「中間年改定」巡る攻防

「中間年改定」巡る攻防

 1年後の27年4月に、果たして薬価の「中間年改定」は行われるのか。政府としては、25年末の片山さつき財務相と上野賢一郎厚生労働相の大臣折衝の中で「着実に実施すること」で合意している。ただ、製薬関係団体は、それでもなお「廃止」を求める姿勢を崩していない。【本根優】

 業界を束ねる「日本製薬団体連合会」、研究開発型企業が集まる「日本製薬工業協会」といった製薬団体は「薬価差は縮小している。市場実勢価格に基づく薬価制度にしていくべき」などと主張し、引き続き中間年改定廃止を働きかける方針を示している。

 一方で、財務省関係者は「毎年改定(中間年改定)の実施はすでに決まった話。それを前提に、適用する薬価ルールも通常改定に近づけていくべき話だ」と語る。中央社会保険医療協議会の支払側関係者も「やる・やらないの議論する余地はない。どうやるかの議論が行われる、と理解している」との見解を示す。

 大臣合意には、着実な実施とともに「その際の対象品目の範囲や適用される各種ルールの在り方については、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、現役世代の保険料負担を含む国民負担の要請についてバランスよく対応する」という考え方が示されている。

 2月の衆院選では「積極財政」を掲げた高市・自民党が歴史的大勝を収めた。さらに片山財務相や上野厚労相を含む全閣僚が留任。厚労省幹部も「物価・賃金上昇への対応で診療報酬を26年度と27年度に引き下げる。そうした項目などに薬価対応も含めて、ひとつの政策パッケージになっているのが大臣合意」との認識を示す。

 製薬業界に中間年改定廃止論がある一方で、覆すのが難しくなっているのが現状だ。過去には、国民民主党や立憲民主党が廃止に賛同して、国会で質問したり、政府に働きかけたりする動きが存在したものの、衆院選での与党大勝で、与野党のバランスが大きく変化し、その勢いを削がれた。

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