自民党政務調査会(萩生田光一会長)の部会長人事が内定した。8月30日の総務会で正式に決定する。その一覧を見ると2つの傾向が見て取れる。【本根優】
内定した面々は以下のとおり。
内閣1 森屋宏(参2)
内閣2 神田憲次(4)
国防 國場幸之助(4)
総務 武村展英(4)
法務 宮崎政久(4)
外交 堀井巌(参2)
財金 中西健治(1、参2)
文科 中村裕之(4)
厚労 田畑裕明(4)
農林 武部新(4)
水産 滝波宏文(参2)
経産 岩田和親(4)
国交 津島淳(4)
環境 三木亨(参2)
※カッコは衆院の当選回数
党関係者によると、厚労部会長ポストは、同じ安倍派で衆院当選4回の田畑氏と三ッ林裕巳氏(医師)が同時に希望し、争う展開となったが、最終的に安倍派は田畑氏に一本化。その後、派閥要望どおりに田畑氏の起用が内定した。
田畑氏は製薬産業が集まる富山1区の選出。これまでに厚労大臣政務官、衆院厚労委員会理事、総務副大臣などを歴任。党内では「難病等に関するプロジェクトチーム」の事務局長を経験している。
部会長人事全体からは、衆院当選4回の議員が圧倒的に多いことがわかる。彼らは自民党が政権を奪還した12年の衆院選で、初当選した面々だ。新人が119人も大量当選し、「安倍チルドレン」と呼ばれた。
また、当選回数の4回というのは、2018年に当時、政調会長だった岸田文雄氏(現首相)が「政調改革」に取り組んだ際の産物と言える。過去には当選3回程度が“適齢期”とされた部会長ポストについて、4回以上に引き上げ、部会の充実・強化を図った。
今回、「安倍チルドレン」「当選4回」を党の政策立案の実働部隊である部会長に据え、党内論議が活性化することを狙う。