「何様のつもりか」
「調子をこきすぎだ」
自民党国会議員の関係者が不快感を露にする。
誰に向けられた怒りかと言えば、日本医師会の中川俊男会長に対してだ。【本根優】
中川会長は1月6日、年頭の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大で政府が1都3県に緊急事態宣言を発令する方針を決めたことを受け、宣言期間中は「全国会議員の夜の会食を、人数にかかわらず全面自粛してはどうか」と提案した。
そのうえで「国会議員に範を示していただきたい。『隗より始めよ』だ。それが国民の緩みの解消につながる」との見方を示し、「4人以下の会食なら感染しないと思うなら、それは間違いだ」と強調した。
当初、与野党はルール化について「人数は4人以下、午後8時以降は控える」よう衆参で申し合わせる見通しだった。
しかし、中川会長の発言を受け、与野党は後日、再度協議し、ルール化を見送ることを決めた。
中川会長は、周辺に「こちらとしては、(国会議員を)後押ししてやってるんだ。応援しているつもりで」と漏らすが、自民党関係者は「黙っていてくれれば、粛々と進む話が台無し。『全国の医師会関係者は夜の会食を自粛する』と宣言すればいいだけの話ではないのか」と反発を強める。
21年の年頭から自民党と日医の溝が深まる展開となっている。