厚労省・第3次補正予算案について(記者ブリーフィング)

和田倉噴水公園前_2020年8月30日

 第3次補正予算案の閣議決定を受け厚生労働省は12月15日、報道関係者向けの説明会(記者ブリーフィング)を19時からオンラインで開催した。【新井裕充】

 厚労省担当者の説明は以下のとおり。

〇厚生労働省大臣官房会計課・宮崎敦文課長
 こんばんは。会計課の宮崎です。定刻になりましたので、第3次補正予算に関する説明を始めさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、始めさせていただきます。

 役所側は、省議室に官房の担当課長、それと各局の総務課長、座っておりますので、それぞれ個別の説明、ご質問にお答えさせていただきたいと思っています。

 全体の説明につきましては、もう時間もこの時間でございますし、原稿の締め切り等ある方もいらっしゃると思いますので、ごくごく簡単にして、質疑応答を中心とさせていただければと思います。

 お配りしております資料ですけれども、「厚生労働省第三次補正予算(案)のポイント」ということで1枚紙、 A4横の1枚紙、それと縦紙の「厚生労働省第三次補正予算(案)の概要」ということで、少し各項目ごとに内容を記載した資料をお配りしているところございます。

 1枚紙に沿いまして概要をお伝えいたしますと、今回の3次補正予算におきましては厚生労働省関係、追加額4兆7,330億円となっております。
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20201215_令和2年度厚生労働省第三次補正予算案のポイント
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 うち一般会計につきましては、3兆8,010億円。労働保険特別会計につきましては、1兆3,422億円の規模となっております。

 一般会計から労働保険特会への繰入がありますので、4,103億円が重複しております。

 ですので、両者を足し合わせて、その分だけ、ちょっと、はみ出るという形でございます。

 柱立てといたしましては、経済対策、また今回、全体の補正予算の柱立てに沿いまして整理をしております。

 1つ目が「新型コロナウイルス感染症の拡大防止策」でございます。

 足もと、新型コロナウイルス感染症、広がりを見せている中で、この拡大防止策、喫緊の課題でございますので、さらなる感染拡大の防止対策、あるいは検査体制の充実などに1次、2次、あるいは予備費対応に加えまして今回も相当な額を盛り込みまして万全を期したいということで用意をしたところでございます。

 また、第2の柱としては「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」ということで、この中には大きく言うと3つございます。

 1つは「地域・社会・雇用における民需主導の好循環の実現」ということで、「雇用就業機会の確保」「生活の安心の確保」「子どもを産み育てやすい環境づくり」という項目。

 また、「デジタル改革の実現」に関しましては、「保健医療情報等の利活用」等の項目が入れております。

 そして、「経済構造の転換・イノベーション等による生産性向上」につきましては、「最低賃金の引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援等」を含めまして、あるいは「全ゲノム解析等の研究開発の推進」などを盛り込んでいるところでございます。

 最後に、3つ目の柱として「防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保」ということで、「水道施設の耐災害性強化対策等」、また「令和2年7月豪雨等による災害対応」「医療施設、社会福祉施設等の防災対策」などを盛り込んでいるところでございます。

 細かな各項目の内容につきましては、A4縦紙をご参考いただければと思います。

 少し、補正予算の規模について申し上げますと、令和2年におきましては第1次補正で1.6兆円、第2次補正におきましては4.9兆円、5兆弱の補正を行っております。

 今回、3次補正でも4.7兆円という規模の補正を行っておりますので、予備費を除きまして1次、2次、3次補正の、この3次の補正を通じまして10兆円を超える補正を行っているところでございます。

 いずれも、このコロナウイルス感染症の拡大という危機に対応するということで厚生労働省関係の、国民の皆さまの命、雇用、暮らしを守るということで各種予算を講じているところでございまして、3次補正はその中で一連の補正の中に位置づけられるものでございます。

 また現在、当初予算の編成が進んでおりますけれども、当初予算編成と合わせまして「15カ月予算」ということで切れ目のない支援をしていくということで、当初予算ともつながる形での位置づけになるものでございます。

 当初予算につきましては、自民党の厚生労働部会でも関係の資料等をお配りをいたしましたけれども、今週後半に大臣折衝し、来週、閣議決定の予定でございます。

 あわせて、またご説明させていただく機会を設けさせていただければと思っているところでございます。

 補正については、私からの説明は以上といたしまして、あとは個別にご質問にお答えする形で対応したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

Q.ワクチン接種体制整備は2次補正の予備費でも計上していましたが、3次補正で計上した分は具体的に接種体制整備の何に使われる予定なのでしょうか。
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 ワクチン接種体制ということで、健康局のほうから回答させていただきます。
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〇厚生労働省健康局総務課・竹林経治課長
 健康局・総務課長でございます。3次補正で計上した分の接種体制整備、ございますけれども、何に使われる予定なのかということでございます。

 まず、大部分はですね、接種をいただく医療機関、例えば医療機関に接種いただく場合ですと、要は、接種にかかる経費を医療機関に払わなければいけませんので、そういった経費をまずお支払いする。

 あと、その他、予防接種にかかるさまざまな事務経費ですね、人件費でございますとか、さまざまな物件費、こういったものに使うお金でございます。

 あとはシステムの改修費とかもこの中に入っておりますが、ワクチンそのものを買うお金というのは、これは9月の予備費で確保しているものでございますので、今回の3次補正分にはそういったものは入っておりません。以上でございます。
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Q.不妊治療の助成拡大について、実施時期と、現行制度との違いについて改めてご説明ください。
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〇厚生労働省大臣官房会計課・宮崎敦文課長
それでは、子ども家庭局・小澤課長からご説明をいただきます。少々お待ちください。
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〇厚労省子ども家庭局総務課・小澤時男課長
 すいません、子ども家庭局・総務課長の小澤でございます。よろしくお願いします。

 不妊治療の助成拡大について、まずこの点については、この後、母子保健課から個別のブリーフィングがありますので、そちらのほうで聞いていただくことも可能です。

 その上で、まず実施時期について。こちらについては令和3年1月1日。今回、補正予算で15カ月予算ということで組んでますので、1月1日以降に終了した治療を対象にする予定としています。

 そして、主な違いとしては大きく4点あります。

 1つは所得制限がこれまでは730万円未満だったものが撤廃されます。

 それから助成額については、これまで1回15万円、初回のみ30万円でしたが、これを1回目も2回目も同じく30万にするということです。2回目以降、これは要するに倍増です。

 それから助成回数。今までは生涯で通算6回までとなっていましたが、これを子ども1人当たり6回というふうに見直します。

 この3点が大きな対象です。それから、あと「保険適用を見据えて」ということで、今回、不妊治療の支援についても事実婚を対象とする。

 この4点が見直しの対象となります。以上です。
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〇厚生労働省大臣官房会計課・宮崎敦文課長
 今の、子どもの関係はよろしいですか。
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Q.もう1点だけ、お願いします。40~43歳までの回数についてもご説明ください。
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〇厚労省子ども家庭局総務課・小澤時男課長
 40~43歳までについては、これまで3回、これについては3回までということになります。以上です。
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Q.ワクチン接種体制の整備・接種の実施で5736億円、ワクチン接種体制等の整備で5798億円となっていますが、その違い、差についてご説明下さい。
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〇厚生労働省大臣官房会計課・宮崎敦文課長
 では、続いてワクチン接種体制の整備、接種の実施の関係について健康局からお願いします。
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〇厚生労働省健康局総務課・竹林経治課長
 健康局の総務課長でございます。確かにワクチンの関係で2つの数字が入っているんですけれども、先ほど私、この中にシステムのお金も少し入っていると申し上げましたけれども、5798の方にはシステムの改修経費が入っております。

 なので、差分のうちの一部をそれが説明するということになりますが、その他、シリンジ注射器の確保のための経費が5798のほうには入っていて、5736億円のほうには入っていないので、それも差分を説明する要素になります。以上でございます。
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Q.健康保険組合等保険者機能の強化について、来年度予算ではなく、第3次補正予算に「65億円」を措置した理由、また根拠となる問題意識があれば教えて下さい。
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〇厚労省保険局総務課・須田俊孝課長
 ご質問いただきました健保組合への補正予算65億円について、ご説明をさせていただきます。

 こちらにつきましては、令和元年、2年、3年の3カ年で健保組合に係る保険者機能強化支援事業というのをやっております。

 それはご案内の方も多いかと思いますけれども、解散を選択する蓋然性の高い健保組合に対して、今申し上げた3カ年で事業実施計画を策定をさせて、必要な保健事業の実施などについての経費を助成する等々の事業を既にやっております。

 今回、65億円を措置をいたしましたのは、その3カ年の中でですね、3年度の、その前倒しも含めてなんですけれども、早め早めに必要な経費を健保組合に対して補助をして、必要な、こういうコロナ禍においても必要な保健事業をしっかり3カ年、取り組んでいただくというために補正予算を組んだものでございます。

 (中略)

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Q.資料10頁の処方箋電子化システムの関係で教えてください。概算要求にも盛り込まれていた項目だと思いますが、来年度予算を前倒しで補正予算に計上するということでよろしいでしょうか?
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〇厚労省医薬・生活衛生局・総務課・込山愛郎課長
 ご指摘のとおり、来年度の予算要求をしておりましたが、その前倒しということで補正のほうで計上していただけたということです。内容的には同じです。以上です。
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〇厚生労働省大臣官房会計課・宮崎敦文課長
 よろしいでしょうか。子ども局のレクのほうに移って、他の局については終了ということにさせていただきますが。

 個別のレクにつきましては、それぞれ各局のほうで対応いたしますので、よろしくお願いいたします。

 (いったん終了。15分後、子ども家庭局のブリーフィングへ)

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