございます。
7ページ目でございます。
こちらは、令和3年の医療法改正についてでございます。
「B水準」「C水準」の都道府県知事による指定や、指定された医師等の健康確保措置について定められてございます。
次、8ページ目に進んでいただきまして、2024年4月の医師の時間外労働時間の、こちら上限規制の施行に向けた準備プロセスで、
各医療機関の取組とともに、特例水準を適用するに当たりましては、医療機関の評価センターへの受審といった内容がこちらに記載されているところでございます。
9ページ目に進ませていただきます。
先ほど申し上げました追加的健康確保措置についてでございます。
特例水準が適用される医療機関におきましては、事後ではなく、あらかじめ時間外・休日労働が100時間以上となることが見込まれる場合に関しては、
(見込まれる)方に関しては面接指導をする。ということとなっているところでございます。
10ページ目。連続勤務時間に応じて勤務間のインターバルを定めるとともに、これは代償休息のルールもあるところでございます。
こちら11ページ目は、さらにこれは臨床研修医に関するものでございまして、
より手厚い追加的健康確保措置を行うこととしているところでございます。
12ページ目、13ページ目、字が細かくて恐縮でございます。
こちらはタスクシェア・タスクシフトについて、各関連職種の法律改正事項をまとめた、一覧にしたものでございます。
14ページ目、15ページ目でございますけれども、こちらは法改正による各種関係職種の業務を拡大したとともに、
さらに推進すべきタスクシェア・タスクシフトの項目をまとめて公表しているものでございます。
それでは、16ページに進ませていただきます。
こちらは地域医療介護総合確保基金の全体像でございまして、17ページに進んでください。
こちらには、この基金で「事業区分Ⅳ」の中におきまして、「勤務医の労働時間短縮の推進」というものが掲げられてございます。
勤務環境改善の体制整備に取り組む医療機関に対する助成を行っているところでございます。
ここは17ページの左側で、赤字で補足が書いてございます。
こちらは後ほど、ご説明いたします「地域医療体制確保加算」を取得している医療機関は補助対象外ということで、一定の役割分担がされているところでございます。
18ページでございます。
地域医療介護総合確保基金の中の「地域包括ケアの拠点となる病院・薬局における薬剤師の確保支援」というものも対象になっていることをお示ししてございます。
2)医師の勤務時間等の現状について
それでは、19ページです。
こちらは目次でございまして、「医師の勤務時間等の現状について」を示したものでございます。
20ページでございます。
病院勤務医の、これは労働時間の分布でございます。週の労働時間の分布でございます。
このオレンジの縦の棒グラフが、こちら平成28年。緑が令和元年で、
この間、例えば右側ですね。週80時間以上とか90時間以上、100時間以上といった方々の割合が低くなっているということで、全体としては短くなっている傾向にあるということでございます。
21ページ。こちらは病院の種類別の病院勤務医の労働時間の分布でございます。
これは大学病院が青い棒グラフですね。
救急の病院が濃いオレンジの棒グラフでございますけれども、
大学病院は他の病院と比べて労働時間がやや長いという傾向にあろうかというふうに言えると思います。
22ページ。
これは診療科別の病院勤務医の労働時間でございます。
右側に太い赤で書いてございますが、外科、脳神経外科、救急科ですね。
(外科、脳神経外科、救急科)は労働時間が長く、
一方で、精神科、リハビリテーション科、眼科の労働時間が一方で短い、下位にあるという傾向にあるところでございました。
次に、23ページでございます。
令和4年の3月から4月にかけて行いました「医師の働き方改革の施行に向けた準備状況調査」の結果でございます。
大学病院を調査対象に、医療機関に年間通算で1,860時間相当を超える労働時間の医師の割合を調査してございます。
表の一番右下でございますが、全体では2.4%となっているところでございます。
24ページ以降、こちらは令和4年度の入院・外来医療等における実態調査における結果を示してございます。
24ページは回答者医師の属性でございます。
25ページに進ませていただきます。
25ページ。医師の勤務状況の改善の必要性についてでございます。
まず左側の、この円グラフでございますけれども、①の「現在の勤務状況」。
その中で「改善の必要性が高い」、これは青でございます。
また、そして次の色が「改善の必要がある」ということでございますけれども、
それぞれ11%、40%を合計しますと、こういった必要性があるというふうに回答した医師の割合は51%であったということでございます。
また次、右側のこちらは帯グラフでございますけれども、その理由といたしましては、
一番上にありますとおりで、「医師の過重勤務により患者が不利益を被る可能性があるため」というふうなことが一番多く挙げられているということでございます。
26ページは、こちらは診療科別に見た勤務状況の改善の必要性の状況でございます。
27ページは、これは職位別に見た勤務状況の改善の必要性に関する状況でございます。
左側に「院長・副院長」、そして「部長・副部長」というふうなことで、職位別にそれぞれ「必要性が高い」「必要がある」というふうなことで、それぞれの割合を示しておりますが、
「部長・副部長」級から、その下4つまで、「非管理職の医師」のところまでは「改善の必要性が高い」、あるいは「必要がある」と答えた方の割合が半分を超えているということでございます。
こちら28ページは、これは医師の勤務状況の以前との比較ということでございます。
1年前との比較でございますけれども、勤務時間が「短くなった」と回答した医師が12%。「長くなった」と回答した医師が11%で、
「変わらない」というふうに回答した医師が77%を示したというものでございます。
29ページに進ませていただきます。
医師の負担軽減策の実施状況でございます。
こちら、字が細かくて恐縮でございますけれども、
「薬剤師による投薬に係る患者への説明」ですとか、
「医師事務作業補助者の外来への配置・増員」
といった取組が多く掲げられてございます。
特に特徴的かなと思いますのは、薬剤師のご活躍が非常に負担軽減になるというふうな回答が高かったということでございます。
それから、30ページでございます。
こちらは病院の種類別の負担軽減策の実施状況でございます。
・特定機能病院入院基本料を届けている病院、それから、
・急性期一般入院基本料を届けている病院、
・地域医療体制確保加算を届けている病院に関して、
勤務している医師の状況ということでございます。
2. 診療報酬における働き方改革に向けたこれまでの取組について
それでは次に進ませていただきまして、31ページ。
また目次でございますけれども、大きく次のチャプターということで、「診療報酬における働き方改革に向けたこれまでの取組について」ということをお示ししてございます。
32ページでありますけれども、こちら平成20年度からのチャートをお示ししてございます。
こちらは平成20年度で、例えば医師事務作業補助体制加算の新設が行われたのが平成20年度でございました。こういったこと。
そしてまた、平成20年度には入院時医学管理加算というのを設けられておりまして、これが総合入院体制加算などにつながっていくということでございまして、
こういった取組を、それぞれの項目について、このようなことをしてきたということを類型化して整理をしてお示しをしたものでございます。
1) 医師の働き方改革に係る取組への評価について
33ページに進みまして、こちら、その取組の評価の中で「地域医療体制確保加算」についてでございます。
① 地域医療体制確保加算
34ページ。こちらは令和2年度の診療報酬改定におきまして、この加算を新設したということをお示しするもの。
そして、35ページでございます。
令和4年度、前回改定における見直しにつきまして、医師の働き方改革を実効的に進めるという観点から、
算定対象医療機関を追加するとともに増点を行っております。
36ページでございます。
こちらは「医師労働時間短縮計画について」でございます。
ガイドラインに基づく計画の作成を求めるということにしております。
37ページ。地域医療体制確保加算の算定状況でございます。
直近、令和4年9月の時点で、算定医療機関数ですが、
ここに病床数が少ない順に、「13」「84」「466」「482」というふうにございますけれども、
合計いたしますと、1,045の医療機関となっているところでございます。
また、400床以上の病院においては届出の割合が最も高いということになっております。
38ページ以降、こちら、この加算を算定している医療機関のデータをお示ししてございます。
38ページは、これは勤務時間の把握状況でございます。
タイムカード、ICカードによる把握を行うという医療機関が増えているということがお示しされておりまして、
39ページ目。こちらは長時間労働している勤務医数の推移でございます。
時間外労働の時間が月155時間以上の医師の方の割合、これは年間で言うと1,860時間に該当しますが、
この割合は、医師を対象にした調査(155時間以上)に比べると約0.2%ということでございまして、その割合が少なく、
時間外労働時間が月80時間以上の医師の割合は2020年から2022年にかけて増加しているという傾向にあるところでございます。
40ページ。こちらは宿日直および連日当直の状況です。
連日当直を実施した者の人数は減少していますが、回数はわずかに増加しているということを示しています。
41ページ。こちらは「B水準・C水準等に相当する医師の、働き方改革に向けた具体的な取組」として、
医師事務作業補助者の活用が多く挙げられているということでございます。
② 勤務環境に特に配慮を要する領域への対応
次、42ページ以降、こちらは「勤務環境に特に配慮を要する領域への対応」ということでございます。
43ページ。こちらは手術・処置の休日・時間外・深夜加算においては、
勤務医の負担軽減等の体制整備が要件とされている加算ということであります。
③ 働き方改革に係る環境整備等の推進
次に、45ページ以降でございますけれども、こちらは「働き方改革に係る環境整備等の推進」ということでございます。
46ページには、総合入院体制加算の概要をお示ししてございます。
・総合的かつ専門的な急性期医療を24時間提供できる体制、
・医療従事者の負担の軽減および処遇の改善に資する体制
等を評価してございます。
47ページは、その施設基準のうち、医療従事者の勤務環境改善に関する要件をお示ししたものでございます。
院内保育などの例を掲げてございます。
④ 多様な勤務形態の推進
次に、48ページ以降でございますが、「多様な勤務形態の推進」ということでございます。
勤務形態に関しましては、それぞれの評価の内容に応じて医療の質を担保するために、
ここの部分は常勤の配置が必須となる業務もありますけれども、多様な勤務形態を推進すべきということで、
49ページ目でございますけれども、非常勤の職員の配置を可とするものなどを改定の中で増やしてきているということでございます。
50ページは、これは専従要件の見直しなども行っていることをお示ししてございます。
51ページ。こちらは宿日直許可でございます。
働き方改革の推進の中で、こちらの宿日直許可を取得できる医療機関におきましては取得することも考えられ、
また、まずは一般的な許可基準としてお示ししているものが、下の箱にお示ししているものでございます。
52ページ。医師・看護師等の宿日直許可基準につきましては、医療機関の実態に合わせたかたちで令和元年度にお示ししているものでございます。
53ページ、54ページに関しましては、これは治療室系の入院料、それから、その基準について、お示しをしてございます。
こちらICUなどにおきましては、施設基準として医師の24時間常時勤務を求めている管理料もございます。
2) タスクシェア・タスクシフトに対する評価について
次、55ページ以降でございますけれども、こちらはタスクシェア・タスクシフトについてであります。
56ページ、57ページでありますが、これは先ほどもございました、それぞれの資料の再掲でございます。
それから58ページは、これは関係する診療の補助の説明ということでございます。
① 医師事務作業補助体制加算
59ページ目。
これは医師事務作業補助者のこれまでの経緯ということでございます。
先ほど、平成20年に新設をしましたということでご説明をしましたけれども、
その後、それがだんだん算定される回数も増え、件数も増え、そして充実をしてきているということをお示しをしてございます。
それから60ページ。
令和4年度診療報酬改定における医師事務作業補助体制加算の見直しについてということでございます。
② 特定行為研修
61ページ目から、こちらは特定行為研修についてでございます。
第8次の医療計画では、タスクシフト・タスクシェアの観点も含め、
各都道府県において、特定行為研修修了者の就業者数の目標値を算出することになってございます。
62ページ目は、この特定行為研修の現状で、
右側にお示ししてございますとおり、直近の研修修了者数は累計で6,875人となっているところでございます。
63ページ。
こちらは特定行為区分別の研修修了者の数をお示しするもの。
そして、ここから字がまた細かくて恐縮でございますけれども、64ページから68ページは、これは診療報酬上の評価といったもので、こういったものがあるということをお示しするもの。
③ 栄養管理に関する主な評価
69ページ、70ページ目は、これは栄養管理に関する主な評価になります。
69ページ目にお示ししてございますとおり、周術期の栄養管理実施加算や入院栄養管理体制加算が新設されたということでございます。
④ 薬剤師のチーム医療への参画
次、71ページ目以降が、これは薬剤師について、お示しする資料でございます。
平成22年、71ページでございますが、通知におきまして、薬剤師が実施することができる業務の具体例がお示しされているところでございます。
72ページ目。
こちらは平成29年の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」報告書におきまして、
薬剤師の生産性と付加価値の向上について示されているものでございます。
73ページ。令和3年度の通知におきまして、医師から薬剤師へのタスクシフト・タスクシェアが可能な業務の具体例をお示ししているものでございます。
74ページは、その業務の、病棟薬剤師の業務のイメージということでございます。
75ページ、76ページが、これは病院薬剤師に関連する診療報酬の主な評価ということでございます。
令和4年度の診療報酬改定におきましては、76ページにお示しするように、
・周術期の薬剤管理加算や
・術後疼痛管理チーム加算
が新設されたということでございます。
77ページ。
こちらは病棟における薬剤師の関与についてということでございます。
8割以上の医師が、病棟薬剤師の配置により医師の負担軽減および医療の質の向上について「効果がある」、「どちらかといえば効果がある」というふうなご回答をいただいております。
78ページでございます。こちらは病棟薬剤業務実施加算の届出状況でございます。
加算を算定できていない最大の理由としては、薬剤師さんの人数が確保できないという、そういった回答となっているところでございます。
3) 医療従事者の負担軽減等に対する評価について
それでは79ページ以降、こちらは「医療従事者の負担軽減等に対する評価について」ということで、
こちら、診療報酬項目をずっとここから並べてございます。
① 看護職員の負担軽減策
80ページが、こちらは看護職員の負担軽減策。
80ページが全体像。
81ページが、負担軽減策に係る加算等の主な変遷。
82ページが、入院基本料等の看護補助者に係る加算。
そして83ページが、急性期看護補助体制加算が、こちらは微増傾向であること。
そしてまた、看護補助加算が減少傾向となっていることをお示ししてございます。
② 看護補助者の更なる活用
84ページ、85ページでございますが、これは夜間の看護配置に係る評価および業務管理等の項目の見直しでございます。
86ページ、87ページ。
こちらは看護補助者の更なる活用に係る評価の新設をしたものでございます。
そして、88ページでございますが、こちらは看護業務補助者等の従事者数の推移でございます。
平成26年をピークに近年、年々減少しているということでございます。
特に、介護福祉士以外の看護業務補助者の数が減少傾向にあるということをお示ししているものでございます。
89ページ。
こちらは看護補助者に係る取組の事例で、
「看護補助者の拡大チーム」の編成と、それから、
「看護補助者ラダー」の導入ということでございます。
③ 看護記録に係る負担軽減
90ページ目でございますけれども、看護記録における負担軽減のための取組に関してでございまして、
看護師における負担が主に記録によるということも示しているところでございます。
④ ICTの利活用の推進
そして、91ページ目から94ページ目でございます。
ここはICTなどを活用した業務改善を推進するために、令和2年度、
そしてまた令和4年度の診療報酬改定で対応した取組をお示ししているところでございます。
⑤ 介護ロボット等による生産性向上
また95ページ、96ページでございますけれども、こちらは介護現場の資料でございますけれども、
ロボットなどの活用に係る実証実験などの結果を示しているところでございます。
それでは、最後のページ。こちら現状、課題、そして論点ということでございます。
働き方改革の経緯でございますけれども、2024年度に医師の時間外労働基準の上限規制が開始されるということでございます。
ただし、時間外労働時間の上限は将来的には縮減方向。これからあとも引き続き継続的な取組が必要ということ。というようなことでございます。
次に、「医療従事者の働き方改革に係る取組への評価について」でございます。
こちらは、地域医療体制確保加算等により評価されていること。
また、タスクシフト・タスクシェア、こういったことに対する評価ということで、いくつかの評価がございます。
そして、最後の論点でございます。
2024年4月から医師についての時間外労働の上限規制が適用され、
働き方改革に向けた継続的な取り組みが求められる中、
これまでの医師をはじめとした医療従事者の働き方改革の取組や、
これまでの診療報酬上の対応を踏まえ、
働き方改革の推進に対する診療報酬の評価の在り方について、
どのように考えるか。
こういう論点の立て方をさせていただいております。事務局からの説明は以上でございます。
〇小塩隆士会長(一橋大学経済研究所教授)
はい、どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問等がございましたら、よろしくお願いいたします。それでは、最初に長島委員、お願いいたします。
(後略)
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