レカネマブの薬価と費用対効果評価について検討する合同部会の２回目です。薬価については、「とりまとめの方向（案）」が示され、費用対効果評価については「論点」としています。

　１．小委員会（8:30～8:51）
　２．総　　会（9:00～10:32）
　３．材料部会（10:38～10:57）
　４．薬価部会（11:00～11:29）
　５．合同部会（11:33～12:15）

　この日の中医協は５階建て約４時間の開催です。先週から「週２ペース」に入ったのですが、今週の水曜日（25日）は急きょ中止になりました。そのため、前回20日から１週間後の金曜開催です。25日の分が今回に流れ込んだのでしょうか、盛りだくさんです。

　最後に開かれた合同部会では、介護費用の取扱いについて検討するためにＮＤＢ・介護ＤＢの研究報告があり、その質疑が中心でした。今回示された方向性、論点については両側とも「異論はない」と了承しました。

　資料の最終ページに示された「Ⅰ及びⅡを踏まえた論点」が今回の結論部分ですが、この中で、「薬価については、とりまとめの方向（案）で示した事項」とあります。

　この「とりまとめの方向（案）」がＰ３とＰ５の２箇所に出てきます。こちらも今回の了承事項に含まれています。Ｐ３収載時、Ｐ５が収載後です。

【Ｐ３】

【Ｐ５】

　会議の大半は、参考人の報告とその質疑でした。

　何かを議論するというよりは、「なかなか難しそうですね」という認識を共有したという印象です。

〇長島公之委員（日本医師会常任理事）
　加藤先生におかれましては、連結データ分析についてご説明をいただき、ありがとうございます。さまざまな課題があるということと同時に可能性についても理解を深めることができました。そこで、１つ質問させてください。大変難しい質問で、単純なお答えは難しいとは思いますけれども、先生の研究のご経験から、今回のレケンビを用いた際に介護費用がどの程度低減されるのか、連結データの解析から明らかにできる可能性がどの程度あるのか、感触でも結構ですので、もし可能でしたら教えていただければ幸いです。
〇加藤源太参考人（京都大学医学部附属病院診療報酬センター）
　先生、どうもありがとうございました。大変重要なご質問かと思います。今、伺いました中で私が感じましたのは、仮にレケンビを使ってもですね、通所サービスですとか、介護サービスがレケンビの効果により、受けてたサービスを受けずに済むようになったという、そこまでドラスティックなことが多くの事例にすぐに起こるのかどうかは、ちょっと難しい可能性があるかと思ってます。ですが、要介護度が改善して、通所サービスは受けるけれども、その要介護サービス、例えば通所サービスの、要介護度の変化により、点数といいますか、単位数が変わってきたりすると、これは介護サービスの費用の低下につながるかと思います。ですので、この薬剤が定着してきて、実際に要介護度の変化になって表れてくるかどうかが鍵ではないかと思っております。ただ、それはある程度、利用が進んでから、この手のデータで明らかにするのであれば、ある程度、利用が進んでからのほうがリアルなエビデンスになりうるのではないかと考えます。お答えになってるかどうかわかりませんが、私の所感を述べさせていただきました。
〇長島公之委員（日本医師会常任理事）
　先生、難しいところ、ご回答いただきありがとうございます。また先生のご研究をぜひ進めていただいて、臨床現場にフィードバックをお願いできればと思います。
　（中略）
〇松本真人委員（健康保険組合連合会理事）
　今、ご説明をいただきました介護費用の分析につきましては、研究者からのご報告の中でもですね、言葉の中でも不可能ではないと思われるという、なかなか意味深な言葉になっておりますけども。結構、やっぱりハードルが高いということは技術的にも解釈上からもあるということが理解できました。研究についてはですね、引き続きやっていただきたいと思いますけども、今後どのような方法があるかをですね、慎重に検討いただきたいというふうに思います。それ以外については、示された方向で異論はございません。

2023年10月27日（金）に都内で開催され、YouTubeでライブ配信された中医協・合同部会（第２回）の速記録（非公式）です。弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。

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