第211回中医協・薬価専門部会(2023年10月18日)【速記録】


2023年10月18日の薬価専門部会

 薬価専門部会は2巡目の議論に入り、「新薬」のうち新薬創出等加算に絞って論点が示されました。今回から恒例の「水・金ペース」です。

 1.総会(9:00~10:23)
 2.合同部会(10:31~11:13)
 3.薬価専門部会(11:20~11:46)

 この日の中医協は、総会と合同部会、そして最後に薬価専門部会です。総会では、オンライン資格確認の拡大について答申したほか、次期改定に向けた「個別事項(その2)」として、がん・疾病対策について審議しました。

 続く合同部会は、レカネマブの薬価収載に向けた検討です。合同部会の正式名称は「費用対効果評価専門部会・薬価専門部会合同部会」で、今回を「第1回」としています。

 薬価専門部会はこのようなスケジュールで進んでいます。

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 前々回の9月20日は業界ヒアリングで、前回10月4日はレカネマブの審議。そして今回から2巡目の検討がスタートしました。論点①~⑤に沿って、各側が意見を述べ、最後に専門委員の発言がありました。

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 勝ち筋の薄い論点③は半分捨てて、バーターで①を取りにいくのでしょうか。次のように述べました。

〇安川文朗部会長(京都女子大学データサイエンス学部教授)
 ほかにご意見、ご質問ございますでしょうか。今、いろいろとご意見、承りましたが、企業要件、あるいは品目要件等、現場の業界の方にとっても大変重要な論点かと思いますので、もし専門委員の方から、ご意見等ございましたら伺いますが、いかがでしょうか。はい、では石牟禮委員、お願いいたします。
〇石牟禮武志専門委員(塩野義製薬株式会社渉外部長)
 はい、ありがとうございます。専門委員の石牟禮でございます。ただいまの議論の中でも企業要件についてのご議論がいろいろございました。私どもからも、①の企業要件についてコメントさせていただきたいと存じます。もともと、その企業の立地、規模、あるいは得意な領域ですとか、最近では新たなモダリティを用いた開発の調整など、医薬品の研究開発をめぐる状況につきましては、多様かつ変化し続けております。そういった中で、一定の指標で企業の優劣をつけるということにつきましては、ある程度の、その限界があるのではないかというふうに感じますし、ただ今、ご議論がありましたようなベンチャー企業の評価について、こういった議論があるということもですね、こういった企業要件による評価というのを、限界を示しているのではないかというふうに、専門委員としては認識をしておるところでございます。
 ご案内のとおり、新薬創出等加算につきましては、新薬の薬価を維持することで、企業にとりましては投資回収を早めるというかたちで革新的な新薬、有用性の高い新薬の研究開発を促進する制度であるというふうには認識しておりますが、現状、ドラッグラグ・ロスといった課題も表出しているところでございます。先回、業界代表からもご説明申し上げましたとおり、もはや長期収載品からの収益が期待できない状況で、新薬から得られる収益を次の新薬の創出に向けて回していくサイクルを加速させなければ企業は存続できないという危機感も持っているというふうに私どもは認識しております。
 このように、各社それぞれ研究開発に取り組んでいるにもかかわらず、相対評価によって決められる企業区分によりまして、75%の企業の品目では薬価が維持されないという仕組みは、私どもにとりましてはむしろディスインセンティブが与えられているというふうにも感じておるところでございます。新薬創出等加算が、収載された新薬の品目、革新性を評価する仕組みとなったことによりまして、企業指標・企業区分というのは、いわばその役割を終えているのではないか、こういった新薬を開発しているという結果をもって評価していただければ十分ではないかというふうにも考えております。そういうことも含めて、先日の業界意見を踏まえまして、企業要件・企業指標の撤廃をご検討いただくべきというふうに考えております。
 あともう1点。平均乖離率以上の乖離率につきましてでございます。先ほど申しましたように、新薬からの収益というのは非常に重要だということでございまして、なるべく値引きはしないかたちで販売しているのが実態ということは、データからも見ていただいて取れたかと思います。ただ一方、その上市時の評価によって新薬創出等加算の対象となった品目でありましても、薬価差に高低が生じるという理由は、医薬品の特性ですとか競合状況、取引量など複数の要因があるというふうに推察いたします。結果として、現在のルールにおいて、平均乖離率を超えた品目、50%減算という加算式が設けられていること自体は、もともと業界が当初、提案した考え方を踏まえますと、致し方ないものというふうにも専門委員としては感じております。以上でございます。

2023年10月18日(水)に都内で開催され、YouTubeでライブ配信された中医協・薬価専門部会(第211回)の速記録(非公式)です。弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。

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