厚労省保険局医療課の井内努課長は12月14日(月)、急きょオンラインで開催された中医協・薬価専門部会の冒頭で発言し、「財政当局との協議を続け、次回の中医協・薬価部会に2021年薬価改定の骨子案をご提示させていただきたい」と述べた。【新井 裕充】
井内課長の発言は以下のとおり。
〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は「2021年度薬価改定について」を議題といたします。
まず、事務局より説明があるとのことですので、お願いいたします。
では井内医療課長、お願いいたします。
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〇厚労省保険局医療課・井内努課長
はい。2021年度の薬価改定につきましては、平成28年の「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」におきまして、「価格乖離の大きな品目について薬価改定を行う」。
「平成29年の薬価制度の抜本改革について 骨子」におきまして、対象品目の範囲については、「国民負担の軽減の観点から、できる限り広くすることが適当」。
平成30年の骨太2018におきましては、「市場実勢価格の推移、薬価差の状況、医薬品卸・医療機関・薬局等の経営への影響等を把握した上で、2020年中にこれらを総合的に勘案して、決定する」。
令和2年の骨太方針2020におきましては、「新型コロナウイルス感染症による影響も勘案して、十分に検討し、決定する」などの方針が示されております。
その上で、12月2日の薬価専門部会でもご説明申し上げましたとおり、薬価改定プロセスに関するものも含めた関係者のご意見や、今回の薬価調査結果も踏まえつつ、中医協等において議論を進め、財政当局とも協議しながら、新型コロナウイルス感染症による影響も勘案して、予算編成におきまして十分に検討して決定していくということとさせていただいております。
中医協におきます議論では、「国民負担の軽減の観点、コロナを踏まえた経営影響の観点から、改定の対象範囲につきましては、今回は例年と異なる状況であることから対象品目を限定すべきであり、新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関等の経営への影響を最小限にするためにも、平均乖離率の2倍以上の品目を改定対象とすべき」といったご意見や、
4大臣合意にある価格乖離の大きな品目の捉え方の違いについて問題視をし、「平均乖離率の0.5倍や0.25倍など1倍以下の品目についても改定対象に加える必要があると考える」といったご意見も頂いているところでございます。
本日のご意見も含めまして、これまで中医協で頂いたご意見や、業界ヒアリングで頂いたご意見などを踏まえ、財政当局との協議を続け、次回の中医協・薬価部会におきまして「2021年薬価改定の骨子案」をご提示させていただきたいと考えております。
本日もご議論、よろしくお願いいたします。
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〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
はい、ありがとうございました。
それでは、2021年度薬価改定の議題について事務局より資料が提出されておりますので、説明のほうをお願いいたします。
では紀平薬剤管理官、お願いします。
(以下略)
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