2020年度の診療報酬改定を担当する厚生労働省保険局医療課の森光敬子課長は6月26日の中医協総会で、かかりつけ医の登録制に関する日経報道について「事実関係はどうなのか」と問われ、「そのような事実はございません」と答えた。【新井裕充】
この日の中医協は、審議時間が予定より約1時間延びた。全ての議題を終えた閉会間際になり、傍聴者が席を立ち始めたころ診療側委員が思い出したように質問した。
質疑の模様は、下記のとおり。
.
「大事なことを忘れておりました」
公益側 田辺国昭会長(東大大学院法学政治学研究科教授)
(前略) では、ほかにご質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということで、よろしゅうございますでしょうか。
ありがとうございました。それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。
本日の議題は以上でございます。
議事進行の、私の不手際で時間がかなり超過してしまったことをお詫び申し上げたいと存じます。
なお・・・
診療側 松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
すいません。いいですか、1点だけ。
.
公益側 田辺国昭会長(東大大学院法学政治学研究科教授)
1点だけ、はい、どうぞ。
.
診療側 松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
すいません。
(笑顔で)大事なことを忘れておりました。
えー・・・
6月25日付の日経新聞朝刊の1面記事のことでございます。
あの、これだけはちょっと確認させていただきたいので。申し訳ございません。
日経新聞の1面に、厚生労働省が「患者が自分のかかりつけ医を任意で登録する制度の検討を始めた」と、そういう記事があって。
診察料をですね、「月単位の定額として過剰な医療の提供を抑えたり、かかりつけ医以外を受診する場合は負担を上乗せして大病院の利用を減らしたりする案を検討する」と、そういった内容の記事が掲載されております。
【2019/6/25 1:31 日本経済新聞電子版】
かかりつけ医を定額制に 過剰な診療抑制 厚労省検討厚生労働省は患者が自分のかかりつけ医を任意で登録する制度の検討を始めた。診察料を月単位の定額として過剰な医療の提供を抑えたり、かかりつけ医以外を受診する場合は負担を上乗せして大病院の利用を減らしたりする案を検討する。身近なかかりつけ医が効率的な治療や病気の早期発見にあたる仕組みを普及させ、医療費の伸びの抑制を狙う。(後略)
.
これまで中医協の場で、そのような審議を行ったことはないと理解しておりますけども、厚生労働省で検討を始めたのかどうか、その事実関係はどうなのか。事務局に答弁を求めたいと思います。
.
公益側 田辺国昭会長(東大大学院法学政治学研究科教授)
では医療課長、お願いいたします。
.
事務局 厚労省保険局医療課・森光敬子課長
はい。そのような事実はございません。
.
(診療側委員ら、笑い)
.
.
.
.
.
診療側 松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
(笑顔で)ありがとうございます。安心いたしました。
(会場、笑い)
.
公益側 田辺国昭会長(東大大学院法学政治学研究科教授)
はい、では本日の議題は以上でございます。
なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。(4時間にわたる)長い時間のご出席、どうもありがとうございました。
(散会)