厚生労働省は1月18日召集の通常国会に、4つの法案を提出する方向だ。「医療法などの一部改正法案」「健康保険法などの一部改正法案」「B型肝炎特別措置法の一部改正法案」「育児休業・介護休業法及び雇用保険法の一部改正法案」の4つになる。【本根優】
医療法に関しては、外来医療の機能の明確化や連携の推進のための報告制度創設、新興感染症などへの対応を見据えた医療計画の見直しなどを盛り込む予定だ。
厚労省医政局内で、提出に向けた準備が進む中、菅義偉首相が1月13日の記者会見で質問を受け、「医療法についても今のままでいいのかどうか。国民皆保険、そして多くの皆さんが診察を受けられる今の仕組みがある中で、今回のコロナがあって、そうしたことも含めて、もう一度検証していく必要はある」と発言した。
現在、準備中の法案に“上書き”するような首相指示が飛ぶのか。医政局関係者も、そして「国民皆保険」というフレーズに、保険局関係者も肝を冷やした。その後、翌14日には前厚労相の加藤勝信官房長官が記者会見で補足説明を行った。
加藤氏は「国民皆保険制度という根幹をしっかり守っていく中で、こうしたもの(医療法などの扱い)をどう考えていくのか、検証しながら検討していきたい、と(菅首相は)おっしゃられたのだと思います」とキレイに“翻訳”してみせた。
これには、野党が「コロナ禍に国民皆保険の見直しをするのか」などと騒ぎ始めたのに対する火消しの意味があった。