厚生労働省老健局老人保健課は6月1日、社会保障審議会(社保審)の介護給付費分科会(分科会長=田中滋・埼玉県立大学理事長)の第177回会合をオンライン形式で開催し、令和3年度介護報酬改定に向けて「地域包括ケアシステムの推進の論点」を示した。(新井裕充)
新型コロナウイルス感染症の影響で、約2カ月ぶりの開催となった。前回3月16日の会合では、令和3年度改定に向けた議論をスタートし、「介護報酬改定における主な論点(案)」をまとめている。
※ 3月16日の同分科会の「資料1」P138を基に編集部で作成
今回の会合では、この「論点(案)」に示された4つの検討項目のうち、「地域包括ケアシステムの推進」を取り上げ、各委員の意見を聴いた。
議論に先立ち、厚労省が同日の分科会に示した資料は118ページ。老人保健課の眞鍋馨課長が約20分間にわたって、これまでの経緯や今後の課題などについて説明した。
論点の記載は最終ページで、「在宅限界を高めるための在宅サービス等の在り方」などを挙げている。
眞鍋課長の説明は以下のとおり。なお、資料は厚労省の第177回介護給付費分科会のページの【資料3】をご覧いただきたい。
- 1.今後の高齢化等の状況について(P2)
- 2.多様なニーズに対応した介護の提供・整備について(P11)
- 3.介護保険制度等における対応(P26)
- 4.介護保険施設等における看取り等の状況(P43)
- 5.認知症の人への対応強化(P52)
- 6.平成30年度介護報酬改定等における対応(P62)
- 7.関連の指摘(P94)
- 8.論点(P116)
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〇田中滋分科会長(埼玉県立大学理事長)
(前略) 次に、議題2に移ります。議題2「令和3年度介護報酬改定に向けて(地域包括ケアシステムの推進)」、これに関する説明を事務局からお願いいたします。
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〇厚労省老健局老人保健課・眞鍋馨課長
はい、老人保健課長でございます。それでは、資料3につきまして、私のほうからご説明をさせていただきます。これも資料、大部でございますけれども、なるべくポイントを絞ってご説明をさせていただきます。
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まず、1コマ目でありますけれども、こちらは前回3月16日に開催させていただきました分科会でお示ししたものでございます。
その中で、平成30年度の介護報酬改定後の状況も踏まえまして、その下にあります4つのポツ、
・ 地域包括ケアシステムの推進
・ 自立支援・重度化防止の推進
・ 介護人材の確保・介護現場の革新
・ 制度の安定性・持続可能性の確保
こういった中で、4本の柱でまずご議論をいただこうということで、一定の合意をいただいたものでございます。
その中で、今日はこの「地域包括ケアシステム推進」ということで資料を用意させていただきました。
Contents
1.今後の高齢化等の状況について(P2)
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おめくりいただきまして3コマ目、こちらは「総人口の推移」ということでございまして、今後、高齢者の占める割合が高くなるということでございます。
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次、4コマ目でございますけれども、こちらは「今後の介護保険をとりまく状況」におきまして、高齢者数でございますが、2025年には3,677万人、2042年にはピークを迎える予想となっているところでございます。
その中でも、認知症高齢者が増加していくということが予想されます。
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5コマ目でございますが、こちらは「75歳以上の人口の推移」、「85歳以上の人口の推移」ということでございまして、
今後、85歳以上人口が急激に伸びていくということが予想されているところでございます。
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6コマ目でございます。こちらは年齢別のですね、認知症の要介護認定率、あ、失礼しました、「年齢階級別の要介護認定率」でございまして、
左側のグラフにございますように、85歳以上の認定率になりますと6割を超えると、こういう状況になっているところでございます。
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一方で、7コマ目でございますけれども、こちらは人口構造の推移を見ますと、2025年以降、高齢者の急増から現役世代が減っていくという時代に入っていくということでございます。
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8コマ目でありますけれども、こちらは医療費でございます。1人当たり医療費は高齢になるにつれて増加をするということ。
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そして、9コマ目でございますけれども、今後も年間の死亡数は増加傾向を示すということでございます。
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そして、10コマ目でございますけれども、これは「死亡場所の推移」ということでございます。
アンケートによりますと、自宅で最期を迎えたいという希望が半分強ということでございますけれども、
その右側に「死亡の場所の推移」ということで、今、病院、医療機関での死亡ということが少なくなった、若干、割合が減ってきておりますが、そこは実は老人ホームによる死亡の割合が増えてきているというところで、そういったことが見て取れるわけでございます。
2.多様なニーズに対応した介護の提供・整備について(P11)
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次、12コマ目でございます。こちらは「多様なニーズに対応した介護の提供・整備」で、
今あるサービス体系を概説するものでございますけれども、12コマ目が、この俵です。
上が「介護給付を行うサービス」、下が「予防給付を行うサービス」でございます。
このようにサービスが多様化してございますけれども、その歴史を示したものが13コマ目、14コマ目でございます。
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平成12年に第1期の介護保険制度が施行されてスタートしたわけでございますけれども、
18年から介護予防給付、地域支援事業などが入ってきてございます。
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次、14コマ目でございますけれども、その後、第4期、第5期、第6期というところで、どのようなサービスが入ってきたかということを表にしてまとめてございます。
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15コマ目でございますけれども、こちらは、いわゆる介護保険施設。介護老人福祉施設、老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設のそれぞれの比較表として、お示ししたものでございます。
介護老人福祉施設は生活施設であり、介護老人保健施設は在宅復帰を目指し在宅療養支援を行う施設。介護医療院は長期療養・生活施設。介護療養型医療施設は長期療養施設というふうな性格でございます。
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16コマ目が、こちらが、ほかの居住系サービスの根拠ですとか、どういう基準かということをお示しするものでございます。
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17コマ目でございますが、これは「高齢者向け住まい・施設の利用者数」でございまして、
最も多いのは、これは定員数でございますけれども、利用者の数でございますが、失礼しました、利用者の数でございますけれども、
介護老人福祉施設、伸びてきているのが次の有料老人ホームということでございます。
そのほかにも、最近、伸びが著しいというか、急速に伸びてきているのがサービス付き高齢者住宅でございます。
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18コマ目に行かせていただきまして、こちらは「サービス類型別の利用者割合」でございまして、年齢階級別にどんなサービスを使っているか、というようなことでございますけれども、
85歳以上になりますと、介護保険サービスを使う方々の割合が高くなってきているということでございます。
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19コマ目でございますが、施設サービス、上から「訪問型サービス」「通所系サービス」、並べてございますけれども、
その利用者の要介護度別の状況を見たものでございます。
見ていただきますと、施設サービスにおきまして、要介護3・4・5というふうな割合の方々が、割合が高くなっているということでございます。
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20コマ目でございますが、これは訪問型のサービスで、要介護度別に見たものでございますが、
訪問入浴介護は、要介護5の方が半分程度ということで、重い方が利用してらっしゃるということでございます。
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21コマ目から24コマ目、25コマ目は飛ばさせていただきます。
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3.介護保険制度等における対応(P26)
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次、26コマ目以降でございますけれども、「介護保険制度における対応」ということでございます。
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27コマ目に、私どもがよく使います「地域包括ケアシステム」の図を入れさせていただいております。
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そして、28コマ目でありますけれども、「地域共生社会と地域包括ケアシステムの関係について」ということでございまして、
折しも今、国会で地域共生社会に関する法案をご審議いただいておりますが、これは前回の介護報酬改定で、この分科会で田中分科会長がご発言されたものを、その抜粋したものでございますけれども、
地域共生社会と地域包括ケアの関係について端的にご発言いただいているところを抜粋してまいりました。
「地域共生社会は理念ステートメントであって、分析概念というよりは上位の理念です」ということでございます。
また、「地域包括ケアシステムは、例えば地域包括ケア会議とか地域マネジメントなど、具体的な中身を伴っている仕組みの話なのです」ということでございました。
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29コマ目以降、3コマ、こちらは介護保険法を抜粋しております。29コマ目、第1条ということで、介護保険法の理念、目的でございます。
尊厳の保持、そして、まずは自立支援というふうなことが書かれてございます。
そして第2条におきましては、「保険給付は、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない」というようなことが規定されているところでございますし、
4項におきましては、「可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない」。
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30コマ目でございますけれども、こちらは「国民の努力及び義務」ということでございますけれども、
自ら健康の保持増進に努める。そして、「要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用する」ということで、「その有する能力の維持向上に努めるものとする」ということでございます。
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そして、また31コマ目は、こちらは「認知症に関する施策の総合的な推進等」が規定されているものでございます。
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32コマ目が、これ、介護保険事業計画について、定めをお示ししたものでございます。
3年を1期とする介護保険事業計画が規定されてございます。
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その中で、33コマ目にありますような第7期のサービス量の見込みが規定されているところでございます。
こちらは保険者たる市町村が計画を作成していただいたものを積み上げ、ということでございます。
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そして、34コマ目でございますけれども、これは今年の2月に行われました介護保険部会の資料でございますけれども、
その中で、第8期に向けまして介護保険事業計画、支援計画の基本的な指針をお示ししたところでございます。
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その計画等に関しまして、35コマ目が医療・介護連携推進事業でございます。
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また、36コマ目には昨年おまとめいただきました「介護保険制度見直しに関する意見」の抜粋部分でお示ししております。
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ここから3枚は、人生の最終段階における医療・ケアの普及啓発の在り方に関する資料でございまして、参考までにお示しをさせていただいております。
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40コマ目以降が地域医療介護総合確保基金の話でございます。非常に大きい額の基金でございます。
令和2年度の予算で、公費で2,000億超となっているところでございます。
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その中で、41コマ目でございますけれども、これは「施設整備分」ということで、1ポツ、2ポツ、3ポツのようなことをメニューとして入れてあります。
・地域密着型サービス施設等の整備への助成
・介護施設の開設準備経費等への支援
・特養多床室のプライバシー保護のための改修等による介護サービスの改善
などでございます。
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4.介護保険施設等における看取り等の状況(P43)
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43コマ目以降でございます。「看取り等の状況」ということでございますけれども。
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44コマ目が入所・退所の状況でございまして、いわゆる3施設に関しまして、それぞれどのような転帰をたどってらっしゃるか、その対象がどのようなところかと。
介護老人福祉施設では、例えば67.5%がお亡くなりになって退所になっていると。
介護老人保健施設は12.0%がお亡くなりになって退所になっているということでございました。
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次のスライドは飛ばさせていただきまして、
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46コマ目が「介護老人福祉施設における看取り」ということでございます。
その右側にありますように、施設の看取りの方針として、「希望があれば、施設内で看取る」という所が非常に大宗を占めている、ということでございました。
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47コマは、これは老健の状況でございます。こちらは在宅復帰率と、それから施設内看取りの関係を示したものであります。
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そして、48コマ目が、こちら、「高齢者向け住まいにおける看取りの状況」でありました。
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次、49コマ目は飛ばさせていただきまして、
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看多機、先ほどの調査研究事業の中にもありましたけれども、看多機では事業所内でお亡くなりになる方が多いということでございます。
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51コマ目は、老健事業でも各種調査をしております、というご報告であります。
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5.認知症の人への対応強化(P52)
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52コマ目以降が「認知症の人への対応強化」ということでございます。
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53コマ目の上の四角の下側の丸でございますけれども、昨年令和元年の6月18日に「認知症施策推進大綱」が取りまとめられてございます。
これは「認知症施策推進関係閣僚会議」による決定事項ということでございます。
その下に「基本的考え方」という青い線で囲まれた中にございますとおりで、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進していくと。
で、右下にあるように①から⑤を行っていくというふうなことが柱となっているところでございます。
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その大綱の要点の抜粋を54コマ目、55コマ目に付けさせていただいておりまして、
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そのほか、認知症カフェの取組、56ページでございます。
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市町村における「認知症サポーター活動促進・地域づくり推進事業」の創設も行っております。
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また、58コマ目、59コマ目でございますけれども、認知症の方への就労的活動の普及に向けて、そして対応力を向上するための取組の推進、こういったことをやらせていただいております。
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また、後ほど松田(晋哉)委員(産業医科大教授)から、こちらのご発言を頂ければと思いますけれども、「認知症患者へのケアにおける現状・課題」ということでありまして。
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例えば、61コマ目でありますけれども、これは認知症の方の手すりの利用は、認知症の方はなぜか手すりを利用する方が低くなっているというふうな、そういったデータもあるということでございました。
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6.平成30年度介護報酬改定等における対応(P62)
▼ 当日の資料では、タイトルの番号が『5』となっているが、正しくは『6』であると思われる。
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次、62コマ目以降で、5ポツ、平成30年度の介護報酬改定における対応、どのようなことをやったかということでございます。
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63コマ目は、4つの柱で行いましたということを書いておりまして、
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その中で、64コマ目以降、各施設、サービスにつきまして改定を行った内容が書かれております。
例えば64コマ目でしたら、ターミナルの評価を行いましたということでございます。
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66コマ目でありますけれども、こちらは居宅介護支援。
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そして67コマ目は、介護老人福祉施設におきまして医師との連携ですとか、あるいはターミナルの推進というふうな評価を行っているということでございます。
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68コマ目は、これは老人保健施設の、こちらの報酬体系でございますけれども、従来3段階のものを5段階にして、「在宅強化型」「超強化型」と。
非常に在宅復帰に着目した高い評価を創設したというものでございます。
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そして、69コマ目でありますけれども、こちらは医療機関との連携により積極的に取り組むケアマネ事業所について評価をしたものでございます。
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次、(70コマ目と)71コマ目でありますけれども、リハビリテーションであります。
ハビリテーションに関しましては、医療から介護への円滑な移行を図るということで、
例えば、その計画書の様式を互換性を持ったものにするというようなことがなされております。
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72コマ目は、これまで申し上げたようなもの。
そしてまた、前回改定で医療と介護で連携したということでございますけれども、真ん中の、病院を挟むような形でケアマネさんから情報提供が行き、また退院されたあとも介護施設、介護サービスの利用に円滑につながるようにということを1枚の絵にしたものでございます。
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そして、73コマ目以降、中重度者への対応や看取りに関する主な加算、そして、その算定状況でございます。
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76、77コマ目、これは介護医療院に関するものでございまして、これは公表してございますが、
77コマ目には、こちら今年3月末時点の介護医療院の開設数が343施設、2万1,738療養床であったということでございます。
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次、78コマ目、79コマ目。これは居宅介護支援専門員、こちらはケアマネ事業所のですね、主任ケアマネージャーであることを要件とした改定を行ったということでございますけれども、
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79コマ目は、これは昨年の12月に審議報告をいただきましたが、その経過措置を6年延ばすということでお決めいただいたものでございます。
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80コマ目が「認知症の人への対応の強化」。
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そして、81コマ目がその方々に応じた適時・適切な医療・介護等の提供に関する、そういういくつかの介護報酬上の対応を行いましたということでお示しするものでございます。
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そして、82コマ目以降が認知症関連加算の算定状況でございます。
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次に、85コマ目に行かせていただきまして、これは口腔衛生管理の充実と栄養関係の講習でございます。
ここにございますとおり、各介護サービスにおける口腔衛生管理、充実、そして栄養改善の取組を推進を図るような単位数が設定をされてございます。
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少し飛ばさせていただきまして87コマ目でございますけれども、こちらは「共生型サービスの推進」ということでございまして、
例えば、療養通所介護事業所におきまして、障害福祉サービス等である重症心身障害児(者)を通わせる児童発達支援等を実施している事業所ということを踏まえて定員数を引き上げる、こういったことをしてございます。
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また、対象サービスとしては88ページにあるようなサービスが対象となっているところでございまして、
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実際に請求事業所数は、89コマ目にありますような請求事業所数となってございます。
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次に、90コマ目、そして91コマ目、これは診療報酬の話でございます。
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91コマ目、これは今年度からスタートしております新しい診療報酬ですが、今回の診療報酬改定はローマ数字のⅠ、Ⅱがございまして、
Ⅰ、医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革」が一丁目一番地に来た改定となりました。
そして、右側にⅢとありますが、ここに「医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」ということが掲げられているところでございます。
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その中でも、92ページ、93ページにありますように、認知症対策の充実が図られたということをご紹介させていただきます。
7.関連の指摘(P94)
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▼ 当日の資料では、タイトルの番号が『6』となっているが、正しくは『7』であると思われる。
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そして、そのあと、「関連の指摘」を94コマ目以降に掲載させていただいております。
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95コマ目が、いわゆる骨太の方針でございまして、昨年6月に閣議決定されました骨太の方針で、下線を引いておりますが、
「病床の転換」、そして「介護医療院への移行等が着実に進むよう」というふうなことが書かれております。
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96コマ目でありますけれども、こちらは成長戦略のフォローアップでございますけれども、
こちら認知症に係る記載もございまして、「共生」と「予防」を柱とした総合的な認知症施策を進めていくということでございます。
そのあとは工程表が付いてございます。
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はい。そして、そのあと100ページ以降が、こちらが、前回の審議報告における「今後の課題」を抜粋してございますが、ここは割愛させていただきます。
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102コマ目以降、こちらは昨年の介護保険部会でおまとめいただきました「(介護保険制度の)見直しに関する意見」の概要でございます。参考までに付けさせていただいておりまして、
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その関係部分を105コマ目以降、順次掲載させていただいております。
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駆け足ですが、最後のほうに行かせていただきます。
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111コマ目でありますけれども、こちらは3月の分科会で頂いた主な意見をご紹介するものでございます。
例えば、「地域包括ケアシステムの推進」であれば、
「尊厳の保持と自立支援という介護保険の原点に立ち、利用者視点の議論が必要。加算の在り方についても、加算の算定を目的とするのではなく、本人の自立や尊厳の保持にどのように繋がっているかという視点で検討が必要ではないか」
以下、ここに掲げてあるような意見がございました。
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次、112ページ、「自立支援・重度化防止」では、
「科学的介護、アウトカム評価が重点課題となる中、CHASEやバーセルインデックスを活用し、これらをいかに推進するか、踏み込んだ加算の創設が必要ではないか」
をはじめ、以下にあるようなご批判を頂いてございます。
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113ページでありますけれども、こちらは「介護人材の確保・介護現場の革新」ということでございまして、
「今後の後期高齢者の急増と生産年齢人口の急減に対応した見直しを行う必要があるのではないか」
ということでございます。
また、ここで一番下の丸でございますけれども、
「施設における感染症対策について」ということで、「日頃からの感染防止対策に関する取組が重要であり、看護職を活用しながら、体制整備や研修等に事業所や施設が取り組むことができるよう、報酬体系の整理が必要ではないか」
という意見も頂いております。
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114コマ目に行かせていただきます。それの続きでございました。
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115コマ目でありますけれども、「制度の安定性・持続可能性の確保」ということでございまして、
1つ目の丸でございますが、「介護サービスの適正化、重点化を図る前提として、
サービスの質に影響が出ていないかを確認する必要がある」のではないか、という意見もあったところでございます。
8.論点(P116)
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▼ 当日の資料では、タイトルの番号が『7』となっているが、正しくは『8』であると思われる。
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論点でございます。117ページ、118ページに2つにまとまってございますけれども、この黒い四角は、これまでを申し上げてきたことを、そのまま要点をまとめたものでございますけれども、
論点に進ませていただきまして、118ページの、この下の2つの四角でございます。
今後、生産年齢人口が減少する中にあっても、中重度の高齢者や医療・介護双方のニーズがある高齢者に対し、尊厳の保持や自立支援等の介護保険制度の趣旨も踏まえ、必要なサービスが切れ目なく提供されるよう、地域の医療・介護関係者が連携を進め、取組を進めていくことが求められるが、
・ 在宅で生活する者の在宅限界を高めるための在宅サービス等の在り方
・ これまでも取組を進めてきた介護保険施設での対応の在り方に加え、高齢者向け住まいにおける更なる対応の在り方
・人生の最終段階においても本人の意思に沿ったケアが行われること
等の観点も踏まえ、どのような方策が考えられるか。
また、昨年6月に、共生と予防を車の両輪として施策を推進する「認知症施策推進大綱」がとりまとめられ、その柱として「医療・ケア・介護サービス・介護者への支援」が盛り込まれていることを踏まえ、在宅の中重度の要介護者を含め、認知症への対応力を向上するための取組等について、どのような方策が考えられるか。
というふうな論点とさせていただいております。「資料3」の説明は以上でございます。
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〇田中滋分科会長(埼玉県立大学理事長)
はい、ありがとうございました。
続いて議題3、福祉用具貸与価格の上限設定について、高齢者支援課長から説明をお願いします。
(以下略)