新薬と基礎的医薬品が主なテーマです。このうち新薬については、研究班の提案を踏まえた論点提示。研究代表者の成川衛教授が参考人として出席し、委員の質問に答えました。
1.検証部会(8:30~9:04)
2.薬価部会(9:15~10:04)
3.総 会(10:12~12:18)
薬価部会は現在、このようなスケジュールになっています。
今回の部会では、次のような流れで審議が進められました。
① 研究班からの報告
② 厚労省担当者の説明
③ 質疑応答
論点は3つのテーマについて、P18、29、38に記載されています。厚労省の論点提示は研究班の報告を踏まえていますので、今回のポイントは成川先生の説明部分でしょうか。
【P18】 日本への早期導入に関する評価
【P29】 補正加算の評価(定量化、加算率)
【P38】 基礎的医薬品
3箇所に出現する論点のうち、P29では有用性系加算の定量化に関して「今回新たに項目を追加」との提案が出ています。
【P29】
そして、その内容がP25~27に「対応案」として示されています。わかりにくくて、すみません。こういう構成になっています。
[論 点] ⇒ P18、29、38
[対応案] ⇒ P25・26・27
【P25】
【P26】
【P27】
このうち、P25と27の「対応案」について質問がありました。「重要」とは何かという、なかなか難しい問題だと思います。
〇長島公之委員(日本医師会常任理事)
(前略)続いて、29ページ。補正加算についてです。有用性系加算等の評価項目と定量化については、最近の医薬品の開発状況等を踏まえた研究班による分析をいただきましたので、新たに追加した項目をもとに評価を判断し、加算率を柔軟に判断していくことに異論はありません。その上で事務局、あるいは成川先生にいくつか質問をさせていただきます。
25ページの「対応案」にある「e」に、「同じ疾患領域において、新規の作用機序の新薬が長期間収載されていない」とありますが、この「疾患領域」の定義はどのようにお考えでしょうか。アルツハイマーは該当するのでしょうか。
また、27ページの「対応案」のうち「e」については、最初の承認が限定的でも、効能追加を重ねる可能性を踏まえれば、対象から外すことも考えられるのではないでしょうか。「薬-2」、22ページの補足データの事例で言えば、有用性加算による評価を患者数をもとに、より細かく規定することも考えられますが、そのような検討はされたでしょうか。
次に、27ページ。「対応案」のうち「f」について、副次評価項目が重要かどうかは、どの立場の視点で重要と判断されるのでしょうか。
(中略)
〇成川衛参考人(北里大学薬学部教授)
(前略)25ページ目の所の「対応案」の所ですね。「疾患領域」でございますけど、もともと感染症とかですね、そういうところを念頭に考え出したところではあるんですけれど、私の考えとしては、特に提案としては、疾患を限定する意図はございません。場合によっては認知症なんていうのもここに挙がってもいいのかもしれませんが、そこはまさに個々の品目の状況を踏まえてですね、薬価算定組織でご検討いただくということがやっぱり必要じゃないかというふうに考えております。
3つ目のところの、効能追加を重ねる予定があるものがあるんではないかというご指摘でございました。こちらにつきましては、実は作用機序的にもですね、「理論的にも」と言いますか、大幅な効能追加というのは考えにくい医薬品を想定してはいますけれど。はい。そこは、その品目の開発状況なんかも少し踏まえて考えないといけない面はあるのかなというふうに考えております。それで、より細かい分析をしていますか、というご質問につきましては、実は、すいません、そこは、これ以上の詳細のところはしていないというのが正直なところでございます。
それから、最後の4点目で、副次的評価項目のご質問がございました。重要とか、考える、まあ、副次的評価項目というのは、試験の中では結構、数多く設定されますので、やっぱりそれを全部見てると、きりがないという背景がございます。ですから、重要という限定を入れさせていただきまして、そこの考え方としまして、1つは薬事審査において、やっぱり重要性が指摘されているということがあると思いますし、それ以外でも、例えば薬価算定組織の議論の中でですね、やっぱり、この疾患について、そういう指標が重要だというふうなご判断がなされる可能性もあるんではないかなというふうなことでございます。以上です。ありがとうございました。
2023年11月10日(金)に都内で開催され、YouTubeでライブ配信された中医協・薬価専門部会(第214回)の速記録(非公式)です。弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。
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