「第8期介護保険事業(支援)計画における取組の方向性」を示す ── 厚労省、介護保険部会で

2019年9月13日の介護保険部会1(ベルサール九段)

 厚生労働省は9月13日、社会保障審議会(社保審)の介護保険部会(部会長=遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所所長)を開き、「第8期介護保険事業(支援)計画における取組の方向性」を示した上で、「介護サービス基盤整備」と「認知症施策の総合的な推進」について、それぞれ「論点」を示した。【新井裕充】
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 厚労省は前回8月29日の同部会に「今後の検討スケジュール(案)」を提示。これまでの議論を踏まえ、「各テーマごとに月1・2回ペースで議論する」とし、前回に引き続きテーマ別の検討を進めた。

 厚労省は年内に報告書を取りまとめる予定で、これを踏まえて来年の通常国会に介護保険法の改正案を提出。法案が成立すれば、2021年度から次期介護保険制度がスタートする見通しとなっている。

資料1今後の検討事項_20190829介護保険部会_ページ_03

 会合では、最初に厚労省老健局介護保険計画課の山口高志課長が「介護保険事業(支援)計画」の概要を説明した上で、都道府県や市町村が策定する計画の記載事項を紹介。次期計画に盛り込むべき取組の方向性を挙げ、「こういったことを意識して第8期の介護保険事業計画を定めていくことが必要ではないかという問題提起」と述べた。

006_【資料1】介護保険事業(支援)計画_20190913介護保険部会

 続いて、同日のテーマに挙げられた「介護サービス基盤整備」について厚労省老健局高齢者支援課の齋藤良太課長が説明。介護サービス利用者数の見込みを示した上で、「地域によって様相がかなり異なってくるというような状況」と指摘。都市部と地方部の好事例を紹介した上で、「今後、地域の実情に応じた介護サービス基盤整備についてどのように進めていくのか」などの論点を挙げた。

 最後に、厚労省老健局認知症施策推進室の岡野智晃室長が「認知症施策の総合的な推進」について説明し、第1期から現在までの取組を振り返った。最近の動きとして、今年6月の「認知症施策推進大綱」や、国会で継続審議中の「認知症基本法案」などを挙げた上で「論点」を提示。「今回の大綱の考え方、施策などを効果的に推進していくために、重点化・明確化すべき内容についてどのように考えるか」と意見を求めた。

2019年9月13日の介護保険部会(ベルサール九段)

 質疑では、会議に出席した約20人の委員が1人3~5分程度で次々に発言。約90分間にわたって一通り発言を終えたところで、予定の終了時間となった。

 本稿では、介護保険事業(支援)計画(山口課長)、介護サービス基盤整備(齋藤課長)、認知症施策の総合的な推進(岡野智晃室長)の説明部分をお伝えする。

 ※ 質疑の模様は → 介護サービス基盤整備、認知症施策に関する発言全文 ── 9月13日の介護保険部会

〇厚労省老健局・栗原正明企画官
 それでは定刻となりましたので、ただいまから第81回社会保障審議会「介護保険部会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。報道関係の方にご連絡します。冒頭のカメラ撮影はここまででございますので、ご退席をお願いいたします。

 それでは、以降の議事進行は遠藤部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
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〇遠藤久夫部会長(国立社会保障・人口問題研究所所長)
 はい、皆さん、こんにちは。本日もよろしくお願いいたします。まず、本日の出席状況でございますが、黒岩(祐治)委員(全国知事会社会保障常任委員会委員、神奈川県知事)が欠席でございます。黒岩委員の代理といたしまして、柏﨑(克夫)参考人、神奈川県福祉子どもみらい局福祉部長がご出席でございますので、お認めいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。ありがとうございます。

 それではまず、議事に入る前に事務局から資料の確認をお願いいたします。
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〇厚労省老健局・栗原正明企画官
 はい。厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化の取組を推進しており、タブレットを用意しております。操作等で、ご不明点等ございましたら、サポートしますので、お申し付けください。あわせて、机上にも資料を用意しております。

 続いて、お手元の資料を確認させていただきます。資料1「介護保険事業(支援)計画、資料2「介護サービス基盤整備」、資料3「認知症施策の総合的な推進」、参考資料1「介護保険事業(支援)計画(参考資料)」、参考資料2「介護サービス基盤整備(参考資料)」、参考資料3「認知症施策の総合的な推進(参考資料)」、以上でございます。不備等がございましたら事務局までお申し付けください。
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〇遠藤久夫部会長(国立社会保障・人口問題研究所所長)
 よろしゅうございますか。それでは議事に入りたいと思います。

 本日は、議題が3つございますけれども、議題の1、2、3をまとめてご議論いただきたいと思います。事務局から、資料の説明をまずお願いしたいと思います。

遠藤久夫部会長(国立社会保障・人口問題研究所所長)_2019年9月13日の介護保険部会(ベルサール九段)

説明1 ── 介護保険事業(支援)計画(山口課長)

000_【資料1】介護保険事業(支援)計画_20190913介護保険部会

〇厚労省老健局介護保険計画課・山口高志課長
 はい、介護保険計画課長でございます。私からは、資料の1(介護保険事業<支援>計画)について、ご説明をさせていただきます。まず1ページ目でございますけれども、

001_【資料1】介護保険事業(支援)計画_20190913介護保険部会

 「今後の検討の視点」ということで、介護保険部会におきましては、これまで5つのテーマ、「検討事項」があるところでございますけれども、

 ・ 介護予防・健康づくりの推進
 ・ 保険者機能の強化
 ・ 地域包括ケアシステムの推進
 ・ 認知症「共生」・「予防」の推進
 ・ 持続可能な制度の再構築・介護現場の革新

 という、5つの「検討事項」について、ご議論いただいてきたところでございますけれども、介護保険におきましては、この事業計画というのを、これから市町村あるいは都道府県のほうで策定をして、それに沿って事業を運営いただくということになっておりますので、こうしたテーマに関する検討の成果というのは、事業計画あるいは支援計画のほうに落とし込んでいくということが必要になってくるところでございます。

 2ページ目でございますけれども、それでは介護保険事業(支援)計画について、どういうものかっていうのを改めて書いたものでございます。

002_【資料1】介護保険事業(支援)計画_20190913介護保険部会

 市町村が定める介護保険事業計画ですけれども、3年を1期とする計画となっております。また、都道府県も同様に3年を1とする介護保険事業支援計画を策定する。

 それを策定するにあたり、国が定めるものもございます。米印にありますけれども、「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」、いわゆる「基本指針」というものを定め、これに即して自治体が計画を策定していただくという流れになってございます。

 2つ目の丸でございますけれども、平成29年の介護保険制度改正において、どういうものを介護保険事業計画に位置づけたかということを書いてあります。

 高齢者の自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化の推進、(すなわち)データに基づく課題分析、あるいはそのインセンティブというようなことが位置づけられてございます。

 それから地域共生社会の推進、それから医療計画との整合性の更なる確保、それから介護を行う家族への支援、虐待防止の推進、それから「介護離職ゼロ」に向けたサービス基盤の整備というようなものでございます。

 3ページ目でございますけれども、いま現在、第7期の介護保険事業計画期間でございますが、市町村が策定する計画にはどのようなことが記載されているか、ということでございます。

003_【資料1】介護保険事業(支援)計画_20190913介護保険部会

 記載事項には「基本的記載事項」、つまり義務的に記載する事項と、それから「任意的記載事項」、努力義務として記載をする事項という2つの種類の事項がございます。

 「基本的記載事項」といたしましては、介護サービスの種類の量の見込み、それから地域支援事業の量の見込み、こういったものを定める。さらに、第7期において新たに自立支援・重度化予防ということで、そういったものの取組目標、あるいは介護給付の適正化への取組目標ということが位置づけられております。

 また、「任意的記載事項」といたしましては、地域包括ケアシステム推進のための重点的に取り組むことが必要な事項、そういったもの、あるいは一番下のポツですけれども、介護給付のサービスの種類ごとの量、それから費用、まあ、地域支援事業も同様でございますけれども、それから保険料の水準に関する中長期的な推計ということで、2025年度の推計を定めるということを努力義務としてお願いをしております。

 次のページは、都道府県が策定する介護保険事業支援計画でございます。「基本的記載事項」は、市町村が定めるものと同様のものでございます。県レベルでの取組を記載していただくということになっております。

004_【資料1】介護保険事業(支援)計画_20190913介護保険部会

 「任意的記載事項」につきましても、地域包括ケアシステム構築のための支援に関する事項ですとか、あるいは上から3つ目のポツですけれども、地域包括ケアシステムを支える人材の確保および資質の向上に関する事項、そういったものも定めることになっております。

 それでは、いま現在の計画である7期の計画において、どのようなサービス量の見込みが定められているかというのが 下に書いてございます。

 第6期の最終年度の見込みと比べて、例えば在宅サービスでいいますと10%増加をするという見込みを立てております。さらに居住系サービス、いわゆる特定施設入居者生活介護等のサービスですけれども、約17%増、それから施設サービスに関しましては約10%の増加ということになっております。

 また、地域支援事業の量の見込みですけれども、令和2年度において、いわゆる総合事業の費用が4,103億円、包括的支援事業・任意事業の費用が2,296億円、合計で6,399億円ということになっております。

 1枚おめくりいただいて、それでは自立支援・重度化防止、これも7期から定めることになっておりますけれども、こういったものについて、どういうものが書いてあるかということが2つ目に書いてございます。

005_【資料1】介護保険事業(支援)計画_20190913介護保険部会

 1つだけ例をご紹介いたしますと、市町村の介護予防の推進という目標が定められているというときには、住民主体の「通いの場」の立ち上げ強化のための研修会の実施ですとか、補助金の創設を実施、そういったことが取組の目標として掲げられているということでございます。

 「現状・課題」の3番目ですけれども、「介護保険制度を取り巻く環境の変化と課題」ということでございます。3つ、丸がございます。1つ目は、われわれもずっと2025年を1つの峠、山ということで、そこを意識して施策の推進を図ってきたわけですけれども、これから今度は団塊ジュニア世代が65歳以上になり、高齢者人口がピークを迎える2040年、ここを目指した、意識した計画が必要になってくるのではないかということ。

 それから2つ目の丸ですけれども、高齢化が進んでいるといっても、実は地域によって差があるということでございますけれども、大都市圏においては介護サービスの利用が急増する85歳以上の方の割合というのは低いんですけれども、その実人数というのは大きく増加してくることが見込まれる。

 それから大都市圏以外においては、高齢化のペース自体がやや鈍化するというような状況。特に、中山間地域においては人口減少に転ずる地域もあるというような状況でございます。こうした地域差を踏まえた対応が必要になってくるのではないかということでございます。

 最後の丸ですけれども、2025年度以降は現役世代の減少というのが顕著になります。という中で、高齢社会を支える人的基盤の確保が大きな課題になってくるという問題がございます。

 6ページ目でございますが、第8期の介護保険事業計画における取組の方向性ということでございます。

006_【資料1】介護保険事業(支援)計画_20190913介護保険部会

 先ほど申し上げたとおり、団塊ジュニア世代が高齢化してくる2040年を展望した取組というのを今から始めていくことが必要ではないかというのが1つ目でございます。

 2つ目は、介護給付の基盤整備ということですけれども、施設整備等については高齢者向けの住まい、有料老人ホームや、高齢者向け住宅の整備状況等も踏まえながら適切に進めていくことが必要ではないか。

 それから、居宅サービスについては各サービスを適切に組み合わせて整備していくことが必要ではないか。

 地域支援事業につきましては、介護予防、健康づくり、一般介護予防のようなものを効果的に推進することが必要ではないか。

 それから、第7期の介護保険事業計画において位置づけられた保険者機能の強化についても、さらなる強化が必要ではないか。

 それから、新たに策定された「認知症施策推進大綱」、そういったものを踏まえて認知症施策を総合的に推進していくことが必要ではないか。

 最後ですけれども、人手不足、将来の現役世代の人口急減という課題を踏まえて、介護人材の確保、介護現場の革新、あるいは介護現場の負担軽減を進めることが必要ではないか、ということでございます。

 こういったことを意識して、介護保険事業計画、第8期を定めていくことが必要ではないか、という問題提起でございます。資料の1は以上でございます。

説明2 ── 介護サービス基盤整備(齋藤課長)

000_【資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

〇厚労省老健局高齢者支援課・齋藤良太課長
 高齢者支援課長でございます。続きまして、資料の2「介護サービス基盤整備」について、ご説明いたします。資料の2と、主に参考資料の2を使って説明させていただきます。

 まず、参考資料の2をお開きください。

001_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 1ページおめくりいただきまして、「介護サービス利用者数の見込み」ということで、左側の日本地図、2040年までの間にサービス利用者数が最も多い都市ということでございまして、ピークは過ぎて減少に転じるような保険者数もある一方で、都市部を中心に2040年まで増え続けるという保険者も多いという所と、

002_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 右側でございますけれども、2040年までの間にサービスの利用者数が最も多い都市、ピークの年と2018年の年と比べた増加率でございますけれども、増加率につきましては、ほとんど増加しない保険者もある一方、2倍超となるというような所もありまして、地域によって様相がかなり異なってくるというような状況でございます。

 次の3ページでございますけれども、サービスの利用割合でございますが、年齢が上昇するにつれて当然のことですが、サービスの割合が急増していって、85歳以上の上昇が大きいということでございます。

003_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 4ページ。85歳以上の方々がどういった所にお住まいかというところでございますが、やはり三大都市圏が多いというところでございます。

004_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 これを踏まえまして、第7期の基本指針、5ページでございますけれども、「介護離職ゼロ」に向けた、介護をしながら仕事を続けることができるようなサービス基盤の整備の必要性ということが新たに記載されたというところでございます。

005_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 また、目標につきましては6ページでございますが、介護離職ゼロに直結する緊急対策といたしまして、2020年代初頭までに約50万人以上、サービスを拡大するということになっております。

006_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 これを踏まえまして、第7期の介護保険事業計画につきましては、各介護サービスともに2020年、2025年に向けてしっかりと伸ばしていくということで見込んでおります。

007_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会
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008_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 9ページをご覧ください。整備にあたっては地域の課題の対応が必要でございまして、都市部では用地の確保というものが課題でございますけれども、介護施設整備の促進を図るために、国有地のさらなる活用ということで、地方公共団体に対し介護基盤整備のための国有地の情報提供でありますとか、あるいは定期借地権の貸付料の減額というようなことを施策として行なっているところ。

009_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 あと、10ページでございます。民有地につきましても、これは世田谷区の事例でございますけれども、オーナーと運営事業者とのマッチングを行うというような事例が見受けられます。

010_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 11ページですけれども、介護需要の増大を受け止めるためには、在宅サービスにつきましても計画的な整備を行っていかなければいけないということで、これは稲城市の例ですけれども、日常生活圏域ごとに認知症グループホームでありますとか、小多機(小規模多機能)、定期巡回・随時対応型の訪問介護等のサービスを計画的に整備しているというようなところでございます。

011_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 12ページでございます。また、都市部における整備の促進にあたってのさまざまな工夫が行われている例もございまして、例えばでございますけれども、高層建築の中にサ高住を整備する例でありますとか、あるいは既存の公共施設を活用して特養に転換するといった例でございますとか、

012_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 13ページでございますけれども、都市部においてなかなか用地が確保できないというような中で、コンパクトな用地の中で小規模多機能と地域交流サロンなどを併設するような、地域の拠点となるような特養を整備したりというような所でありますとか、団地の中に小規模多機能を誘致するというような、さまざまな工夫が行われております。

013_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 また、地方部におきましては既存ストックの有効活用ということで、公共施設の改修、あるいは特養の転用、一部をサ高住(=サービス付き高齢者向け住宅)に転用するというような例、

014_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 あるいは地域の拠点といいますか、限られた地域資源の中で「地域を支える拠点」ということで、保健・医療・福祉・介護の一元化を図るようなヘルシーパークの創設というようなことも行われております。

015_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 これを踏まえまして、資料の2のほうに「論点」がございますので、ご覧いただければと思います。

001_【資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 先ほど、ご覧いただいたとおり、介護サービスの利用者数につきましては地域差が非常に大きいということでございます。また、「介護離職ゼロ」サービスにつきましては2020年代初頭までに50万人分の受け皿を整備しなければならないというところでございます。

 そうした中都市部、地方部、さまざまな工夫、先ほどご覧いただいたような工夫がなされてきたところでございますけれども、「論点」といたしまして2点、お示ししております。

 今後、地域の実情に応じた介護サービス基盤整備についてはどのように進めていくのか、という点と、

 都市部、地方部の課題に応じた整備手法として、どのような方法が考えられるか、というところについてご議論いただければというのが1点目でございます。

2019年9月13日の介護保険部会(ベルサール九段)2
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 2点目(施設サービスと高齢者住まいについて)、また参考資料の2にお戻りいただければと思います。16ページになります。ここからは、各施設ごとに概観させていただいております。
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016_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 まず、特養(=特別養護老人ホーム)につきまして16ページでございますけれども、これは「要介護高齢者のための生活施設」ということで、原則、要介護度3以上の方が施設に入られるということで、平均要介護度3.94ということになっております。

 この特養につきまして17ページにございますけれども、サービスの需要が増大する都市部においてしっかりと整備していくということが重要でございますので これまで整備指針の策として、さまざまなことを使っておりまして、

017_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 例えば、社福(=社会福祉法人)につきましては、建物は自己所有等というのが原則でございますけれども、建物所有の要件緩和というのを随時、行ってきたところでございます。

 また、都市部の用地確保の困難であることの対応ということもありまして、居室の面積基準の引き下げというような規制緩和も行なっておりますし、また「補助(金)」の所でございますけれども、5番の所ですと、オーナー型の施設整備に対する補助というようなことも行いまして、特養に対する、特に都市部における整備の促進というものも図っておるところでございます。

 続きまして18ページ。老健施設でございます。

018_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 老健施設につきましては、地域包括ケアの強化法によりまして在宅復帰、在宅療養支援のための施設であることを明確化しまた。平成30年度の介護報酬改定におきまして、そうした機能につきまして、さらに推進する観点から報酬体系を見直したということで、こういった機能の強化を図っているというところでございます。

 続きまして、19ページ介護医療院につきましては平成30年4月に、「医療の必要な要介護高齢者の長期療養・生活施設」として創設しておりまして、基準の緩和でありますとか転換した場合の加算など、介護療養型医療施設などからの転換の促進ということを図っております。

019_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 20ページにございますけれども、介護療養型医療施設が転換するような場合につきましては、総量規制の枠を外して転換の促進を図っておるというところでございます。

020_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 2ページほど飛ばしていただきまして、

021_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会
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022_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 23ページ。ここからは高齢者の住まいの関係でございますが、第7期の計画の基本方針では、高齢者の受け皿として有老(=有料老人ホーム)でありますとか、サ高住が地域におけるニーズに応じて適切に供給される環境を確保するということが求められております。

023_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 24ページは有老、サ高住、特定施設の概要でございますが、25ページをご覧いただきますと、その3者の関係を示しております。

024_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会
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025_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 青枠の所が有料老人ホームで、「食事の提供等のサービス」を提供するものでございますが。サ高住につきましては食事の提供のサービスを提供するものが97%ということで、サ高住のほとんどが有料老人ホームに該当するという関係になっております。

 この2つのうちの一部が特定施設でございまして、一定の人員基準、施設基準を満たした場合に市町村が指定するものということで数が限られておるというようなところでございます。

 26ページですけれども、こうした高齢者の住まいについての地域の偏在でございますけれども、特徴的なのが介護付き有料(老人ホーム)でございますけれども、赤枠で囲まれている所をご覧いただければ分かるかと思いますけれども、都市部で多い、非常に多いというところが特徴的になっております。

026_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 また、特定施設につきまして27ページ以降でございますけれども、特定施設の性質といたしまして、最近では要介護度3以上の方が約半数を占めておるということで重度化が進んでおるということと、

027_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 28ページになりますけれども、ホーム内において死亡された方が約3割ということで、特養よりは低いですけれども、「終のすみか」として一定の役割を果たしておるというようなところ。

028_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 あと、29ページでございますけれども、介護付き有料の平均の月額費用は22.8万円、これが前払金、ございますけれども、前払金も償却期間に割り戻して加えた数字で22.8万円という数字になっております。

029_【参考資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 ご覧いただければ分かるように非常に比較的安く、安いと言いますか、利用額の低い所から高級なものまで幅が広いというようなところが特徴になっております。

 これを踏まえまして、資料の2に最後、お戻りください。

001_【資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 資料の2の2ページでございますけれども、先ほどご覧いただいたとおり、各施設ごとの特徴に合わせまして、さまざまな施策、サービスの基盤の整備が進んでおるところでございますけれども、「論点」といたしましては、

002_【資料2】介護サービス基盤整備_20190913介護保険部会

 今後、介護サービス基盤整備につきまして、サービスごとには、どのように進めていくべきか。また、介護離職をなくすために政府として推進している「介護離職ゼロ」サービスとの関係をどのように考えるか、というのが1点と、

 あと2点目ですけれども、特に都市部での介護ニーズが増えている中で、都市部での需要を受け止めているサービスをどのように考えていくのか、という2点を「論点」としてご議論いただければと思います。

 説明は以上でございます。

説明3 ── 認知症施策の総合的な推進(岡野室長)

000_【資料3】認知症施策の総合的な推進_20190913介護保険部会

〇厚労省老健局認知症施策推進室・岡野智晃室長
 認知症施策推進室長でございます。資料の3をご覧いただければと思います。

 資料3の1ページでございますが、「これまでの経緯・現状」ということで、これまでの各計画期における認知症施策の位置づけなどを整備したものでございます。

001_【資料3】認知症施策の総合的な推進_20190913介護保険部会

 「第1期~第4期」の所でございますが、平成12年の介護保険制度はですね、認知症ケアに多大な効果をもたらしていると考えておりまして、制度創設時よりグループホームを法律に位置づけてですね、認知症に特化したサービスを設けているということでございます。

 平成17年改正におきましては、認知症の高齢者等ができる限り、住み慣れた地域で生活が継続できるよう地域密着型サービスを新たに創設するということと、あと、地域包括支援センターを地域の中核機関として位置づけたという改正が行われております。

 また、この改正におきましては「痴呆」を「認知症」に用語が変更されたということと、その際に「認知症」の定義が規定されたということでございます。

 それから、この第4期の介護保険事業計画におきましては、サービスの1類型としての位置付けはありましたけれども、認知症施策に関しては計画の記載事項として特段の位置づけはされていなかった、というような位置づけとなっております。

 その上で、「第5期」でございます。これは平成24年から26年になりますけれども、その前年の平成23年の改正におきまして、この認知症の関係で言いますと「第5条の2」の規定、調査研究の推進ですとか、人材の確保・資質の向上に係る努力義務規定が盛り込まれております。

 また、介護保険事業計画の任意記載事項で「認知症である被保険者の地域における自立した日常生活の支援に関する事項」というものが盛り込まれております。

 これを受けまして、第5期における基本指針におきまして、それを踏まえた内容の改正が行われているというところでございます。

 2ページ目をご覧いただければと思います。次は「第6期」の部分でございますけれども、

002_【資料3】認知症施策の総合的な推進_20190913介護保険部会

 平成27年から29年ということでございますが、その前年の26年の改正におきまして、地域支援事業の包括的支援事業の1つに「認知症総合支援事業」が位置づけられております。

 これを受けまして、この第6期の計画の基本指針におきましても、介護保険事業計画の任意記載事項に認知症施策の取組の各年度における具体的な計画を定めることが重要である旨などが定められたということでございます。

 それから、次の「第7期」、平成30年から今の計画でございますけれども、前提といたしまして平成27年に「新オレンジプラン」(=認知症施策推進総合戦略)が作成されまして、ここに掲げております7つの柱をもとに認知症施策を推進することとされました。

 この「新オレンジプラン」の策定を踏まえまして、平成29年の法改正におきまして認知症施策の基本的な考え方として、認知症に関する知識の普及・啓発、心身の特性に応じたリハビリテーション、介護者支援等の施策の総合的な推進、それから認知症の人およびその家族の意向の尊重などが新たに盛り込まれております。

 これを受けまして、第7期における基本指針においても基本的事項としてですね、「新オレンジプラン」に沿って認知症施策の推進について取組を進めることが重要である旨が定められているところでございます。

 3ページ目でございます。これまでの第7期までの計画をもとにして、最近の動きでございますが、

003_【資料3】認知症施策の総合的な推進_20190913介護保険部会

 これは6月の(介護保険)部会においても説明した内容と重複いたしますが、昨年の12月に「認知症施策推進関係閣僚会議」が設置されて、本年6月18日に「認知症施策推進大綱」が取りまとめられております。

 大綱では、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していくということとしております。

 こうした基本的な考え方のもとで、5つの柱に沿って施策を推進することとしております。

 それからまた本年6月20日ですけれども、国会のほうでございますけれども「認知症基本法案」が衆議院に提出されて、継続審議中というふうになっております。

 以上が経緯で、「現状」でございますけれども、その上で、今回の「論点」として3点、提示させていただいております。

004_【資料3】認知症施策の総合的な推進_20190913介護保険部会

 1つ目でございますけれども、「認知症施策推進大綱」ではですね、認知症施策の推進にあたりまして「共生」と「予防」という基本的な考え方を位置づけて、「新オレンジプラン」の内容から、さらに施策の充実・拡充を図ったところでございます。

 ここにあるとおり、例えば認知症サポーターなどを認知症の人やその家族の支援ニーズに合った具体的な支援につながる仕組みとして掲げておりますのが「チームオレンジ」、こういったものの取組を盛り込んでいたりとか、ピアサポーターによる本人支援の実施、活動の推進などの取組などを充実・拡充というような形で入れております。

 第7期の計画におきましては、「新オレンジプラン」の考え方というものが盛り込まれたところでございますけれども、今回の大綱の考え方、施策などを効果的に推進していくために、第8期計画における認知症施策の位置づけや盛り込むべき内容、重点化・明確化すべき内容についてどのように考えるか、というのが第1点目の「論点」でございます。

 それから第2点目ですけれども、自治体が定める認知症が関係する他の計画の作成については、施策の効果的な推進や自治体の負担等の観点から 保険事業計画との一体的な作成や互いに調和を図ることをなどをこれまで進めてきたわけでございますけれども、大綱の考え方、施策等の推進に当たりまして、他の計画との関係についてどのように考えていくか、というのが第2点目でございます。

 それから第3点目ですけれども、介護保険における認知症施策の推進に関する第5条に規定がございますけれども、これも平成23年の法改正で調査研究等の推進が位置づけられ、また29年の改正では「新オレンジプラン」の考え方を位置づける改正が行われてきております。

 今後、大綱の考え方、施策等を推進するにあたり、この規定についてどのように考えていくのかというような論点、以上、「論点」を3つ、掲げさせて頂いております。説明は以上でございます。
.
〇遠藤久夫部会長(国立社会保障・人口問題研究所所長)
 はい、ありがとうございました。それでは、ただいま事務局から説明のありました内容につきまして、ご質問等がございましたら、よろしくお願いしたいと思います。それでは岡委員、お願いします。

 (質疑へ、以下略)

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