「短冊の2回目」なんて言って意味が通じるのは、一部の関係者でしょうか。七夕でもないのに「短冊」とにらめっこしなきゃいけない時期ですが、紫式部が主人公の大河ドラマ「光る君へ」の解説本を3冊も買ってしまいました。。。平安時代、女性の美しさの基準は「長い黒髪」だったとか。【新井裕充】
総会のみ約3時間の開催です。「機能分化」というワードが多く登場しました。ほかには、「基準」とか「明確化」なども。
総 会(9:30~12:26)
約40分間の中断(休憩)が入っていますので、全体で2時間ぐらい。資料説明を除いた質疑は1時間ほどでした。
【議 題】
1.個別改定項目(その2)について
2.答申書の附帯意見案について(その1)
前回の1月26日は個別改定項目(いわゆる短冊)の1回目で、Ⅰ~Ⅳの項目のうち、ⅠとⅡについて議論。今回は2回目で、ⅢとⅣも終わりました。議事の流れに沿って分解すると、次のような内容。
【今回の内容】
① 個別改定項目Ⅰ(賃上げに向けた評価の新設)の説明
② 個別改定項目Ⅱ(平均在院日数、看護必要度)の説明
③ 個別改定項目Ⅲ(安心・安全で質の高い医療)の説明
④ 個別改定項目Ⅳ(効率化・適正化)の説明
⑤ 前回からの修正点についての説明
⑥ 質 疑(①から⑤について)
<休 憩>
⑦ 公益裁定案の提示 → 了承
⑧ 答申書附帯意見(素案)の説明と質疑
この中で、①と②は前回の審議で後回しになっていました。①の資料は今回新たに追加。「入院ベースアップ評価料」などの新設が承認されました。
入院基本料に溶け込ませる内容ではありませんが、診療側から反対意見は出ませんでした。「これまでの議論を踏まえたものであり、異論ありません」と了承。
支払側は「評価料の全額を対象職員の賃上げに充当することや、その実態を医療機関ごとに検証することを前提として事務局案を了承したい」と同意した上で、「透明性の高い仕組み」などを要望しました。
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②は公益裁定です。看護必要度の公益裁定は2018年度改定から4回連続となりました。
■ 2018(平成30)年1月26日
急性期一般入院基本料の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合の基準値
■ 2020(令和2)年1月29日
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る該当患者割合の基準値
■ 2022(令和4)年1月26日
・ 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度に係る評価項目及び該当患者割合
・ オンライン診療に係る算定要件、施設基準及び点数水準
平均在院日数の公益裁定は初めてでしょうか。看護必要度の厳格化よりも平均在院日数の短縮化に関する発言が多かったように思います。
診療側は医療経営や患者に与える影響を懸念。支払側は「機能分化が一層進むような指標を設定し、医療機関の行動変容を促すべき」などと主張しました。
公益裁定では、「適切な機能分化が促される取組を進めることは重要」としていますが、平均在院日数を「16日」にする根拠は不明。診療側は現状維持の「18日」を主張し、支払側は「14日」に短縮するよう求めましたので、両者の間を取って「16日」にしたのかも。
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次の令和8年度改定に向けた検討事項である「附帯意見」の素案では、「医療の質の向上と標準化に向け、診療実態を踏まえた更なる包括払いの在り方」を挙げています。
この項目に関する発言はありませんでした。すごいことが書いてあるように思いますが。。。
今改定の基礎となった調査について、経団連の委員は「議論の前提、エビデンスとして活用するにあたっては大きな課題がある」と指摘しました。
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ところで、この日の議論では「患者さん」とか「地域医療」といった言葉が多く出ました。でも、それぞれが抱くイメージはたぶん違うはず。「美しさ」の基準がそうであるように。
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下記のファイルは、2024年1月31日(水)に開催され、YouTube でライブ配信された第582回中央社会保険医療協議会(中医協)総会の速記録(非公式)です。弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。
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