診療報酬改定にあわせて2年に1度実施される「医療経済実態調査」の見直しに関する7項目の対応案が了承されました。前回調査から公益委員が強く求めている診療科別のデータについては、医療法人の経営情報のデータベース(MCDB)の「有用性を検討」との方針でいったん決着しました。 【新井裕充】
今回の中医協は薬価専門部会と調査実施小委員会です。総会の開催はありませんでした。薬価専門部会は、乖離率などに関する調査結果の公表と令和7年度薬価改定に関する論点提示。次回の部会で関係業界からのヒアリングを実施する予定です。
1.薬価部会(9:30~10:10)
2.調査小委(10:15~10:34)
令和8年度診療報酬改定に向けて、来年6月を調査月とする「第25回医療経済実態調査」に関する検討が10月9日にスタート。同日の総会で、「議論の進め方」や「スケジュール」などの案を了承し、前回11月6日の調査実施小委員会に主な論点が示されました。
今回示された資料「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)に係る主な論点」の構成は前回と同様です。「検討すべき事項(案)」と題する論点が7項目。
前回会合での意見を踏まえて修正された7項目の対応案は全て了承されました。
このうち、(1)調査項目の「③ 賃上げに係る項目」について支払側(健保連)は「しっかり調査・検証すべき事項であるにもかかわらず、回答への負担というのが主な理由で、詳細な調査を行わないことは大変遺憾」とした上で、全数調査であるMCDBの活用に期待を込めました。
:;:*:;:**:;:*:;:*:;:**:;:*:;:*:;:**:;:*:;:**:;:*:;:*:;:**:;:
(2)の調査設計では、今回も意見がありました。診療所の主たる診療科別など「サンプル数が少ないと予想される集計」について、厚労省は前回会合で「主たる診療科別をはじめとして様々ある」との理由から、「まずは、引き続き、有効回答率の向上を図ることが必要」と慎重な姿勢を示していました。
しかし、厚労省は今回、この記載を修正。日医と公益委員の意見を併記する形の対応案となりました。
「医療経済実態調査を補完するものとしての有用性を検討」との記載にとどまっていますが、日医が君臨する中医協で公益委員が風穴を開けました。
前回会合で、MCDBの活用を改めて主張した公益委員は今回の修正案に対し、「そのように進めていただきたい」と了承した上で、「MCDBにおいて職種別の給与・人数は任意」と新たな課題を提示。「必須項目として把握するように、省内での調整をお願いしたい」と求めました。
.
下記のファイルは、2024年12月4日(水)に開催され、YouTube でライブ配信された第60回中央社会保険医療協議会(中医協)調査実施小委員会の速記録(非公式)です。弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。
※ 定期購読の会員様は、パスワードを入力してダウンロードしてください。
● 定期購読者には、独自に作成した速記録(非公式)をお送りしています。
● 定期購読(有料)などの案内をご希望の方は、資料請求のページをご覧ください。