第216回中医協・薬価専門部会(2023年11月22日)【速記録】


2023年11月22日の薬価専門部会

 今回のテーマは新薬です。「新薬創出等加算の見直し(考え方の整理)」が示されました。厚労省保険局医療課の安川孝志薬剤管理官は資料9ページの「見直しイメージ」の図を示しながら、「この考え方で仮にまとめると、シンプルな薬価維持の制度となる」と述べました。

 1.薬価部会(8:30~9:12)
 2.総  会(9:18~11:43)

 薬価部会は先週金曜日(17日)に続く開催。新薬の議論は、2巡目の検討に入った10月から4回目です。

002__スケジュール

 資料は「薬-1」のみ使用。表紙を含めて63ページ、5項目で構成されています。新薬創出等加算と小児用医薬品のタイトルには「続き」と付されています。資料説明は約15分。

 1.新薬創出等加算(続き)
 2.その他の新薬のイノベーション評価
 3.市場拡大再算定
 4.小児用の医薬品に関する評価(続き)
 5.薬価算定の妥当性・透明性の向上

 対応の方向性を示す「論点」は、各項目の最後に掲載されています。P12、20、37、47、63──の5箇所です。議論があったのは新薬創出等加算。論点はP12です。

【P12】
012-0__新薬

 この中で、1つ目のポツに「新薬創出等加算の見直し(考え方の整理)」(7~8ページ)にしたがって見直すことについて、どのように考えるか。とあります。

 ここに見直しの方向性が示されており、「企業要件は廃止することが考えられる」としています。

007-1__新薬

 この7~8ページに続く9ページにイメージ図が示され、安川薬剤管理官は「シンプルな薬価維持の制度となる」と述べました。

009__新薬

 質疑では意見が分かれたようにも見えますが、大筋で了承されたのではないでしょうか。長島公之委員(日本医師会常任理事)は「企業要件を廃止して、無条件にすることについては反対」と述べました。条件を付ければ良さそうです。こんなことを言いました。

 ⇒ ■ 長島発言とか(PDF:4MB)

 一方、松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「企業要件そのものを廃止することには、少し議論が飛躍している」としながらも、「今回から薬価の維持を充実するのであれば、今後は少なくとも毎年度、累積額を控除する方向性を、年末にまとめる薬価制度改革の骨子の中で、中医協の共通認識として確認すべき」と述べました。

 診療側、支払側が意見を述べた後、石牟禮武志専門委員(塩野義製薬渉外部長)が「企業要件の廃止により新薬創出等加算は基本的に薬価を維持する仕組みになる。日本市場の魅力度を回復させ、ドラッグラグ・ロスの解消につながる」と述べました。

 ここで閉会に入ろうとしたところで、安川薬剤管理官が「部会長、すいません」と挙手。次のような発言があり、閉会となりました。

 ⇒ ■ 安川薬剤管理官の締めくくり発言(PDF:437KB)

 厚労省の審議会でよくある場面ですが、ちょっと大きな提案に異論があったとき、局長や課長が締めくくり発言をする儀式(?)があります。この通過儀礼があると、多少の反対意見があっても原案どおりに進むことが多いように思います。
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2023年11月22日(水)に都内で開催され、YouTubeでライブ配信された中医協・薬価専門部会(第216回)の速記録(非公式)です。弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。

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