厚生労働省は早期のリハビリテーションや栄養管理を令和4年度の診療報酬改定でさらに評価する方針を示した。【新井裕充】
厚労省は8月6日、中医協の入院分科会をオンライン形式で開き、「横断的事項」として入退院支援や認知症ケア、早期リハ、栄養管理などの課題を挙げ、「質の高い入院医療を推進するため(中略)どのように考えるか」と意見を求めた。
特定集中治療室での早期リハを評価するために平成30年度改定で新設された「早期離床・リハビリテーション加算」については、「これらの加算を算定できる特定集中治療室以外の治療室においても、これらの取組が実施されている実態が見られた」とし、次期改定で拡大する方針を示した。委員はこれに賛同した。
栄養管理については、「管理栄養士が病棟に配置されている場合、配置されていない病棟と比較して、ADL改善効率が良好であった」と評価している。
厚労省担当者の説明は以下のとおり。
〇厚労省保険局医療課・金光一瑛課長補佐
(前略)はい。事務局でございます。では資料、お手元、「診調組入-1」をご用意ください。
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今日の議題が全てこちら1つになってございますので、分割しながらご説明をさせていただきます。
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(中略)
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〇尾形裕也分科会長(九州大学名誉教授)
続きまして、「横断的事項について」でございますが、この部分について議論を行いたいと思います。まず、事務局から資料の説明をお願いします。
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〇厚労省保険局医療課・金光一瑛課長補佐
事務局でございます。96ページ以降、横断的事項の議題に関して、資料の説明をさせていただきます。
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97ページから、4つ、今回、サブテーマを付けております。
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(中略)
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続きまして、127ページから、「治療早期からの回復に向けた取組について」でございます。
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128ページに、特定集中治療室での早期からの取組の評価について、平成30年度に新設をいたしました「早期離床・リハビリテーション加算」、
それから、128ページ下段、令和2年に新設をしました「早期栄養介入管理加算」というもののご紹介でございます。
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129ページに、早期離床・リハビリテーション加算の算定状況をお示ししています。
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130ページには、令和元年調査から届出状況、改定前のものでございますが、届出の割合を見ております。
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131ページでございます。早期離床・リハビリテーションの状況ということで、取り組んだ場合、自立度の改善でありますとか、ICU滞在期間の短縮、早期歩行獲得等の効果。
今回の新型コロナに関係しても、お示しがされているところでございます。
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132ページに、Post Intensive Care Syndromeの予防として、ということで、ICU、HCU、PICU等の施設を対象とした調査で、早期リハを行っていると回答した割合は92.1%と、かなり広まっている状況も見て取れるのかと思います。
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133ページには、早期栄養介入等の現状。
左側に実績を付けてございますが、右側に関係学会の調べで、HCUやStroke Care Unit、あと Coronary Care Unit で、管理栄養士が栄養管理を実施している状況というのもまとめてございます。
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134ページ、135ページに、特定入院料関係の施設基準をまとめております。
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4つ目のサブテーマが「栄養管理について」です。
アで、栄養サポートチーム加算のご紹介になります。
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137ページが、栄養に関する診療報酬上の主な評価。
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138ページに、入院に着目をした栄養管理に対する主な評価でございます。
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栄養サポートチーム加算については、139ページにまとめております。
栄養管理を要する患者に対して、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士等が共同して必要な診療を行った場合についての週1回の200点というものでございます。
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140ページには、栄養サポートチームの介入効果の報告から引用してございます。一般病棟よりも障害者病棟において改善した割合が高いというような結果があります。
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また、141ページには、算定可能な入院料というもので、これまでの経緯をまとめてございます。
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142ページからは、周術期の栄養管理でございます。
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143ページに、入院料ごとの年齢階級別分布。
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144ページに、入院料ごとの入院患者の主な傷病。
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145ページに、入院料ごとの栄養摂取の状況。
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146ページには、嚥下機能障害の有無というものの集計をしております。
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147ページ。「術後の栄養摂取開始の状況」ということで、左側に全身麻酔の手術後、絶食から栄養摂取を開始するまでの日数を疾病別ごと、それから、右側には年齢別ごとにお示しをしております。
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148ページに、「各ガイドラインにおける周術期の栄養管理について」ということで、日本臨床栄養代謝学会の「静脈経腸栄養ガイドライン」ですとか、こういったもので周術期の栄養管理。具体的な方法というのもお示しがされているところでございます。
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149ページ。術前に栄養管理を実施するために経口栄養剤というのが出されている患者さん、現時点で多くいらっしゃると思いますが、栄養剤の半分以下しか摂取できていないという実態があったりですとか、
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150ページ。術後の経口摂取再開までの日数が短い場合、在院日数が有意に短いですとか、適切な栄養管理が実施されれば術後の合併症発生率や死亡率が有意に低下するというご報告を載せてございます。
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151ページから「回復期リハビリテーション病棟における栄養管理について」ということで、
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152ページに、前回の改定で入院料1に導入いたしました管理栄養士「専任常勤1名」という要件の変更等をお示ししています。
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153ページには、リハビリテーション計画書における栄養項目の記載状況のまとめ。
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また、154ページに「入院料ごとの管理栄養士の配置状況」というものをお示ししております。
入院料1が専任常勤1名というふうになっておりますので、かなり高いのに対し、入院料2以下については、こういった入院料「なし」というのが4割から6割ということになっている結果でございます。
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155ページ。専任・常勤ということではなくて、管理栄養士の施設の配置というもので見てみますと、入院料1が常勤換算4.2名であるのに対し、入院料2から6でも2から3人、常勤換算でいらっしゃるということが分かります。
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156ページの所で、1病院あたりの回リハ病棟数というのも見ていて、1病棟と2病棟というので大体9割ぐらいというような状況になってございます。
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157ページで、入院料ごとの管理栄養士の配置状況の変化。2019年と2020年を比較しております。
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158ページで、回リハ病棟における栄養摂取の状況。
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159ページでは、病棟に管理栄養士が配置されている場合と配置されていない病棟との比較をして、ADL改善効率が良いという結果。
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また、入院栄養食事指導料の算定状況というのも、160ページにまとめております。
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161ページに、管理栄養士の病棟配置の効果というものも各種の報告書から引用してございます。
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最後、162ページでございます。ここまでの4つのサブテーマについて点線の中でまとめさせていただいた上で、
質の高い入院医療を推進するための、
入退院支援、
認知症ケア、
治療早期からの回復に向けた取組、
栄養管理について、
どのように考えるか。
ということで、論点として掲げているものでございます。
長くなりましたが、事務局からの説明は以上でございます。
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〇尾形裕也分科会長(九州大学名誉教授)
はい、ありがとうございました。
(以下略)
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