「高齢者の救急患者等に対応する入院医療」と題するイメージ図が示されました。論点では、「地域において、必要な人員体制等により救急患者等を受け入れる体制を整え、リハビリ、栄養管理、入退院支援、在宅復帰等の機能を包括的に担うことを評価する」としています。【新井裕充】
1.薬価部会(中止)
2.総 会(8:30~11:47)
総会のみ約3時間の開催です。当初、予定されていた薬価部会は中止になりました。前回12月13日の部会で骨子(たたき台)が大筋で了承されています。
総会の議題は6項目。前半約100分、後半約90分です。
【議 題】
① 在宅(その6)について
② 入院(その7)について
③ 入院(その8)について
<休 憩>
④ 歯科医療(その3)について
⑤ 外来(その4)について
⑥ 長期収載品(その3)について
資料を踏まえて書き換えると、次のような内容です。
【今回の内容】
① 訪問診療・往診、訪問看護
② 入退院支援・栄養管理体制
③ 高齢者救急等を包括的に担う入院医療
<休 憩>
④ 重症化予防、歯科固有の技術等
⑤ オンライン診療の適正化と緩和
⑥ 医療上の必要性、選定療養の範囲等
議題③で、委員の発言が集中したのが56ページ。太字で「包括的に提供」と書いてあります。その「包括」に含まれる機能を議題②で扱ってから③という構成になっています。
厚労省の担当者はまだ全貌を明らかにしていません。現時点で診療側は「新たな評価」と受け止め、支払側は病床削減に向けた「新類型」と歓迎している印象。質疑で要望が出ましたが、反対意見はありませんでした。
患者にとっても望ましい体制ですので、「三方よし」の絶妙な提案になっていますが、問題はその報酬、基準でしょうか。診療側からは「体制構築、維持に必要な診療報酬上の評価が必要」との声が出ています。支払側は「包括的に」を連発しました。
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そのほかの議題を簡単に振り返りますと、①は適正化の視点がメイン。資料は「訪問診療・往診等」と「訪問看護」の二部構成で、前者の論点は最終ページにありません。P31とP65ですので見落としに注意。論点と委員の発言をチェックしておけばよろしいかと。
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議題②は、それぞれの思惑と言いますか、温度差を感じる内容。「リハ・栄養・口腔の一体的推進」「医科歯科連携」とは言うものの、負担が増えるのはイヤだ!という本音が見え隠れ。
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議題④は、日歯委員の長い陳述に続いて、支払側が発言。これに日歯の委員が理解を求めるという流れです。(いつもどおり)
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議題⑤では、オンライン診療の適正化と緩和に関するテーマが論点。適正化については主に2つ。向精神薬の初診時処方、患者の所在地が医療機関と離れている場合を取り上げています。後者について、支払側の主張がやや変化した点が今回のポイントでしょうか。
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議題⑥は、薬剤の自己負担について8日の医療保険部会に出した資料を総会にも提示。「4分の1」で決まりかと思いきや、支払側から「2分の1」との意見が出ました。最終的な結論は「予算編成過程で」ということですので今回は通過点ですが、現時点での議論をチェックしておくにはいいかも。それにしてもわかりにくい。
ちなみに、表紙の写真は林正純委員(日本歯科医師会常務理事)です。歯科のテーマが最終回を迎えると、もうすぐ終わりだね~~と思いますが、まだ安心するのは早いか。。。
下記のファイルは、2023年12月15日(金)に都内で開催され、YouTube でライブ配信された第573回中央社会保険医療協議会(中医協)総会の速記録(非公式)です。弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。
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