今回は薬価専門部会のみ、金曜日の開催です。中医協はいつも水曜開催ですが、改定前は水・金になります。令和5年度の薬価改定(中間年改定)を控えていますので、12月はこのまま水・金ペースでしょうか。【新井裕充】
2時間の枠が予定されていましたが、30分足らずで閉会しました。
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薬価専門部会 10:00 ~ 10:26
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前回の会合で示された「論点整理」をベースに、令和4年の薬価調査の結果や前回の指摘事項を盛り込んだ「論点整理その2」を踏まえ、各委員が意見を述べました。専門委員の発言はありませんでした。
資料は「薬-1」から「薬-4」です。
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1と2 → 令和4年の薬価調査(前半)
3と4 → 令和5年度薬価改定(後半)
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質疑は前半と後半に分けられました。後半(薬価改定)で盛り上がるのかな? と思いましたが、10分程度で終了してしまいました。
今回の資料で注目すべきは「薬-4」(前回部会の指摘事項)でしょうか。2ページ「乖離額の大きな品目について」のスライドで、現時点の考え方が示されています。
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質疑で、有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)は「乖離額という考え方を入れてしまうと、単価が高額な薬剤である新薬や希少疾病用の薬剤が狙い撃ちになることや、投与回数、投与数量が少ない薬剤のほうが影響を受けやすくなる」と懸念し、「率で見ないと不公平なものとなってしまう。乖離額という考え方を適用していくことは適切ではない」と主張しました。
一方、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「今回の薬価調査の結果を踏まえ、検討に必要なカテゴリー別のデータを示していただきたい」と要望しました。
さらに、「前回、カテゴリー別の調整幅を検討してはどうかと申し上げたことに対して、(村井泰介)専門委員から乖離率の使い方もセットで議論するべきという発言もあった」と前回の議論を振り返った上で、 「4つ目のポツの『調整幅』にあわせて議論が深まるよう、事務局には準備をお願いしたい」と求めました。
資料「薬-3」のP19「各論に関する論点」には、このような記載があります。
「継続検討とされている調整幅の在り方について、調整幅は現行の薬価制度全体の中で位置づけられているものであることを踏まえ、中間年改定である令和5年度薬価改定においてどのように考えるか」
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松本委員の要望に対し、厚労省の安川孝志薬剤管理官は「調査客体にとって機密性の高い情報」や「公にすることで医薬品取引の交渉に影響を与える恐れ」があるとし、「こういったデータを扱う場合には慎重な検討が必要」と理解を求めました。