2023年７月26日（水）に都内で開催され、YouTube でライブ配信された中医協総会（第550回）の速記録（非公式）です。弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。

　この日の中医協は前回７月12日と同様に、３階建ての３時間コースです。材料と薬価で計１時間。10分間の休憩をはさんで総会（感染症と調剤）が２時間あり、正午過ぎに閉会しました。

　１．保険医療材料専門部会（9:00～9:28）　
　２．薬価専門部会（9:32～9:58）
　　　　　＜休憩＞
　３．総会（10:10～12:14）

　材料部会は前回６月21日にキックオフ。今回は専門組織の意見を踏まえて検討し、次回は業界ヒアリングの予定です。

　続く薬価専門部会は「新薬その２」です。補正加算の加算率や範囲を見直す方向については診療側から同意する意見が出ましたので、今後の焦点は前回の新薬創出等加算と、今回テーマになった市場拡大再算定（共連れルール）でしょうか。

　総会は感染症と調剤です。共通しているのは「医療計画の続き」という点でしょうか。医療計画がテーマになった５月17日の総会では、６事業のうち５事業を審議。その際、６事業目の新興感染症への対応については「感染症に対する医療に関する議論の中で別途取り扱う」として後回しになりました。

　調剤については、第８次医療計画で「薬剤師確保の観点を新たに記載」とされましたので、薬剤師の偏在解消に向けた内容が今回の資料に入っています。また、「歯科をやったら次は調剤」という恒例の流れもあります。前回７月12日に歯科をやったので今回は調剤ということで、よく考えられたスケジュールです。

【議題】
　１．部会・小委員会に属する委員の指名等について
　２．感染症について（その１）
　３．調剤について（その１）

　感染症と調剤がそれぞれ約１時間で、合計２時間の総会でした。１は専門委員の交代です。日本看護協会の吉川久美子常任理事の後任として、木澤晃代常任理事が就任しました。

　表紙の写真は、閉会後に木澤専門委員が厚労省の担当者と名刺交換をしている場面です。会議中、前任の吉川常任理事が後方の控え席で見守っていました。吉川常任理事の退任あいさつはありませんでした。

　医師・看護師・薬剤師と言われる中で、なぜ看護師の代表が診療側委員でないのか、いまだに不思議でなりません。女性中心の団体だからでしょうか？　「医療ＤＸ」「ＩＣＴの活用」もいいですが、まず足元から見直してほしいところです。さらに付け加えれば、患者代表は「支払側」ではなく、公益委員であるべきです。

▼　余談になりますが、ちょっと前からすごく気になっていることがあります。２～３年前、城守氏のころからでしょうか。今回も長島公之委員（日本医師会常任理事）が発言の最後にこう付け加えました。

　一見すると、日本看護協会に優しいように思えますが、そうではありません。日本医師会のお許しがなければ日本看護協会は発言できないような雰囲気をつくりだしています。YouTubeで中医協をご覧になり始めた人には違和感ないかもしれませんが、本来そんなことはありません。「専門委員は発言を控えるべき」なんてルールは社会保険協議会令にはありません。
　あれからもう５年以上になりますが、ある専門委員が「勝手に発言しないようにと医療課から言われているので発言を控えている。どうやら日本医師会の指導でそうなっているらしい」と愚痴っていました。
　一方、公益委員にもそういう圧力はかかっているようですが、飯塚敏晃委員（東京大学大学院経済学研究科教授）を筆頭に、新たに就任したばかりの安川文朗委員（京都女子大学データサイエンス学部教授）も積極的に発言しています。ぜひ今後に期待したいと思います。

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