厚生労働省は9月14日、中医協総会を持ち回り形式で開催し、「特定集中治療室管理料等が算定できない一般病棟における、呼吸不全状態となる中等症Ⅱ以上の臨床像の患者について、救急医療管理加算の5倍相当(4,750点)の加算を算定できることとしてはどうか」との提案が承認されたと発表した。【新井 裕充】
同日18時から報道関係者を対象に実施した記者ブリーフィングで、厚労省の担当者が説明した。
詳しくは以下のとおり。
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〇厚労省保険局医療課・荻田洋介課長補佐
大変お待たせしました。医療課の荻田でございます。
本日、中医協、持ち回り開催ということで、「新型コロナウイルス感染症患者の受入れに係る診療報酬上の特例的な対応について」ということで、諮らせていただきまして、先ほど「承認」という運びとなりましたので、その概要についてご説明するとともに、ご質問にお答えしていきたいと思います。
資料、それから「採決の結果」については、ホームページ上に掲載、先ほどされましたけれども、まだアップされてすぐということでございますので、
まずは簡単な内容のほうをご説明させていただき、その後、ご質問を頂きながら、という形で進めさせていただきたいと思います。
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〇厚労省保険局医療課・金光一瑛課長補佐
では、資料「総-1」を使って、今回の審議いただいた内容を簡単に、私、金光からご説明を差し上げます。
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資料の「(総-)1」の、ページ、4ページ以降をご覧ください。
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「新型コロナウイルス感染症へのさらなる対応について」ということで、5ページへお進みいただくと、「新型コロナウイルス感染症診療の手引きの重症度分類等について」ということのご紹介のページでございますが、
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こちら、9月4日が「第3版」ということで、最新版となっております。重症度分類4類型に区分されていて、
うち、「中等症」については、ⅠとⅡということで細分化されています。
呼吸不全等の症候を示す患者については、こちらの「中等症Ⅱ」ということで区分されていて、
「診療のポイント」をご覧いただくと分かるかと思うんですけれども、軽症患者、中等症患者と、それぞれ、それなりに慎重な観察、あと薬の投与というところが必要な中で、
「中等症Ⅰ」の患者への対応に加えて、「中等症Ⅱ」の患者においては酸素投与が必要で、動脈血液ガス分析検査でも呼吸不全の病態を評価したり、ステロイドやトシリズマブ投与も検討され、
また、敗血症やいろんな臓器の不全の併発というところにも留意が必要なために、いろんな画像検査をしたり、ということが必要となってまいります。
一番重症なところになると、ICUにおいて人工呼吸管理等が必要になる、そういうことになっております。
「本邦における入院を要したCOVID-19症例のレジストリ(2600例)によれば、酸素投与を要しない軽症例が62%、酸素投与を要した中等症が30%、人工呼吸管理やECMOによる集中治療を要した重症例は9%であった。」
ということになっています。
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7ページをご覧いただくと、実際に、病院へのヒアリング結果ということで、お示しをしていますが、
「入院中の患者のイメージ」ということで、「診療や巡回の頻度を増やして対応している」「個人防護具の脱着などの感染対策の対応が必要」ということになっていますが、
「中等症Ⅱ」になってくると、呼吸不全徴候ということですので、診療や巡回の頻度増に加えて、重症化の早期発見のための頻回の検査。
また、いったん人工呼吸器を離脱できたとしても、急速に再度病状が悪化するということがあるので、継続的なモニタリングと急変時の対応の準備が必要。
さらに、病態に合わせた迅速な治療方針の決定のために、複数医師による相談や多職種の連携が必要。
ということになっております。
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そこで8ページですが、これまで、特定集中治療室管理料等が算定できない一般病棟における中等症以上の新型コロナウイルス感染症患者については、救急医療管理加算の3倍相当の加算を算定できるようにし、
これらの中で、院内感染対策であるとか、診療巡回体制というところを評価してきたところでありますが、
今般、「中等症Ⅱ」ということの実態が分かってきたと。呼吸不全状態の患者さまに対して、その診療濃度、管理の実態を踏まえて、評価を見直す。
複数の診療領域の医師が協働して、様々なリスクに対応できるように診療を行う。
複数医師による相談や多職種の連携、継続的なモニタリング。
こういった実態を鑑みて、
「特定集中治療室管理料等が算定できない一般病棟における、呼吸不全状態となる中等症Ⅱ以上の臨床像の患者について、救急医療管理加算の5倍相当(4,750点)の加算を算定できることとしてはどうか。」
というふうに、ご提案を差し上げ、今回、ご承認いただいたというところです。
簡単ですが、私からの説明は以上です。
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〇厚労省保険局医療課・荻田洋介課長補佐
はい。それでは、ご質問のほう、あれば、(チャット画面に)打ち込む形でお願いします。
(以下略)
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