令和4年度の診療報酬改定に向け、厚生労働省は8月27日、中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬調査専門組織である「入院医療等の調査・評価分科会」の令和3年度第6回会合をオンライン形式で開催し、「特定集中治療室管理料等に関する現状・課題と論点」を示した。【新井裕充】
特定集中治療室について厚労省は「高度急性期の患者を治療する治療室」とした上で、「実態等も踏まえつつ、(中略)適正な評価を行う観点から、その評価のあり方について、どのように考えるか」と意見を求めた。
厚労省担当者の説明は以下のとおり。
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〇尾形裕也分科会長(九州大学名誉教授)
続きまして、議題の2番目でございますが、「特定集中治療室管理料等について」につきまして、議論を行いたいと思います。まず、事務局から資料の説明をお願いします。
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〇厚労省保険局医療課・金光一瑛課長補佐
事務局でございます。「入-2」をご用意ください。
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まず、「特定集中治療室管理料」という議題でございますので、こちら、前半の部分の説明を差し上げたいと思います。
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1) 重症度、医療・看護必要度について
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3ページ、1つ目のテーマが「重症度、医療・看護必要度について」でございます。
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4ページ。前回の診療報酬の改定内容、特定集中治療室関係についての記載でございます。
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5ページ、ご覧ください。こちら、左側が特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度評価票でございます。
また、右側、ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度評価票でございます。
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一番下には、いずれもその評価票に則って点数を付けた場合の基準、特定集中治療室用ですと、A得点4点以上かつB得点3点以上。
ハイケアユニット用ですと、一番下に「A得点3点以上かつB得点4点以上」となっているところでございます。
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6ページと7ページについては、救命救急入院料等に関して、主な施設基準に関係した話をまとめています。
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一番右のほうには看護配置、それから、用いている必要度についても記載をしているところでございます。
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続きまして、8ページでございます。特定集中治療室の重症度、医療・看護必要度、令和2年のデータでございます。
医療・看護必要度の分布ということでお示しをしておりまして、「95%以上97.5%未満」また、「97.5%以上」という医療機関というものが多いということが見て取れるかと思います。
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9ページ、ご覧ください。ここからは重症度、医療・看護必要度特定集中治療室について、A項目を見てございます。
左側に、特定集中治療室の1と2。
右側に、特定集中治療室の3と4で、該当患者割合、A項目について、お示しをしてございます。
「心電図モニターの管理」、それから、「輸液ポンプの管理」については、かなりの高い割合で該当しているということがお分かりかと思います。
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10ページでございます。こちらは、B項目をお示ししております。
同じく左側に、特定集中治療室1・2、右側に、特定集中治療室3と4というふうになってございます。
2点の項目については、1・2のほうが該当患者割合が高いという傾向かと思います。
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続きまして、11ページでございます。こちらは今度、救命救急入院料の重症度、医療・看護必要度A項目でございます。
左側には、救命救急入院料1と3、右側には、救命救急入院料2と4でお示しをしております。
「心電図モニターの管理」についてはいずれについても9割以上ということになってございます。
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12ページはB項目でございます。左側に1と3、右側に2と4。
似たような項目について見比べていただくと、2と4のほうが該当患者割合が高いという傾向にあったかと思います。
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13ページ、ご覧ください。最終的な重症度、医療・看護必要度の得点というところで、特定集中治療室管理用の1から4と、救命救急入院料の1から4ということで分けてございます。
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該当患者割合、色で分けてございますが、基準未満、それから、グレーでは点数ギリギリというところ、それから、基準を超えるというところで分けておるところでございます。
救命救急入院料の1と3については現行、測定をするというのみになっておりますので、該当患者割合が2と4に比べると低いというところが結果としてはあるかと思います。
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14ページでございます。入室日の重症度、医療・看護必要度とSOFAスコアの関係をまとめてございます。
必要度、基準を満たす患者さんの割合、円グラフでお示しをしておりますが、85.6%ということでございました。
必要度の基準を満たしていない患者さんと基準を満たしている患者さんというのを比較している右側の帯グラフをご覧ください。
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こちらで、それぞれSOFAスコアの割合というものを示しております。基準を満たす患者さんのほうでは、SOFAスコア5点以上の患者さんについて数字を見比べると、患者さんの割合が高いという傾向にございました。
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また、一番左の頻度を示したグラフをご覧いただくと、SOFAスコアが高い、横軸にSOFAスコアを取っておりますが、SOFAスコアが高い患者さんの中にも必要度の基準だと満たしていない、すなわち、オレンジ色で表記をされてございますが、こういう患者さんは存在しているということがこちらではお分かりいただけるかと思います。
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15ページは、特定集中治療室の重症度、医療・看護必要度と、SOFAスコアをまたこれ見ておりますが、集中治療室の入院料別に、この15ページでは、「A項目4点以上」というところで見ております。
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また、16ページは「A項目3点以下」の患者さんで、入院料別に、SOFAスコアの分布というのを見ておるところでございます。
2) 算定日数について
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続きまして、17ページ、「算定日数について」でございます。
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18ページには、救命救急入院料等の算定上限日数をお示ししております。表の中では右側に、「例外」として設定をされております、長い日数というものも記載をしてございます。
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19ページをご覧いただくと、直近の診療報酬改定、平成28年になりますが、こちらでNICU等、算定日数の延長というものをしていただいているところのご紹介。
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20ページが、ICU滞在日数の比較を一部の病態について、しております。
左側に、ICU平均滞在日数。それから右側に、ICU滞在日数が14日以上の患者さんが占める割合というものを示してございます。
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21ページには、処置別にICU滞在日数、分布をお示ししているところでございます。
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また、22ページには、病態として臓器移植というものを取り上げておりまして、これもICUの滞在日数の分布。それから、14日を超える割合というものを分析して、お示しをしているところでございます。
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その次のページでございます。「集中治療におけるデータベース」の紹介でございます。
今回の、お示ししているデータの一部にも使わせていただいているところでございますが、「JIPAD」と言って日本集中治療医学会が運営するデータベースというものがございます。
2つ目の丸でも書いてございますが、「死亡予測モデル」というところを構築しておられて、「集中治療における治療の選択」というものにも役立てておられるということでございます。
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最後、24ページ、課題と論点でございます。
「論点」の所、
特定集中治療室等の実態等も踏まえつつ、
高度急性期の患者を治療する治療室の適正な評価を行う観点から、
その評価の在り方について、どのように考えるか。
ということで提起させていただいております。事務局からは説明は以上でございます。
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〇尾形裕也分科会長(九州大学名誉教授)
はい、ありがとうございました。
(以下略)
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