2020年度改定に向け「個別事項(その1)」を示す〔②医薬品〕 ── 9月18日の中医協総会

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 厚生労働省は9月18日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=田辺国昭・東大大学院法学政治学研究科教授)の総会を開き、2020年度診療報酬改定に向けて「個別事項(その1)」と題する92ページの資料を示した。前半の「リハビリテーション」の説明は既にお伝えした。本稿では、後半41ページ以降の「医薬品の効率的かつ有効・安全な使用」に関する説明部分をお伝えする。【新井裕充】
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 「医薬品の効率的かつ有効・安全な使用」が議題に挙がったのは、6月26日の総会に続いて2回目となる。今回は前回よりも範囲を絞り込んで、(1)重複投薬 (2)入院時のポリファーマシー対策(退院時の連携) (3)バイオ後続品──の3項目について、それぞれ論点を示した。

 このうち(1)では、重複投薬の解消に向けて医療機関、保険者、薬局などのそれぞれの取組を紹介した上で、「連携について、評価することを検討してはどうか」との論点を示した。

 (2)では、ポリファーマシー解消に向けて医師と薬剤師が連携する東大病院の取組や、多職種が連携する国立長寿医療研究センターの取組などを紹介。論点として、「減薬の結果だけでなく、総合評価し調整する取組自体について、評価することを検討してはどうか」「医療機関から薬局への情報提供を行う取組について、評価することを検討してはどうか」などを挙げた。

 (3)では、まずバイオ後続品の使用により薬剤費が軽減されるメリットなどを紹介した。続いて、バイオ後続品の使用を進めていくために認知度を高めていくことや、医師が説明する機会を増やしていく必要性などを指摘した上で論点を提示。「バイオ後続品を知らない患者にバイオ後続品を推奨する際の情報提供」「バイオ後続品に切り替える場合の患者への説明や症状の観察」を挙げ、「評価することを検討してはどうか」と提案した。

 資料の説明は、厚労省保険局医療課の森光敬子課長が担当した。詳しくは、以下のとおり。

 ※ 前半の「リハビリテーション」については、こちらをご覧いただきたい。

● 登録読者には、独自に作成した議事録(非公式)をお送りしています。
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20190918中医協総会

 

説明 ──(1)重複投薬

41_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

〇厚労省保険局医療課・森光敬子課長
 (前略) 続きまして、「医薬品の効率的かつ有効・安全な使用について」ということで、ご説明をさせていただきます。今回、3つのテーマを用意しております。
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42_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 1つは重複投薬、2つ目が入院時のポリファーマシー対策、3つ目がバイオ後続品ということでございます。

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43_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 まず、重複投薬につきましてでございますけれども、43コマ目、44コマ目ですが、以前からお示しさせていただきますとおり、高齢化するとともに使用している薬剤数が増えております。
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44_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 また、44コマ目を見ていただきますと、高齢者ではどうしても複数の医療機関を受診している割合が多いという状況も報告をされております。
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45_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 45コマ目でございますけれども、さらに、受診する医療機関が増えるほど来局する薬局数も増えるという傾向にございます。そこで赤の枠囲いの中を見ていただきますと、医療機関を5箇所以上受診される方では3箇所以上の薬局に行かれる方が40%を超えるといったデータも示されております。

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46_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 これらに対しまして46コマ目を見ていただきますと、保健事業等においてですね、対策を今、立てておる所もあるというふうに聞いております。各保険者でレセプト情報を分析いたしまして、重複投薬等の解消に向けました取組を行っていくということがございます。

 左のパターンは、保険者からお知らせ文書が患者に郵送されるパターンで、患者は薬局や医療機関にご相談をするということになっております。また右のパターンは、保健師などが直接指導を行うといった介入もなされているというところでございます。

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47_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 47コマ目は、これは取組ということで、さいたま市と福岡市の例を提示させていただいております。さいたま市と福岡市においては、レセプト分析の結果で、どういった成分や薬効分類で重複が疑われる事例が生じていたかというのがまとめられております。

 (さいたま市では)同一月に同一成分の内服薬が14日以上処方されていたものを「重複」と定義いたしまして整理をしましたところ、消化性潰瘍、催眠剤、それから解熱鎮痛薬の成分である医薬品が上位となっております。

 また、福岡市では同一月に同一成分〔ママ〕の医薬品が2種類以上処方されているものを「重複」と定義をいたしまして、6カ月の延べ数でカウントいたしますと、解熱鎮痛薬、それから消化性潰瘍薬、催眠鎮静剤が上位であるということでご報告を頂いているところでございます。
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48_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 また、これは保険者の取組でございますが、医療側の取組といたしましても、例えばこれから紹介させていただきますが、お薬手帳などを活用してこれまで対策を取ってきたということでございます。

 お薬手帳につきましては、赤枠の中にありますように複数の医療機関や薬局を利用する際にお薬手帳を提示することによりまして、相互作用や重複投与を防ぐということが基本になるものでございます。
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49_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 49コマ目。お薬手帳の活用状況を示しておるところでございまして、患者調査では9割以上の患者さんがお薬手帳を持っていらっしゃいますが、そのうち8割の患者さんが薬局では提示をされております。毎回、提示をされております。

 一方、医療機関では毎回提示というのは約25%。「時々、見せる」を含めると55%ぐらいというふうになっております。
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50_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 50コマ目には、お薬手帳を用いた重複投薬の確認の具体例につきまして、そこに示させていただいております。この、お薬手帳を用いた重複投薬の確認を行う際の注意が必要な点につきまして、まとめたものでございます。

 例えば、ということで、そこに「患者例」ということで示させていただきました神経性疼痛、高血圧、狭心症で定期的に受診されているような患者さんが急性咽頭炎で受診された場合、どういうふうに確認するかということで具体例で示させていただきます。

 例えば、1つ目の注意点でございますが、赤い矢印で示しておりますとおり、複数のページを遡って確認することが必要な場合があるという例でございます。

 赤の矢印の部分でございますが、例えばA病院の整形外科で60日分のロキソプロフェン、いわゆるロキソニンでございますが、処方されておりまして、その後、今回の受診である急性咽頭炎でもロキソプロフェンが出ており、同一成分が重複しているということでございます。

 これにつきましては、例えばA病院の処方日数が比較的長いので、数ページ前までめくって確認する必要があります
。2つ目は、例えば、ということで重複投薬かどうかの判断に確認が必要となる。処方の背景の確認が必要となる、というようなものでございます。それが青い矢印で示しております。

 ジルチアゼム、アムロジピンはいずれもカルシウムの拮抗薬でございますけれども、これにつきましては高血圧症と狭心症の別々の目的で処方される場合がありまして、このような事例につきましては、重複で投薬されているのかどうかという判断につきましては、それぞれ処方された医療機関等に確認をして、その患者さんにも確認をするというような確認が必要になってくるということでございます。その両方を使用するということも患者さんの病状によってはあるということで、そういう確認が必要となるということでございます。
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51_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 続きまして、51コマ目でございます。これは主治医機能を評価したものとして地域包括診療料や加算がございます。これらの算定につきましては、施設基準がそこに書いてありますように、赤字でありますように、通院医療機関や処方薬を全て管理するといったようなことが求められているものでございます。
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52_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918
53_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 52コマ目、53コマ目はそれぞれ今の算定の状況ということになっておりまして、まず医療機関では1割から2割程度の医療機関が届出をしているという状況でございます。
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54_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 54コマ目を見ていただければと思います。これは地域包括診療料等の算定患者さんにつきまして、定期的に連絡を取っていらっしゃる医療機関の数がどれくらいかというふうにお尋ねをしたものでございます。

 およそ平均値で2ということで、毎月2つの医療機関については連絡を取っている。また、薬局については1.4から2.5カ所の薬局に対して連絡を取っているというようなご報告を頂いております。
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55_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 また、55コマ目を見ていただきますと、これらの確認というところでございますが、「診療所において負担の大きな業務」という所でありますが、一番上は「24時間対応」ということですが、2番目、3番目を見ていただきますと、「患者に処方されているすべての医薬品の管理」、それから「患者が受診しているすべての医療機関の把握」といったところが非常に診療所の負担になっているというところが分かるかと思います。
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56_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 続きまして56コマ目ですが、今度は薬局側の取組ということでございますが、これは、薬局については、かかりつけ薬剤師が服薬状況を一元的・継続的に把握するということが期待されているというところでございます。
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57_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 ただ、57コマ目を見ていただきますと、「かかりつけ薬剤師指導料」の算定回数、算定薬局数というのは最近では横ばいとなっております。平成30年11月の、そのデータでございますけれども、全処方の約1.5%で算定されているという状況であることが報告をされております。
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58_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 58コマ目でございますけれども、30年の診療報酬改定では「薬局における対人業務の評価の充実」ということで、重複投薬の解消を含む医師への照会ということにつきましては「重複投薬・相互作用等防止加算」で評価するということで、残薬調整の場合は30点、それ以外の例えば重複投薬等の問い合わせについては40点ということで、新たに分けて算定する評価を行ったということでございます。
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59_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 59コマ目でございますが、その「重複投薬・相互作用等防止加算」の算定回数は左のグラフになっております。平成30年のデータでは、ひと月あたりの残薬調整が約21万回、それ以外は約18万回ということで問い合わせされているということが、実績が上がっているということでございます。

 これらを踏まえまして論点の整理ということで、そこにありますとおり、
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60_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 複数の医療機関を受診する患者では重複投薬への注意が必要であり、医療機関や薬局において重複投薬の解消に向けた取組が進められてきたところでございます。

 この重複投薬の解消に向けて、この取組をさらに進める上では、服用薬剤の把握や処方薬の総合的な評価・調整が重要でございますが、これらを円滑に行うための対応や連携について、さらに評価していくということを検討してはどうか、ということでございます。

説明 ──(2)入院時のポリファーマシー対策(退院時の連携)

61_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 続きまして、お薬の関係でございます。これは「入院時のポリファーマシー対策」ということで整理をしたものでございます。
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62_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 62コマ目、これは以前、中医協で示させていただきましたスライドでございますが、ポリファーマシーの現状につきましてまとめたものでございます。
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63_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 63コマ目。これは「第1ラウンド」の概要の抜粋でございます。赤線にありますとおり、入院時については、入院時におけるポリファーマシーへの取組として医療機関では多職種が時間をかけて対応をしております。中でも、病院薬剤師の役割は重要であるというようなご意見を頂いておるところでございます。
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64_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 64コマ目を見ていただければと思います。「入院、外来、在宅医療における特徴」ということでまとめたものでございます。「入院、外来、在宅医療における処方の特徴」というところでまとめておりますが、青い枠の部分を見ていただければと思います。

 入院中は処方を一元的に管理することができまして、また処方変更後の患者の状態を多職種で確認をするということが可能である、これに特徴がございます。

 一方、入院から外来や在宅への移行時、右の端でございますが、(外来や在宅医療)への移行時には退院時カンファレンスや診療情報提供書等により薬剤の変更の理由、それから変更後の状態等をかかりつけ医や薬剤師への引き継ぎ、これが非常に重要であるというふうにされておるところでございます。
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65_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 続きまして、65コマ目でございます。これは「医療機関における減薬に関する取組の評価」ということで、入院患者は赤枠で書いてありますように、6種類以上の内服薬が2種類以上減薬した場合を診療(報酬)上、評価をしておりまして、退院時に1回算定するということになっております。

 入院患者の算定回数というのは下の表の赤枠部分でございまして、数は少ないんですけれども、少し増加してきているというのが見えるかと思います。
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66_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 66コマ目。これは東京大学医学部附属病院でのポリファーマシー解消に向けた取組例を示しているところでございます。病院での具体的な取組について「第1ラウンド」で紹介した事例を、新たに情報を一部追加をして説明をさせていただきます。

 東大病院では、入院時に持参薬評価のテンプレート、これをもちまして薬剤師が7つの評価基準、そこにありますようにオレンジのラインでくくったところでございますが、7つの評価基準でスクリーニングを行った上で、医師が薬剤調整を検討しているということでございます。

 スクリーニングの評価項目の②にあるとおり、スクリーニング時には学会の指針、高齢者の安全な薬物療法ガイドライン等を使用して、この評価を行っているということでございます。
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67_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 67コマ目でございますが、これは取組の結果でございます。薬剤師がスクリーニングを行い、医師が処方薬剤の調整を検討すると、スクリーニングを行わない群と比較いたしまして退院時の薬剤数が減少したという成果が上がっております。2剤以上の減少率がスクリーニングを行った場合の約45%ということになっております。
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68_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 68コマ目を見ていただきますと、先ほどありましたようにポリファーマシーの防止のために活用されている指針というのが、例えば、ということでそこに4つ挙げさせていただいております。

 米国、欧州、日本でそれぞれ作成をされております。また、厚生労働省としても「高齢者の医薬品適正使用の指針」というのも出させていただいております。

 今、ご紹介をいたしました東大の例では、使用されているのは、この3つ目の老年医学会で作成されたものを扱われているということでございます。
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69_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 続きまして69コマ目。これは長寿医療センターにおける事例でございます。長寿医療センターでは、医師、薬剤師、看護師等の多職種チームで対応を行っているということでございまして、同じように患者のスクリーニング後に情報を収集し、多職種でのカンファレンスを行って処方医にフィードバックするという流れで対応をしておるということでございます。
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70_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 70コマ目は、このポリファーマシーのチーム、それぞれの各職種の役割をまとめたものでございます。医師は処方に対する包括的な対応、他の診療科との連携、退院先との連携などを行っております。

 薬剤師は患者のスクリーニング、患者面談による薬物有害事象の評価、減薬後の経過観察、退院時の情報提供というのを行っている。

 看護師は生活環境、社会的背景など患者の生活に密接した関わり、有害事象に関するバイタルサインの確認などを行っているということで、多職種でチームをつくっているということでございます。
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 71コマ目は、この成果でございます。退院時の処方薬剤数、服用回数の減少幅が大きくなっていることが分かるかと思います。

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 72コマ目でございますが、このポリファーマシーの解消に向けて地域への情報提供ということでございます。長寿医療センターでは、医療機関に対しては診療情報提供書を、患者や薬局に対しては退院時の薬物療法サマリーをそれぞれ活用し、変更した薬剤や変更理由の情報提供を行っている。

 そこの赤い点線で書かれていますように、例えば「変更理由」の所に「低血圧と食欲不振が薬物によるものと考え、アムロジピンとアモバン錠を中止した。経過観察を行い良好であった」といったような記載をして送って出しているということでございます。
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73_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 続きまして、73コマ目は退院時の薬剤情報の提供に関しての診療報酬上の評価をまとめたものでございます。医療機関の間での情報共有というものについては、診療情報提供料で評価をされております。また、在宅に移行される場合については薬局への情報提供も同じく診療情報提供料で評価されている。

 一方、退院時の薬剤管理指導料については、お薬手帳に必要な事項の記載を行うものの、情報提供を薬局に直接行うということを想定したものではございませんで、これについては評価がないということでございます。

 74コマ目に、この入院時のポリファーマシー対策に関する論点ということで整理をさせていただいております。
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74_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 まず入院時は、処方の一元的な管理や処方変更後の患者の状態の確認が可能であり、処方薬剤の総合調整の好機でございます。

 2種類以上の減薬が行われた場合について評価をしておりますが、入院中の処方の総合調整の取組をさらに推進する観点から、減薬の結果だけではなく、総合評価し、調整する取組自体について、評価することを検討してはどうか。

 2つ目ですが、退院時に処方薬の変更や中止の理由等を地域で共有する取組を推進するため、医療機関から薬局への情報提供を行う取組について評価することを検討してはどうか、という2つの論点を示させていただいております。

説明 ──(3)バイオ後続品

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 続きまして、バイオ後続品についてでございます。
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 76コマ目を見ていただきますと、バイオ後続品のまず定義でございます。先行バイオ医薬品と同等、同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品でございます。

 下の囲みにありますように「同等/同質」というのは全く同一ということを意味するのではありませんが、品質特性に何らかの差異があったとしても、安全性や有効性に有害な影響を及ぼさないと科学的に判断できることを意味してございます。
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 77コマ目は、現在、薬価収載されておりますバイオ後続品の一覧でございます。現在、9種類。長期間の投与が必要となる薬剤が多いということが分かるかと思います。

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78_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 78コマ目は、先行バイオ医薬品とバイオ後続品の薬価の一覧でございます。バイオ後続品を先行バイオ医薬品と比較いたしまして、4割から7割程度の薬価が付いているということが分かるかと思います。

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79_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 79コマ目は、バイオ後続品を使用した場合の薬剤費の軽減の試算でございます。例えば、インスリンでは月1,000円程度、エタナルセプトでは月5万円程度の軽減がされることになります。自己負担については、これの3割程度が軽減されるということになっております。
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80_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 80コマ目を見ていただきますと、これは平成28年度に調査しましたバイオ後続品の使用割合。処置料に包括される薬剤については含まれないということに、ちょっとご留意をいただきたいと思います。

 そうしますと、エポエチン、フィルグラスチムにつきましては60%を超える割合になっておりますが、それ以外については普及はなかなか進んでいないというのが見えるかと思います。

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81_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 81コマ目が、バイオ後続品の使用割合の推移を示しております。平成28年度の上半期から平成30年度の下半期までのバイオ後続品の使用割合の推移を示しています。

 製品によって、ばらつきがございますが増加傾向ではあります。ただ、入院ではインスリングラルギン、入院外ではフィルグラスチム、調剤ではインスリングラルギン、フィルグラスチムの後続品使用割合が8割程度ということで、最も高いということでございます。

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82_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 82コマ目を見ていただきますと、バイオ後続品の備蓄状況でございます。約半数の医療機関でバイオ後続品の備蓄をしておりますけれども、薬局では約3割程度で備蓄ということになっております。

 また、そこにありますようにDPCの包括となります、DPC対象病院では相対的に備蓄している割合が高いと、また品目数も多いという報告を頂いておるところでございます。

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83_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 83コマ目でございます。これはバイオ後続品のあるバイオ医薬品が対象薬剤となっている診療報酬点数を掲示したものでございます。

 「在宅自己注射指導管理料」でございまして、まず、そこの対象となる注射薬というのを見ていただければと思いますが、そこにインスリン、それからヒト成長ホルモン、エタナルセプト、下線が引いておりますが、これらが対象となっております。

 外来化学療法加算の対象となっている薬剤として、そこにありますように腫瘍用薬、インフリキシマブ製剤というのが外来での化学療法で使われている注射薬として加算の対象となっているというのが見えるかと思います。
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84_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 84コマ目からは、バイオ後続品が患者さんにとってどういう認知状況であるのかということを見たものでございます。認知度は一般の方で約2割程度、患者に限ってみますと3割程度となっております。

 一方ですね、その下の欄にありますように患者の使用意向、これを聞いておりますが、これについては4割程度の方が使用してみたいというご意向がある。

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85_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 85コマ目。これは医師等から勧められた場合のバイオ後続品の使用意向がどうなのかということを聞いたものでございます。医師から勧められた場合、「バイオ後続品を使用してみたい」と回答した患者・家族は約7割になります。

 ただ一方、下の段ですが、医師から実際にバイオ後続品の推奨を受けた患者というのは2割程度となっております。

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86_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 86コマ目を見ていただきますと、バイオ後続品について、じゃあ、どういう情報を知りたいのかということを聞いております。患者がバイオ後続品について知りたい情報としては、そこにありますとおり、「副作用などの安全性が先発品と比べて同等であるのか」についてが最多でございます。

 また、次いで「効果が先発品と比べて同等であるのか」「費用負担はどうなのか」、また「バイオ後続品を使用することでどのようなメリットがあるのか」「バイオ後続品の具体的な説明、製造技術・定義などについても知りたい」というご要望が挙がったということでございます。
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87_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 87コマ目は、厚生労働省においての事業の紹介になります。この「バイオ医薬品開発促進事業」においての「概要」の2つ目の(丸の)所を見ていただきますと、バイオシミラーの科学的評価、品質等について医療従事者に対して正しい知識を広めるため、専門家や医療関係者によるセミナーや講習会の開催。また、バイオシミラーの科学的評価、品質、価格等に関して、患者・国民に対して普及を図るセミナーやリーフレットの作成といったような事業が今、行われているということでございます。

 これらを受けまして、バイオ後続品に関する課題と、それから論点の整理ということを行っておるのが88コマ目でございます。この論点でございますけれども、

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88_【中医協総会】個別事項(その1)_20190918

 このような状況を踏まえまして、バイオ後続品を知らない患者さんにバイオ後続品を推奨する際の情報提供や、新たにバイオ後続品を導入する、または現在使用しているバイオ医薬品をバイオ後続品に切り替える場合の患者への説明や症状の観察等について評価することを検討してはどうか、ということで論点をお示しさせていただきます。以上でございます。
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〇田辺国昭会長(東大大学院法学政治学研究科教授)
 はい、ありがとうございました。本日のアジェンダは、リハビリテーションと、あと医薬品の使用ということで2つ出ておりますので、まずこの2つを分けて議論してまいりたいと存じます。まず、前半のリハビリテーションの説明に関しまして、何かご質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。では松本委員、お願いいたします。

 (後略)

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