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徳洲会の海外支援、「利益は決して日本に持ち帰らない」と鈴木理事長

鈴木隆夫理事長_20190827

 徳洲会理事長の鈴木隆夫氏は8月27日、アフリカの開発をテーマとした国際会議(TICAD)のイベントで講演し、徳洲会グループが取り組んでいる海外支援プロジェクトの現状や今後の課題などを報告した。鈴木氏は「徳洲会のマネジメントのノウハウを移転することが1つの使命」とし、「その国で上げた利益は決して日本には持ち帰らないで、その国の医療のためにもう1回再投資していただきたい」と語った。【新井裕充】

 1993年以降、日本政府が主導するアフリカ開発会議(TICAD)は7回目を迎え、8月28日から30日まで横浜市内で開催された。「TICAD7」の公式サイドイベントとして徳洲会グループが参加し、「アフリカ16カ国の透析センター設立支援とタンザニアでの腎移植プロジェクト」をテーマに海外支援の現状を伝えた。

徳洲会 シンポ会場風景2_20190827

 最初に登壇した鈴木氏は、同グループの創設者である徳田虎雄氏が医師を志した少年時代を振り返りながら、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を、という思いと、生命(いのち)だけは平等であってほしいという願いは、まさに人種を越えて、国境を越えて、そして私たちの1つの大きなアクティビティの原動力となっている」と述べた。

鈴木隆夫理事長講演_20190827

 鈴木氏の講演内容について、詳しくは以下のとおり。

[司会:エザワフミカ氏]
 定刻となりましたので、始めさせていただきます。本日はお忙しい中、「TICAD7」第7回アフリカ開発会議公式サイドイベント、一般社団法人徳洲会主催、ニプロ株式会社共催による「徳洲会、アフリカ16カ国の透析センター設立支援とタンザニアでの腎移植プロジェクト」シンポジウムにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日、司会を務めさせていただきます一般社団法人徳洲会・エザワフミカと申します。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

徳洲会 シンポ司会_20190827

 本シンポジウムは、日本語と英語の同時通訳にてご提供させていただきます。(中略) では早速、第1部の講演を開始いたします。

 一般社団法人徳洲会理事長・鈴木隆夫による講演「徳洲会グループ 海外支援プロジェクトの歴史と方針」。鈴木理事長、ご登壇をお願いいたします。(拍手)
.
[徳洲会理事長・鈴木隆夫氏]
 おはようございます。ただいま、ご紹介に預かりました理事長の鈴木でございます。それでは早速、私の持ち時間は15分ということなので、早速始めさせていただきます。

 私たちはもう既に、徳洲会はアフリカのみならずアジア、そして南アメリカ、ブラジルですね、それからヨーロッパ等にも徳洲会は医療の支援をしてまいりました。

 それでは、スライドを始めてください。

 まず、その前に徳洲会の大体の形をご紹介いたしますと、徳洲会は1973年にノンプロの非営利法人としてスタートしております。当時の創設者は徳田虎雄先生ですけども、その先生が1973年に徳洲会をスタートいたしました。

 このスタートのきっかけというのは、今でもグループの中で語り草になってますけれども、彼が13歳の時に徳之島という非常に貧しい島で両親がサトウキビの農場でカッターですね、サトウキビを刈り取ることを仕事としてやっていた貧しい農家の子どもとして生まれ育った中で、彼が13歳の時に自分の弟が病気になってしまって、近くのドクターに往診を求めたけども、誰も診に来てくれなかった。

 そして次の日に、ドクターが来た時には自分の弟が死んでいた。で、その時に彼は心に、子ども心に思ったことは、もし自分の家族が裕福であったなら、もし自分の家族が社会的地位があったなら、もし自分の家族が力があったなら、きっと医者は来てくれたに違いないということを子ども心に強く感じて、自分は大きくなったら誰でも診る。頼まれたら決して断らない医者になろうという、そしてまた、そういう病院をつくろうという形で、彼は心に決めて医療を始めたと聞いています。

 それがまさに、組織が生まれてからは、1973年、ちょうど46~47年前に生まれましたけども、実際には彼が13歳の時に徳洲会がその心の中に生まれたと思っています。

 それ以来、徳洲会の基本的理念は「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を」という思いと、そして、「生命(いのち)だけは平等」であってほしいという願いは、まさに人種を越えて、国境を越えて、そして私たちの1つの大きなアクティビティの原動力となっています。

 今、徳洲会の売上は約4,500億円、年間ですが、医療法人だけの売上がこれだけになっています。これを今見ますと、毎年毎年その売上が増えて、利益もそこそこの利益が出ています。つまり、徳洲会は政府からの援助もなく、自立しながら自分で自分たちの利益を稼ぎながら、そして、その利益の一部分を使いながら、いろんな方々の国々や、皆さんへの支援をするようにしています。

 徳洲会にとって利益というのは必要な道具でありまして、その道具をどう使うか。そこに私たちの哲学や私たちのポリシーが表れていると思います。

 次、お願いします。

 先ほど申し上げました「生命(いのち)だけは平等だ」ということを私たちの信念にしていますし、本音は、「生命(いのち)だけは平等であってほしい」という私たちの、全ての人たちの共通の願いであると思ってます。

 そして、私たちの使命感としては、私たちは「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」をつくることを目指しています。

鈴木隆夫理事長講演2_20190827

 次、お願いします。

 私たちは海外にいろんな支援をしてますけども、支援の1つは、まずは患者さん中心の医療を、「生命だけは平等だ」という理念をいつも心に置きながら、患者さん中心の医療と進めたいということが第1番。

 2番になりまして、共に魚の釣り方をそれぞれの違った環境で共に手を携えながら学び、決して魚を与え続けないということを1つのモットーにしています。

 そして3番目としては、徳洲会のマネジメントのノウハウを移転するということが1つの使命です。そして、テクニックやノウハウは、これは私たちは全て持っているもの全てを無償で提供することをいつも誇りにしています。

 そして最後は、そのプロジェクトそのものは、私たちがそこに滞在しながら永遠に続けるのでなくて、その国の人たちによってホスト・カントリーによってマネージしていただきたいというのが私たちの考えです。

 そして、私たちがいつも考え、言ってますことは、その国で上がった利益、それは決して日本には持ち帰らないで、その利益は、医療を通して上げた利益はその国の医療のためにもう1回再投資していただきたいというのが私たちのたっての願いであります。

 そして最後は、そういうプログラムを遂行するために銀行から借りた元金と金利は、これは必ず返済しなければならない。でなければプロジェクトは永続しないということであります。

 次、お願いします。

 以上だけじゃなくて、災害医療にも徳洲会はこれだけの国々に対してサポートをしてまいりました。中でも、パラグアイやブラジル等にも、あとでスライドをお見せいたしますけれども、医療支援をしてきましたし、アジア、それからアフリカにもまだこれから、約束はしたものの、まだ全部が終わっているわけではありません。

 次、お願いします。

 これは、2003年の第1回目の「TICAD」の時にですね、東京で前理事長の徳田虎雄先生がこれだけの国々とMOU(覚書)を結んできました。全部で、世界中で42カ国と結びました。

調印一覧

 次、お願いします。

 その中で、赤字で消している所は少なくても、最低限の、これ本当に申し訳ないんですけども、最低限の医療支援をさせていただいた国々が全部でこれだけあります。

 次、お願いします。

 アフリカでは17カ国。そしてアジアでは19カ国ですね。主に私たちが得意な分野とする人工透析を通しての医療支援となっています。

透析センター開発支援

 1つは、なぜ人工透析かと言いますと、人工透析を自分の国でしっかりと維持していただきたいし、発展させていただきたいと。これは少なくても生意気な言い方かもしれませんけども、こういうことを自分の国でやっていただけることができないと、さらにその一歩先に病院をつくっていくってことは大変大きな仕事となってしまいます。

 病院の建物や機械を入れることは難しいことではありません。ですけども、それを維持し、そして自分たちがそれを発展させることとなるとまた全く別の話になります。グループ全体としては23カ国346台の機械を徳洲会の利益の中の一部分を使って支援をさせていただきました。

透析機器の寄贈

 次、お願いします。

 これがアフリカの国々です。今年度はどこかと言いますと、今年度の目標はリベリアと、それからケニアが今年度、来年3月までの私たちのプロジェクトの目標になっています。

 私たち、大体1年間に2カ国ないし3カ国に(支援)するのが精一杯の状況でありますので、今そういう形で進んでます。

 そしてもう1つは15番のジブチですね。ジブチに今、病院づくりのためにチームが奔走して、ここに、本当に徳洲会が初めてアフリカに病院、125床の病院になりますけども、それがジブチ政府と共に、ジブチの政府を、そして社会保険庁と共に病院建築の準備に入っています。

 次、お願いします。

 ブルガリアでは、徳洲会が海外で初めてオープンした病院は1,015床の病院でしたけども、これは非常にうまくいきました。

 次、お願いします。

 また、ブラジルではバチスタ先生という心臓の拡張形心筋症、日本では拡張形心筋症は世界でもですね、心臓移植をしないとできない、治らない病気だったんですけども、このバチスタ先生がブラジルで、chagas diseaseっていう感染症ですけども、これによる拡張型心筋症を治療、心臓を縮小する手術を始めまして、

 その先生が日本にこの技術を私たちにもたらしてくださいまして、それをグループの中で発展させて、これがずいぶんたくさんの日本人の命が拡張型心筋症の手術を通して救われています。その感謝のつもりで、私たちはここに病院を寄付させていただきました。

 次、お願いします。

 その間に、アフリカ・ジブチの話をいたしましたけども、こういう形で進んでいます。

 はい、次。

 私たちは今、タンザニアで透析をスムーズにできることになったことを通してですね、この国で初めて、これは東京女子医大の田邉(一成)病院長の「どうせ日本から技術を外に出すのであれば、日本で最高のもの、最高の技術を世界に、アフリカに持って行こう」ということで、田邉先生にお願いをして気持ちよく承諾していただいて、田邉先生のチームを大きく借りながら、私たちと一緒になってタンザニアの支援をしていただいています。

 次、お願いします。

 これは、それ以外の災害における支援ですけども、災害はもう日本国を問わず、世界のどこにでも地震やハリケーンや、その他の災害を通して徳洲会メディカルアシスタントチーム、これは神戸大震災の後に生まれたチームですけども、これが全て、世界中をかけています。これも、費用も全て徳洲会が負担をして、こういう世界の中で、医療に困っている所に人を出しています。

海外支援

 次、お願いします。

 それだけじゃなくて、徳洲会は医療を提供するだけでなくて、その医療が世界的水準の医療であるということを達成するためのJCI(国際的な医療機能評価)のプロジェクトに取り組みながら、今まではこれだけのJCI、これは、Joint Commission International、世界的な基準の1つでありますけども、どうせ病院をつくるんなら、将来どこに病院をつくろうとも、こういうものを、世界的なスタンダードをクリアする病院であってほしいと思ってます。

 次。

 最後に、これは最近出た話ですけども、ニューズウィークのヘルスケアの中で、徳洲会の病院の中の1つがですね、「World’s Best Hospital」の中の1つとして選ばれたことで、私はグループの中の理事長として誇りを持っています。

 短かったですけども、おしまいにします。(拍手)

徳洲会 シンポ会場入口_20190827

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