救急、ICU、感染症対応です。今回の資料に出現する主なキーワードは、「下り搬送(転院搬送)」「救急医療管理加算」「SOFAスコア」「特定行為研修修了看護師」「宿日直許可」「第8次医療計画」「感染対策向上加算」「薬剤耐性対策」──など。
1.消費税分科会(8:01~8:21)
2.薬価部会(8:30~9:56)
3.総 会(10:05~12:50)
薬価部会は骨子の取りまとめに向けた最後の業界ヒアリングが実施されました。続く総会は約3時間。予定では正午終了となっていましたが、13時近くまで長引きました。
【議 題】
① 個別事項(その11)について
② 入院(その6)について
③ 感染症対応について(その2)
資料を踏まえて解釈を加えながら書き換えると、このような内容です。
【今回の内容】
① 下り搬送の評価、救急医療管理加算の厳格化
② ICU・HCUなど高度急性期の体制強化
③ 感染症にも対応できる新たな医療体制の構築
①は下り搬送を新たに評価する一方、救急医療管理加算を厳格化する内容と理解しましたが、どうでしょうか。厚労省担当者の説明は下記PDFを参照。
下り搬送は、来年から始まる上限規制に備えた対応でしょう。診療側としては中小病院も広く取れるようにしてほしいと主張するのが定石。厚労省としては、救急医療に積極的に取り組む病院勤務医の負担軽減を図りたいのでしょうが、今回は厳しい条件を付けすぎました。このままの要件設定では機能せず、確実に失敗するでしょうね。
救急医療管理加算については、前回改定(いや、もっと前か?)あたりで道筋が付けられているので、「今さら抵抗しても遅いよ」という感じはします。質疑の模様は下記PDFを参照。いつもはあまり発言しない新任の支払側委員に詰められています。台本がないので困惑する医師会委員。(弱すぎる!)
②の議題も医師の働き方改革を踏まえた対応です。来年4月以降、全国の病院で救急受け入れ困難事例が多発する危機感があるのでしょう。
隠れたテーマとしては、「重症度、医療・看護必要度」の大幅な見直しでしょうか。ツギハギだらけで使い物にならんので、そろそろなんとかしよ~という気持ちは理解できますが、「SOFAスコア」を基軸にするのはどうなのか。とりあえず、今回の会議では「補完的」と言って安心させています。いつもの「怖くないからね」「最初は痛くないからね」作戦。閉会後のブリーフィングで厚労省担当者は次のように述べました。
「うちの医療課長から看護必要度と合わせて使うというようなことを回答したところ、一定程度、うなずきも見られましたので、少し、ご安心されたのかなというふうに思いますが、今回のご発言にあったようにRRSだとか、侵襲性の高いオペ後の利用などに関してSOFAスコアを導入することによってバランスが崩れてしまうんではないかというようなご懸念があったというふうに受け止めております。この点については分科会においても同様の指摘があったところですので、特に導入するにあたって、特にご懸念のところを強調されたというようなことで、事務局としては受け止めております」
議題③の感染症対応の資料は、医療機関と関わりのある薬局の薬剤師さんやMRさんも必見だと思います。ただ、ページ数が多いので、課長が説明した箇所を中心にチェックしておけばいいと思います。
診療側の要望はもちろん、コロナ特例を今後も続けてほしいという内容です。質疑では、日医、日歯、日薬、病院団体の4人が意見陳述。続いて支払側委員の発言に移りました。
支払側の松本委員が診療側に質問したあたりからが見所でしょうか。医師会委員は回答せず、事務局に投げました。
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下記のファイルは、2023年12月6日(水)に都内で開催され、YouTube でライブ配信された第570回中央社会保険医療協議会(中医協)総会の速記録(非公式)です。弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。
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