消費税問題の「今後の進め方」

日比谷公園_2021年3月23日

 厚生労働省は8月4日、約2年半ぶりに中医協の消費税分科会を開き、「今後の進め方等について」と題する資料を示した。【新井裕充】

 厚労省の担当者が詳しく説明したのは資料の4ページ。「消費税10%への引上げに伴う補てん状況の把握について(案)」と題し、補てん状況の把握方法などを説明した。

 その上で「論点」を挙げ、「今回の対象期間である令和2年度のデータについては、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けていることを踏まえ、その方法や結果の分析・解釈について、どのように考えるか」と意見を求めた。

 厚労省担当者の説明は以下のとおり。

〇飯塚敏晃分科会長(東京大学大学院経済学研究科教授)
 はい、それでは議事に入らせていただきます。本日は、「今後の進め方等について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、事務局から資料の説明をお願いいたします。
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〇厚労省保険局保険医療企画調査室・山田章平室長
 はい。保険医療企画調査室長でございます。

 資料「税-1」「税-1参考1」「税-1参考2」、3種類ございますが、「税-1」を主にご説明させていただきたいと思います。
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 「今後の進め方等について」という表題のあります資料でございます。

 めくっていただきまして、2ページ。これまでの消費税の取扱いについての経緯をまとめさせていただいております。

 1.総論

 社会保険診療における消費税は非課税。

 過去、消費税導入の平成元年、引上げをした平成9年、平成26年、令和元年、それぞれ、診療報酬へ上乗せすることで補てんをしてきております。

 2.平成26年(消費税8%引上げ時)の対応でございます。

 消費税法等の一部改正法に基づきまして、中医協・消費税分科会、まさにこの分科会でございますが、この場において、診療報酬とは別建ての高額投資対応の検討を議論いたしました。

 ② 議論の結果、別建ての高額投資対応は実施せず、消費税8%引上げ時の対応は診療報酬にて行うこととなりました。

 ③ その際、基本診療料への点数上乗せを主とした対応を行うこととなりました。

 3.です。令和元年、消費税10%引上げ時の対応であります。

 ① 消費税分科会の場において、平成26年改定の診療報酬上の対応について、その補てん状況の把握を実施いたしました。

 少し経緯を補足しますと、米印のほうを、移っていただきたいと思います。

 平成27年には平成26年度の状況について、平成30年には平成28年度の状況について、それぞれ把握するべく作業を実施いたしました。

 平成27年には、当初、「補てん状況にばらつきは見られたものの、マクロでは概ね補填されていることが確認された」旨の報告をさせていただきました。

 そのあと、平成30年まで把握作業は行いませんでした。しかしながら、平成30年の作業時におきまして、平成27年の報告内容に誤りがあったことが判明しております。

 戻っていただきまして、全体の補てん不足、医療機関種別ごとの補てん率のばらつきが生じていることがこの令和元年の引上げ時の調査で分かっております。

 これに対する要因分析、より適切な補てん方法等について、この消費税分科会の場で議論をさせていただいております。

 ②でありますけれども、議論を踏まえて、補てん不足、また補てん率のばらつきを是正するために、5%から8%への引上げ時の内容も含めて、配点方法の見直しを行った上で、消費税10%引上げに対応した診療報酬上の対応を実施しております。

 ③ 平成30年度の医療機関等における消費税負担に関する分科会」における議論の整理というものの中におきまして、「消費税率10%への引上げ後の補てん状況については、必要なデータが揃い次第速やかに、かつ継続的に調査することとする。」とされております。

 今回の消費税分科会の議論は、まさにこれを受けたものでございます。

 また、この2ページに書かせていただきました経緯の詳細につきましては、参考資料の1のほうに、「これまでの経緯について」ということで、パワーポイントをまとめさせていただいております。
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 3ページをお願いいたします。スケジュール案でございます。

 スケジュール案、上のほうにですね、総会、これ、中医協の総会でございます。

 調査実施小委員会、消費税分科会、3つの検討の場を記載させていただいております。

 下段には、消費税の補てん状況の把握、医療経済実態調査、NDBデータの取得と書かせていただいております。

 下から2番目の医療経済実態調査でありますけれども、ここで課税経費率の確認をすることになります。

 まさに、この7月また8月の途中まで、医療経済実態調査を実施しているところであります。

 その調査の集計により、取りまとめ、支出データを把握する。

 また、一番下段でございますけれども、NDBデータによりまして、その医療機関ごとの収入データを把握する。

 医療経済実態調査で把握しました支出データと、NDBデータで取得しました収入データを突き合わせるのが「消費税補てん状況の把握」の部分でございます。

 その突き合わせを行いまして、11月に消費税分科会のほうに、この場に報告をさせていただきたいと思います。

 また、その後に中医協総会のほうに報告をさせていただくというスケジュールを考えております。
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 4ページをお願いいたします。事務局の補てん状況の把握案でございます。

 1つ目の丸でありますが、「前回(平成30年度)に実施した方法に倣って、以下のとおり実施すること」としてはどうだろうか。

 1.目的 でございます。

 令和元年に行われた、消費税率10%への引上げに伴う診療報酬による補てん(5%~10%部分)について、令和2年度の状況を把握する。

 2.です。補てん状況の把握方法について。

 対象医療機関は、第23回医療経済実態調査、今、行っております実調でございます、の、調査対象となっている医療機関また薬局のうち、回答していただいた医療機関・薬局ということになります。

 使用するデータでありますが、個々の医療機関等につきまして、以下のデータを使用する。

 1つ目のポツ。収入についてでありますが、収入のうち診療報酬本体へ上乗せされている消費税分については、レセプト情報・特定健診等情報データベース、いわゆるNDBでございますが、NDBから抽出した算定回数等のデータを使用する。

 括弧書きで書いてあります。NDBのデータは、令和2年度分のデータを用いることを想定しております。

 2つ目のポツ。支出でございます。

 支出については、第23回医療経済実態調査のデータを使用する。

 「各医療機関における、令和3年3月末までに終了する直近の事業年度のデータを収集」とございます。

 これ、医療経済実態調査の調査方法によるものでありますけれども、綺麗に年度のデータを出してもらうというものではなくてですね、令和3年3月末までに終了する直近の事業年度、それぞれの医療機関・薬局の事業年度、それにあわせたデータを収集するということであります。

 ですので、米書きでございますが、消費税率8%の期間と10%の期間が混在する事業年度については、当該期間の割合に応じた換算率を乗じることで、年間を通じて10%とした課税経費を推計する。ということを考えております。

 例えば、事業年度が令和元年9月から令和2年8月、こういった医療機関もございます。

 そういった医療機関であれば、令和元年9月はこれ、消費税が8%の時代ですので、9月分は8%、10月から10%になるわけであります。そこは、換算率を乗じて推計をしようということであります。

 3ポツであります。
 
 個々の医療機関における補てん状況を推計し、医療経済実態調査の集計区分と同様に、開設者別、病院機能別、入院基本料別に区分して比較してはどうか、と考えております。

 報告時期は、本年11月をめどとして報告したいと思っております。

 4ページの下にですね、「論点」と書かせていただいております。

 これが今年、特に論点になるかなと思うものでありますけれども、今回の対象期間である令和2年度のデータ、これにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けていることを踏まえ、その方法、結果の分析・解釈について、どのように考えるか。

 このあたりも中心に、ご議論いただければなというふうに思っております。
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 5ページにお進みください。「補てん状況把握のイメージ」であります。

 どことどこの数字を比べて、補てんされているかどうかを見るのかということでありますけれども、収入のうち診療報酬本体へ上乗せされている消費税分、下の図のAの部分であります。
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P5抜粋【税-1】今後の進め方等について_2021年8月4日の消費税分科会_ページ_05
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 収入、右下に書いてありますけれども、「薬価・特定保険医療材料価格の保険償還による収入」
以外の、「診療報酬(本体)による収入」、ここに対する5%から10%の部分ということになります。

 Aと書かせていただいておりますが、赤く塗ってある、赤く囲ってある部分であります。ここが収入であります。

 ここと、状況を比べる支出については、Cの部分をご覧ください。

 費用の仕入れの部分でありますけれども、薬剤費ですとか、特定保険医療材料費を除いた、「その他の課税の経費」です。

 例えば、減価償却費ですとか委託費、こういった部分の5%から10%の部分であります。

 少し細かい話になりますが、「給食材料費等」、これ、軽減税率なので8%となっております。

 ここの部分は、5から8、ちょっと幅を変えておりますけれども、この部分。

 Aの面積とCの面積が合っているのかどうかと、こういったことを調査させていただきたいというふうに思っております。
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 6ページ以降はですね、新型コロナウイルス感染症による患者数の変化なりを、まとめてあるものです。

 6ページをご覧ください。「診療種類別レセプト件数の前年同月比」ということであります。

 医科・歯科・調剤などの令和2年4月から1年間分のもの、令和2年度分のものを記載しておりますが、やはり100%よりは落ちているという状況になっております。

 「税-1」は以上でありまして、参考の1は、これまでの経緯をまとめたもの。参考の2が医療経済実態調査の調査票を配布しております。

 医療経済実態調査、これを配布して、この中に書かれている消費税の支出分というものを集めてくるということであります。
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 本日、ご議論いただきたいのは、4ページに戻っていただきまして、補てん状況の把握の、この事務局案でありますけれども、このような方針で作業をし、11月にご報告する。

 その際に、特に新型コロナウイルス感染症の影響などを踏まえて、より精緻なもの、こういった工夫ができるのではないか、といったようなご議論をいただければなあというふうに考えております。

 事務局からの説明は以上であります。
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〇飯塚敏晃分科会長(東京大学大学院経済学研究科教授)
はい、ありがとうございました。

 (以下略)

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