第210回中医協・薬価専門部会(2023年10月4日)【速記録】


2023年10月4日の薬価専門部会

 レカネマブの薬価収載に向けて、まずは部会で検討する方針を前回9月27日の総会で決めたことを踏まえ、薬価部会と費用対効果部会が開かれました。

 1.消費税分科会(8:45~9:00)
 2.総会(9:30~10:46)
 3.薬価専門部会(10:53~11:30)
 4.費用対効果部会(11:35~12:14)

 消費税分科会は約2年ぶり。委員が大幅に入れ替わり、今後の進め方を決めました。総会は在宅医療の2回目。資料には適正化の方向性が色濃く出ています。どのような在宅医療にメスを入れるかが今後の焦点です。

 薬価専門部会では、レカネマブのメリットよりもデメリットを強調する意見が多く出たように思います。資料では、認知症施策について大綱の内容などが5ページにわたって示されています。「あまり薬に頼らずに」ということでしょうか。厚労省担当者が丁寧に説明しました。

〇厚労省保険局医療課・安川孝志薬剤管理官
 (前略)次の13ページでは、安全性の説明があります。また、下線の箇所に記載されているように本剤の効果や注意点について、患者・家族・介護者が十分に理解できるまで説明を受けるよう記載されております。
 14ページ。副作用への対応に関しては、添付文書において必要な検査や管理が可能な医療施設において、て「ARIA管理に関する適切な知識を有する医師」のもとで本剤の投与が適切と判断される患者のみに使用することとしており、最適使用推進ガイドラインでは、より具体的な要件を設定することとなります。本剤の使用には安全性に十分留意する必要があることから、ARIA発現時に迅速な対応が可能な医療施設に限って本剤を使用することが求められるというものになっております。
 次、15ページでございます。総会では、本剤の薬価に関する議論だけでなく、認知症施策の中で本剤をどのように使用していくことになるのかといったご指摘をいただきましたので、現時点で準備できる関連資料をお示しいたしました。まず、認知症施策の最近の動向ですが、本年6月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立しており、その概要を示しております。この中で、基本理念として、、認知症の人の意向を十分尊重しつつ、良質かつ適切な保険医療サービス、福祉サービスが切れ目なく提供されることが示されており、次の16ページ。基本的施策としても、保健医療サービス等の提供体制の整備、相談体制の整備等に関する事項が定められております。今後の認知症施策は、この基本法に基づき進められることになります。
 次、17ページ。現在の認知症に係る医療・介護等の提供体制のイメージを示しております。認知症の容態の変化に応じて、その時の容態に最もふさわしい場所で医療・介護等が提供される体制を地域で構築するというものでございます。図の右下の認知症疾患医療センターが地域の拠点となり、専門的な診断や相談、地域の医療機関等への支援を行っており、かかりつけ医等の地域の医療従事者が連携して対応しているというものでございます。さらに行政では、左側の地域包括支援センターや認知症に対応するチームが構築されており、患者・家族からの相談等に応じて関係する医療機関等へ紹介することもしているというものでございます。
 こういったものはイメージですけども、本剤が使用可能になった場合には、認知症の治療の中で、このような体制に関わる関係者が本剤を使用できる患者や医療機関との情報や適正使用に必要な情報、考え方を十分理解した上で対応していくことになると思われます。
 18ページ。これは参考ですけども、現在の認知症施策に関しては、令和元年に取りまとめられた「認知症施策推進大綱」に従って施策が進められているので、概要と、次のページにイメージ図を添付しております。(後略)

 今回の中医協から、支払側の安藤伸樹氏の後任として、新たに鳥潟美夏子委員(全国健康保険協会理事)が出席しています。レカネマブの薬価収載に向けた論点等について、このように述べました。

〇鳥潟美夏子委員(全国健康保険協会理事)
 (前略)先週の総会でも安藤のほうから申し上げているかと思いますが、健康保険組合というか、の立場に立つと、医療費っていう観点で言うと、薬価そのものよりも、その前の検査費用であるということにも、ちょっと着目をさせていただきたいというふうに思っております。(中略)
 介護費用の取扱いに関しましては、皆さまがおっしゃってるように全然わからないっていうのが現実ではないかなあと思いますので、まあ、なんでしょう。会社さんがおっしゃってるような、ああいった計算方法をいきなり当てがうのはちょっと難しいかなあというふうに思います。
 あと、費用対効果専門部会の合同開催に関してですけども、介護に関して、難しさはあるんですけども、やっぱり目をそらすわけにはいかないと思いますので、そちらは着実に見ていく必要があると思いますので、専門部会の中で、きちんと議論していくことを望みたいというふうに思っております。以上です。

 次回は費用対効果部会と合同で開催される予定です。

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2023年10月4日(水)に都内で開催され、YouTubeでライブ配信された中医協・薬価専門部会(第210回)の速記録(非公式)です。弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。

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