来年の今ごろ、同時改定の議論を振り返るときの出発点となるのが今回でしょうか。すでに設計図はできているようです。【新井裕充】
同時改定の「背景」という名目で、主な検討項目が出ました。
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今回は令和5年最初の中医協です。①総会と ②薬価専門部会が開かれました。総会は中断を挟んで約1時間、薬価専門部会は5分ほどで終了しました。
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① 総会 10:00~10:05
<中断>
② 薬価専門部会 10:07~10:12
① 総会 10:17~11:17
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総会の冒頭で診療側の新しい委員が紹介されました。日本薬剤師会の森昌平副会長です。ようやく薬剤師会が本気を出してきた感じがします。グダグダでしたからね。
森委員は「薬剤師の委員として現場のことを丁寧に説明していきたい」とあいさつ。所属する会議を決めて総会は一時中断し、薬価専門部会に移りました。
薬価専門部会では、昨年12月21日にまとめた骨子案を踏まえた薬価基準の改正案が示され、委員の発言はなく了承。続く総会でも異論なく承認されました。
総会の議題は盛りだくさんですが、ほとんど定例モノで議題7まで約25分。スイスイ進んで、同時改定に関する議題8「令和6年度診療報酬改定に向けた検討の進め方」で議論がありました。
なかなか利用が進まないマイナ保険証ですが、その基盤となるオンライン資格確認システムなどの「医療DX」も次期改定のテーマに入っています。支払側委員は次のように要望しました。
「患者や国民から意見を伺う機会を設けていただきたい」
はて? 患者団体へのヒアリングなのか公聴会なのか、どういう場を想定しているのかわかりませんが、日本医師会の委員が即座に反対しました。支払側からこういう意見が出ることを事前に知っていたのでしょうか。素早い反論でした。
そういえば、過去にもこんな議論がありました。後発医薬品の使用促進や明細書の無料発行です。
「医療側の努力が足りない」
今回も似たような展開になるのでしょうか。「患者の声」を使って、マイナ保険証が進まない責任を医療機関側に押しつけようとする思惑が透けて見えます。
議題8の議論はこちらをご覧ください。https://bit.ly/3Hl5Gkg
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