2020年度の薬価制度改革に関する意見と質疑全文


20190724中医協薬価専門部会4

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 一通りのご説明を頂きましたので、これより質疑、およびフリーディスカッションに移りたいと思います。
 なお、質問のほうは日本語のほうでお願いをしたいと思います。では、よろしくお願いいたします。
 はい、では松本委員、お願いいたします。
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〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
松本吉郎委員(日本医師会常任理事)_20190724中医協薬価専門部会 まずは新薬創出等加算について発言いたします。

 ファルマ(PhRMA)やEFPIAからは薬価制度の抜本改革、特に新薬創出等加算の対象品目の絞り込みにより、会員企業で新薬開発への影響やR&D戦略の見直しなどの影響が出ているとのプレゼンテーションがございました。

 平成30年度改定以前の品目要件では、革新性の低い新薬も新薬創出等加算の対象になり得ることが問題となって、前回改定の際には、真に革新性、有用性のある医薬品に限定して、新薬創出等加算を適用するルールに是正したものと理解しております。

 言い換えますれば、今までの新薬創出等加算の品目要件が単に甘かっただけであり、これを適切なものにしただけであるのに、患者さんが必要としている新薬の日本における開発の優先順位が下がるというのは、

 これは創薬を通じて健康寿命の延伸に貢献しようとする製薬企業の在り方として、いかがなものでしょうか。これが正しい姿勢と言えるのでしょうか。

 これに関連して、日本製薬団体連合会の、14ページ目でございますけれども、右の赤い四角の中です。

14_薬価制度改革に関する意見(日薬連)20190724薬価専門部会
 
 新薬創出等加算の企業指標について、いずれの指標も数が評価されるため、企業規模の影響を強く受け得る点で公平性に欠けるとのことでございますけれども、

 革新的な新薬開発のインセンティブという観点からすれば、数を評価するのは極めて自然なことではないでしょうか。

 もし、不公平であるとおっしゃるのであれば、詳細な理由を挙げるとともに、具体的に廃止ではなく、どのように要件設定すれば公平性が担保されると考えておられるのか、まず説明をいただきたいと思います。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では、こちらのほうは……。

〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 1つはファルマ、EFPIAと。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 はい、じゃ、お願いしたいと思いますけども。

〇米国研究製薬工業協会(PhRMA)在日執行委員会・原田明久副委員長(ファイザー株式会社代表取締役社長)
 2018年の抜本改革によって、革新的医薬品だけに絞るという改定がなされたということですけれども、実際には、それ以外のものも新薬創出加算から外れたものも実際にはあるということであります。

 そういうことで、日本のそれまでの薬価制度と比較しまして、開発案件に関しまして、今後、それがあると。

 リードコンパウンドから実際の承認まで12年ぐらいかかるわけですけれども、それが本当に予見性がある程度、保たれて開発できるのかどうか。そういう議論は本当に多く上がっております。

 従って、全く影響がなかったということではありません。

 実際に、開発の優先順位が下げられた事例もございますし、今まではグローバル開発を全て日本も入ってやってるものもありますけれども、グローバル開発には入らない、入れない、そういう案件も実際には出てきていることは確かであります。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では、日薬連、製薬協の……。はい、お願いします。

〇日本製薬工業協会・中山讓治会長(第一三共代表取締役会長)
 ありがとうございます。

 中山から回答させていただきます。

 ご指摘の点、数で比較して悪いんかという話なんですけれど、例えば、たくさんの開発を進めている会社が必ずしもいい新薬を次に生み出せるかという相関は常には成り立たないと思っています。

 有望な、あるいは素晴らしい新薬がベンチャー企業から出てくることというのは多々ございます。

 そういった意味では、やはりここは企業要件として、そういう会社が不利にならないように、どんな革新的な新薬を出したとしても、基本的にベンチャーの場合は薬価が維持されないというのが不公平だろうと思います。

 そして、そもそも品目要件で厳しく規制されてるのに加えて、その企業によって、また加算率を変えるという必要性は乏しいのではないかというふうに考えておりますので、

 現在の企業要件は撤廃して、新たな開発のために、今、お金を使って努力してる企業については、その資格があるというふうに評価していただきたいのが趣旨でございます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 EFPIAの方、何かありますか。

〇欧州製薬団体連合会のハイケ・プリンツ副会長(バイエル薬品株式会社代表取締役社長)[通訳者]
 私からも、この新薬創出等加算の企業要件について、一言申し上げます。

 先ほどのお話で、2018年の抜本改革以前には、あまりにも多くの品目がこの加算を受けていたというお話であったかと思います。

 しかしながら、この2018年の改定以降は、実際の幾つかの例として、幾つかの日本の医学学会のガイドラインで第1選択として推奨されているにもかかわらず、実際に、この加算から除外されてしまった品目が存在しております。

 ご存じのように、このようなガイドラインは実際の臨床的なエビデンスに基づいて作られているものです。

 ですから、改めまして、この新薬創出等加算が適正に行われることはもちろんですけれども、真の意味でのイノベーションが正しく評価されること、適正なバランスをもって評価されることを改めて求めたいと思います。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では松本委員、お願いします。

〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 2つの質問にも、はっきりとお答えをなっていないように思います。

 1つは、先ほど申し上げましたとおり開発の、

 日本における開発の優先順位が下がるというのは、果たして企業の姿勢として、どう考えているのかとご質問しましたけど、何も答えられておりませんし、

 それから企業指標、「撤廃」というのではなくて、どうすれば公平な規制が担保されると考えておられるかにつきまして、全くお答えになっておられないと思います。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 はい、では吉森委員、お願いします。

〇吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)
 はい、ありがとうございます。

 今のが14ページなんですけれども、新薬創出等加算の企業要件、これについて、やはり新薬開発において、安全性、継続性等の観点で、一定の要件を満たしている企業に対して特許期間中の薬価を維持することで、その新薬の開発モチベーションを高め、革新的新薬の創出などを後押しする。

14_薬価制度改革に関する意見(日薬連)20190724薬価専門部会

 こういう目的で、この加算項目は設定されてるということを承知しておるわけでございますので、

 やはり企業要件の考え方、これは松本委員と全く同等でございます。撤廃すべきでないというふうに考えております。

 そこで、今、質問にもありましたけれども、企業要件の在り方、つまり企業指標の在り方については、

 おっしゃってるように、企業間の相対評価は企業規模の観点では公平性に欠けるという主張は理解できないことはないというふうに思いますけれども、

 そこで、やはり今の質問も具体的にどうなのかということがありましたけれども、

 この、

 要件撤廃ではなくて、指標内容の在り方について具体的に、製薬工業(協)会、PhRMAさん、EFPIAさんで、どのようなプランがいいのか、このようにしたら、やはり皆さんがご主張なさってるところがクリアできるのかっていう案をお持ちなのかどうか。

 持ってなければ、これから考えていただかないといけないというふうに思いますけれども、もしお持ちであれば、ここでお聞かせ願えればと思います。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では、見直しとか撤廃とかいうことを言われてないの、おそらく日薬連と、それからEFPIAだと思いますけども、いかがでしょうか。

〇日本製薬工業協会・中山讓治会長(第一三共代表取締役会長)
 「撤廃」という表現は使ってますけれども、別に新しい基準として、これからつくっていただくことは可能だと思ってます。

 それは趣旨としては、今、開発に努力している。あるいはお金を使っている会社のことは、この開発状況を調べれば分かりますけれども、

 それが多いか少ないかによって、生み出されたものの革新性の評価を変えるというのが、あまりにも不合理であるというふうに思っております。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では、吉森委員の質問に対していかがでしょうか。PhRMA、あるいはEFPIAの方、いかがですか。

〇米国研究製薬工業協会(PhRMA)在日執行委員会・原田明久副委員長(ファイザー株式会社代表取締役社長)
 PhRMAとしても、以前も検討したこともありますけども、実際の売上に対するR&Dの割合をどうするかとか、そういうことも検討しましたけども、

 実際に本当に生み出されるものというのは、今では非常に小さな企業も、非常に大きなイノベーションをもたらすことが、可能性は十分あると思います。

 特に日本では、そういうイノベーションをもたらすような小さい企業であっても育てていく必要はあるのでないかなというふうに考えています。

〇欧州製薬団体連合会のハイケ・プリンツ副会長(バイエル薬品株式会社代表取締役社長)[通訳者]
 それともう1点、この企業要件について、現在、問題であると考える点を追加いたしますと、これが相対評価に基づいたものであるということです。

 従いまして、企業としましては、これが予見性を十分に持ち得ないわけです。

 開発を開始した段階で、その先を見据えたときに、自分たちが果たしてこのⅠに相当するのか、Ⅱに相当するのか、Ⅲに相当するのか。

 それが相対性の評価に比較に基づくものであるために、予見ができないという点が問題であると考えます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 はい、吉森委員、お願いします。

〇吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)
 先ほど、製薬工業会も今のPhRMAさんもおっしゃってますけれども、

 ベンチャーなどの小規模の革新性をどう評価するか。これは評価すべきだろうとは思いますけれども、

 やはり一定の、こういう設定条件の中で、きちんとそれなりに公平性をもって評価していかないといけないということでございますので、

 相対評価というのも、おっしゃったとおり、予見性がなかなか持てないということであるならば、どのようにすべきなのか、具体的にそういう代替プランはお持ちなのかどうかということで、ちょっとお聞きしたんですけれども。

 それについての今のプランは、ないということでしょうか。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 こちらはいかがでしょうか。じゃあ、お願いします。

〇日本製薬工業協会・中山讓治会長(第一三共代表取締役会長)
 いや、実際に、その会社がどれぐらい開発の資源を投入しているかということがパイプラインとかで分析すれば分かりますので、その姿勢は、やってるということは分かると思いますが、

 スケールの問題は、それぞれの企業が全く同じ形で続くという前提になっていますけども、

 会社は分割したり買収されたり、さまざまな変化がありますので、その都度、じゃあ、その薬の評価が変わっていくのかという話になってしまいます。

 従って、非常にこの不合理性というのが、いずれあらわになると思いますし、米国の例では、新薬の半分はベンチャーからできてますので、その機会は日本では失われるということになっていく。

 日本で、どれだけいい薬が開発されるかということにも、やはり注意を、ぜひ向けていただきたいというお願いでございます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では松本委員、お願いします。

〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 まあ、企業要件、指標ですけれども、

 そうすると、小さな企業とかベンチャーに非常に不利であるということであれば、大企業であれば、もう少し厳しい要件に耐えらえると、そういうことでしょうか。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 こちら、いかがでしょうか。では、お願いします。

〇日本製薬工業協会・中山讓治会長(第一三共代表取締役会長)
 そもそも企業の開発数の大きさとかで比較するのが、そのイノベーションの本質とは結び付いてない、つまり評価とは結び付かないんじゃないかという説明をしております。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 はい、では幸野委員、お願いします。

〇幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)
 すいません、新薬創出加算の話、日薬連、PhRMAさん、EFPIAさんとも、共通の要望で、かなりこだわりの強いところだと思いますので、ちょっと掘り下げて、ご質問とかご意見を申し上げたいと思います。

 まず、品目要件の拡充と企業要件の撤廃と、類似薬比較となった場合の新薬創出加算をどう取り扱うかというのが3つの大きなポイントだと思うんですが、

 先ほどから出てます企業要件の撤廃ということについては、なぜ、この企業要件を相対評価にしたかというわれわれの理解というのは、

 やはり企業要件というのは、真に革新的な新薬を創出する企業の努力を評価する、いわゆる企業間の競争の原理を働かせようということで出されたものだというふうに理解しておりまして、

 これを撤廃する、いわゆる平等性を担保して、これを相対評価しないということになると、それぞれの企業の新薬創出の意欲が後退につながるんじゃないかという懸念を持っておりますので、そのへんについてお伺いしたいということ。

 それから、実態的に見ると、企業要件区分Ⅰが23で、区分Ⅱが54ということで、9割がですね、0.9以上の薬価を維持されてるわけで、これが相対評価の中で予見性に乏しいというのは、ちょっと言い過ぎじゃないかなあと。

 9割の方が0.9以上、薬価を維持されてるというところもあるんで、これをもって予見性に乏しいというのはちょっと言い過ぎじゃないかなというふうに思います。

 あと、ベンチャーに対しての、ベンチャーは自動的に企業区分Ⅱに置かれてますので、このへんは適正に評価されてて、ベンチャーが不利になってるというふうなことは言えないんじゃないかというふうに思います。

 それから、もう1つは、比較薬が新薬創出等加算の対象となっている場合に、類似薬効比較方式(Ⅰ)においては、これを考慮することへのこだわりが、すごい共通になってるんですが、

 われわれからしてみると、この新薬創出等加算が比較薬になってる場合は、この企業要件と品目要件、両方満たしている企業に対して評価されてるということは、その企業の評価が薬価の上に乗っかってるということになってるわけで、

 その乗っかってる企業の評価までも類似薬となる場合に、それが乗せられるというのは、理屈上、おかしいんじゃないかというふうに思ってますので、そのへんについてのお考えがあれば、お聞きしたいというふうに思います。いかがでしょうか。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 ではこれ、質問のほう頂きましたけど、これ、いかがでしょうか。
 じゃあ、これは上出委員、お願いします。

〇上出厚志専門委員(アステラス製薬株式会社上席執行役員渉外部長)
 はい、今の最後の比較薬の薬価に企業の評価が含まれているというご指摘でございますけれども、

 これ、そういったことも含めてですね、比較薬と同等の臨床的な価値があるということで薬価が設定されるわけでございますので、

 比較薬の加算部分を控除して新薬の薬価を算定するということになりますと、これは算定時に大きな、最初から大きなですね、薬価の差が付いてしまいます。

 そうしますと、同じような臨床的な価値があるものが、最初の段階から異なる薬価になってしまう。そういったことが市場の公正な競争とか、そういったことに影響するのではないかというのが私どもの懸念でございます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 幸野委員、お願いします。

〇幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)
 すいません。そこはちょっと考え方の違いで、企業として評価されたものが薬価に乗せられてるというのは、その算定される薬価の真の実力以上のものが評価されてるというふうに、ちょっと取ってますので、そこはちょっと、われわれとしても納得いかないところです。

 それと、ちょっとまあ、昨年の抜本改革を振り返るんですが、最初に出た案というのは、新薬創出加算が比較薬となった場合は、それを控除して薬価を算定するということになってたんですが、

 そのあと、いろいろと業界団体等の反発もあって、類似薬効(Ⅰ)については、これを継続しようということになって、(Ⅱ)のみ控除しようというような、いわゆる方針転換が行われたわけなんですが、

 まあ、これ、ちょっとここでこれからの議論をしていく上で重要な話だと思うんで、事務局を含めて、ちょっと、その時の経緯ですね。

 最初に、類似薬効比較方式(Ⅰ)についても控除するということでいったのが、この(Ⅰ)については、今回は残そうというのは、われわれ、これ、抜本改革の激変緩和の意味もあるんじゃないかというふうに捉えてるんですが、

 これはどういう経緯でこうなったかということについて、今後の議論に重要な要素になると思いますので、もし事務局のほうで、この経緯等についてご説明いただけたら。

 薬剤管理官がお代わりになったので、あれなんですけど、そのへんの経緯について、みんなで共有しておきたいと思いますので、よろしくお願いします。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 はい、では薬剤管理官、お願いいたします。

〇厚労省保険局医療課・田宮憲一薬剤管理官
 はい、幸野委員、ご指摘の点でございますけれども、

 一度、薬価制度抜本改革の案をお示ししたあとにですね、業界からのヒアリング等を踏まえましてですね、

 ご指摘のとおり、類似薬効比較方式(Ⅰ)等で算定された医薬品については、企業に与える影響を考慮し、平成30年度薬価改定までの間は、従来の取り扱いを継続すること、

 それから、次回の平成30年度薬価改定時までにですね、収載時は新薬創出等加算対象外であったが、収載後に新薬創出等加算の対象品目となった場合の対応を含め、新薬創出等加算品目を比較薬とする場合の薬価算定の見直しを検討するというふうになったのは、おっしゃるとおりでございます。

 その際はですね、ここに、今申し上げたとおりですね、

 収載時は新薬創出等加算は対象外であったけれども、その後ですね、新薬創出等加算の対象となるような効能の追加などがあるといったようなことも踏まえてですね、

 そういったケースがあり得ることも鑑みて、効能追加に伴う新薬創出等加算の対象の在り方も含めてですね、総合的に議論するということになったというふうに理解しております。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 幸野委員、よろしいでしょうか。
 はい、幸野委員、最初に質問の、相対評価の研究開発インセンティブ、これは質問ですか。最初に……。

〇幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)
 できれば。

 これが企業の新薬創出の後退につながらないか、あるいは予見性というものが9割が0.9を維持している中で、そんなに予見性に影響するものなのかということについて、もしコメントがあれば。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 じゃあ、もし、何か相対評価が研究開発インセンティブに、どんな影響を与えるか、かなり予見性があるんじゃないかというご意見ですけど、いかがでしょうか。

〇日本製薬工業協会・中山讓治会長(第一三共代表取締役会長)
 団体としては、いろいろな規模の会社を含んでおりますので、それぞれ企業の形をこれからさらに変えていく企業もありますので、

 そういった意味では、企業経営上は、例えば5年、10年先のことというのは、これが多くないと言われると、それまでなんですけれども、

 自分たちの新薬で10%、20%違ってくるというのは、非常にインパクト大きいと思いますので、そこはやはり、もう少しご配慮いただきたいというか。

 今、企業要件を全く企業を無視するんじゃなくて、将来も含めて、日本での新薬開発をやろうとしている、具体的事実のある会社という限定にしていただきたいというのは希望でございます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では今村委員、お願いします。

〇今村聡委員(日本医師会副会長)
今村聡委員(日本医師会副会長)_20190724中医協薬価専門部会 すいません。ありがとうございます。

 中医協という非常に、本来、専門的な議論をする場所で感想めいた話で大変恐縮なんですけれども、

 本当に企業の予見性であるとか経営的な問題ということで、いろいろ個別の具体的なご提案を頂いていて、ま、ほとんどが「価格を上げてください」というふうなお話に、結局はなっているのかなというふうに思います。

 私、日常に、やっぱり臨床で診療していて、患者さんに薬を投薬している立場の医師としての感想というふうに聞いていただければいいんですけれどども、

 先ほど、EFPIAからインシュリンの、いわゆる改善みたいなお話があって、あれ、非常に分かりやすいお話だったんですけれども、

 本当に生命に直結するお薬だとか、あるいはもうこの薬しかないんだというものを評価するという話はよく分かるんですけれども、

 例えばインシュリンの改善みたいなお話って、現場感覚からするとですね、要するに今まで出してた患者さんに対して、「同じ価格で、これだけいろんなことが改善してる」って言ったら、全部それに入れ替わるわけですね。

 結局、対象となる患者さんの数というのは決まっているわけですから、患者さんの数かける価格で、結局、売上というのが決まってくるわけで、

 企業が競争するっていうことは、そういうところで工夫することで入れ替わる、そのことが新しく工夫をした会社のメリットになるっていうふうに、私は、普通のいわゆる市場の原理だったらそういうふうになるんだというふうに思っています。

 日本の場合には、ご存じのとおり、結局、小児だったら一部負担が免除されているとか、あるいは高額療養費制度があるとか、これが高齢者であったら原則1割負担ということで、患者さんのそういう薬に対する負担感っていうのは、今まで非常に弱かったと。

 ただし、昨今ですけどね、私どもも薬を投与する際にはですね、やっぱり患者さんの負担ということをすごく意識してですね、まあ、この価値、薬の持ってる新たな価値と患者の負担っていうことをバランスを見ながら、現状、投与しているということですので、

 いわゆる価格をどんどん上げるっていうことがですね、本当に企業にとってメリットになるのかどうかっていうのは、それは本当に慎重に考えていったほうがいいんじゃないかなというふうに思っているところです。

 先ほど、一番目の会社か二番目の会社か三番目の会社かみたいなお話も出ておりましたけれども、

 やはり、本当に初めてその薬が出て画期的なお薬であったら、それをわれわれは、当然、患者さんのために使うわけですけれども、そうでなければあとはもう比較の問題になってくるわけで、

 そのあとの会社のお薬まで全部評価するっていうようなことをですね、本当にその患者さんにその負担をしていただくかどうかっていうことは考えなきゃいけないのかなというふうに思っています。

 大変、感想めいた話で恐縮ですけど、以上です。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
 では松本委員、お願いいたします。

〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 はい。日薬連のプレゼンの9ページ目でございますけれども。

09_薬価制度改革に関する意見(日薬連)20190724薬価専門部会

 長期収載品と後発品、基礎的医薬品等についてですが、今年に入ってからだけでも、抗菌薬剤、抗菌剤に絞ってもですね、パニペネム・ベタミプロン配合、それからセファゾリンの後発品、それからタゾバクタム・ピペラシリンの後発品が、原薬を理由とした供給不安に陥っております。

 中堅企業だけではなく大手企業ですらこのような状況であり、大変危惧しております。

 医療は、金融や治安と並ぶ国民のセーフティーネットの1つであります。

 現在、さまざまな医薬品やその原薬が海外から輸入されておりますが、そうした状況を踏まえた、製造側における安定供給をぜひとも進めていただきたいと考えておりますし、

 一方で、国内基準につきましては、日本医薬品卸売業連合会からの提案にありますように、流通改善懇談会での流通改善の取組に期待したいと思います。

 10ページ目、11ページ目のイノベーションについてご質問いたします。

10_薬価制度改革に関する意見(日薬連)20190724薬価専門部会

11_薬価制度改革に関する意見(日薬連)20190724薬価専門部会

 健康寿命の延伸がここでは強調されておりますけれども、イノベーションだけが健康寿命の延伸に寄与していると言ってもいいのでしょうか。

 イノベーションへの評価に対するご要望は、必要な医薬品が品質有効性、安全性を確保したうえで安定供給するということをしっかりと対応したうえでお願いしたいと考えております。 

 中医協においてこれまで申し上げているとおり、イノベーションの支援は薬価以外でもしっかりと国が進めるべきと考えておりますが、これに対して業界としてそうした行動は取られているのでしょうか。質問したいと思います。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 これは日薬連の方、それともジェネリック医薬品協会、どっちが。

〇日本製薬工業協会・中山讓治会長(第一三共代表取締役会長)
 じゃあ、あとのイノベーションの点ですけれども、

 私どもは適正な評価とイノベーションの支援という二つ立てにしておりまして、特に今後ビッグデータによりまして薬のプロファイルがより鮮明になれば、

 今まで例えば1割にしか患者さんに効かないと言われていたものが、その9割ははっきり峻別できるということになれば、その90%のコストは減るということとか、

 あるいは短期間で開発ができる、あるいは希少疾病の患者さんを救うことができるという意味で、

 全ゲノム情報、あるいはそういった新たな取組を、特にAMED(日本医療研究開発機構)を中心に支援していただくように、行政当局ともお話し合いを進めさせていただいております。

 だから、それとの二本立てにおいてイノベーションを進行しようと考えております。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 はい、松本委員、お願いいたします。

〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 薬価以外でもですね、イノベーションの支援はすべきだというふうに思っておりますので、これについてはしっかりと進めていただきたいと思います。

 また、17ページ目ですけども、

17_薬価制度改革に関する意見(日薬連)20190724薬価専門部会

 薬価収載後の革新性・有用性評価の拡充についてですが、薬事との関係をどのように考えているのかを教えていただきたいと思います。

 つまり、再審査期間中に企業が実施する市販後調査は薬機法の範囲で国の指導下にありますが、保険の評価として使用実績を踏まえた評価で用いるデータは誰がどのようにして作って提示されるべきとお考えなのでしょうか。

 研究者の独自研究や海外研究などまでも対象として広げるように考えていらっしゃるのでしょうか、これについて質問をいたします。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 こちらはいかがでしょうか。

〇日本製薬工業協会・中山讓治会長(第一三共代表取締役会長)
 今、具体的にどういうスキームかっていうのは、具体的なものはございませんが、

 現実にわれわれは上市してからリアルワールドデータ、その製品についてのメディカル・アフェアーズというか、市販後の調査っていうのも進めておりますし、

 新たな適応症なりの情報が得られれば、それについての新たな臨床試験を組むということもやってまいりました。

 一部製品では、不整脈から心不全のデータを取り、その優位性というか、統計的な優越性を示した薬品もございます、過去に。
 今後とも、そういうことをすることによって、より難しい疾病の解決にも、当然、可能性はあるんだというふうに考えておりますので、

 こういうふうに支援、評価をしていただくことが、上市済みの製品の新たな適応症についての開発のモチベーションにつながるというふうに考えております。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では松本委員、お願いいたします。

〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 時間がありますのでもう1点だけ。

 18ページから19ページの後発品について、ぜひお聞きしたいことがございます。

18_薬価制度改革に関する意見(日薬連)20190724薬価専門部会

19_薬価制度改革に関する意見(日薬連)20190724薬価専門部会

 後発品を製造する企業の数が相変わらず多いと思います。

 ある程度集約することで、製造や流通コストが改善されると考えておりますが、

 現在、同じ工場で製造された医薬品が、パッケージを変えるだけで他社で売られている現状もありますけれども、これについて業界としてお考えと今後の見通しについて教えてください。質問でございます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では、これは澤井会長にお願いします。

〇日本ジェネリック製薬協会・澤井光郎会長(沢井製薬代表取締役社長)
 ご質問に対してお答えを申し上げます。

 その前に、先ほど、安定供給に支障をきたしております事例が発生しておりまして、医療関係者の皆さまに大変ご迷惑をおかけしておりますこと、誠に申し訳なく思っております。

 これに関しましては、日薬連さまと協力をしまして、今後そういう事例が発生を、事前に把握をするようにですね、チェックリストを付けて対応するように努力をしておるところでございます。

 共同開発につきましてでございます。

 医薬品強化総合戦略の後発医薬品の製造販売のあり方の検討の中でですね、共同開発品目を抑制するよう、関係団体の組織を、取組を推進するという記載がございました。

 これにつきまして、業界としていろいろ検討しましたが、参入企業数を制限することにつきましては、独禁法的にも適切ではないとの結論に至りまして、

 品目数が多い要因の1つとされる共同開発につきましては、医療現場の薬剤選択に資するように各企業が自主的にインタビューフォームへ、共同開発に関する情報を記載することといたしました。以上でございます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 はい、松本委員、お願いいたします。

〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 先ほどお話ししましたように、同じ工場で製造された医薬品がパッケージを変えるだけで他社で売られているという現状があるのは、非常に私としては疑問に思っております。

 これについてはしっかりと、厚労省を含めて考えていかなきゃいけない問題だと思っております。

 もう1つですけども、16ページ、治療における負担軽減、リスク低減に対する評価の見直しのところで、EFPIAからご説明があったような、注射の回数が減ったり、食後投与が可能になるなど、投与という治療行為そのもの、そのものの負担軽減については検討してもよいかと思っておりますけれども、

 一方で、治療の結果、介護が楽になったというような、患者本人以外の、介護者・介助者における有用性は、これは医療保険の中の薬価で評価することは不適当だというふうに考えております。

 これについては、もう一度お考えをお聞きしたいと思います。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 これは、中山……、お願いします。

〇日本製薬工業協会・中山讓治会長(第一三共代表取締役会長)
 資料のAppendixに一部具体例を付けておりますけども、

 特に治療上のリスクの軽減になるっていうのは、先生方、医師の方々もそうですし、患者さんにとっても大きな福音になるはずですし、それは医療自身の質の向上にもなろうかと思ってます。

 例えば、出血の副作用がある薬剤で、今まで注射剤しかなかったところに経口投与できる薬剤が出れば、患者さんにとっても大きなリスク軽減になります。

 こういったことも含めて、便利になるという些末なところから非常に大きなリスクのファクターの軽減というのも幅広くありますので、そこはこれから選別する必要があると思いますけれども、

 現に、それは現実のものとして存在していますし、それが解決されることが非常に大きく、先生方にも患者さんにもベネフィットがあるという意味では、そういう薬剤を増やしていく上で、評価をしていただきたいというお願いでございます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 はい、松本委員、お願いします。

〇松本吉郎委員(日本医師会常任理事)
 患者さん本人に対しての有用性ということでは、確かに、これまでも評価してまいりましたけれども、

 先ほど申し上げましたとおり、

 介護者・介助者における有用性につきましては、これはもう薬価における評価は非常にもう困難というふうに考えておりますし、すべきではないというふうに思っております。

〇日本製薬団体連合会・多田正世会長代理(大日本住友製薬代表取締役会長)
 今のお話で、介護者等の負担が減るというふうな趣旨での、あるいは価値が出てくる薬剤についての評価に関しましては、

 いわゆるHTA評価の議論のときの総合アプレイザルみたいな中で、社会的価値をどういうふうに評価するかというふうな議論があったかと思います。

 その流れの中で、今の薬価に依存したような形で財政基盤をより安定したものにしようというふうな形から、

 もっと広く、社会保障全体の中でこういう制度設計をもう一度検討したらどうかということが、次回の、来年、20年じゃなくて22年度の薬価改定までに検討しようということになっているというふうに私は理解いたしております。

 そういう意味で、今、松本先生の言われた趣旨のことを、今、直接、薬価に載せるべきかどうかについても含めてですね、そういう中で議論していただければと、われわれは願っております。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 あと、有澤委員、先ほど。はい、お願いします。

〇有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)
 ありがとうございます。

 スライドの9のところの「長期収載品と後発品」というところで、3つ目の部分になります。

09_薬価制度改革に関する意見(日薬連)20190724薬価専門部会

 既収載品の価格帯について市場での評価が適切に反映された制度とすべきというふうに書かれておりますけども、

 これについてですね、差し支えない範囲で構いませんので、どのような算定ルールであるべきかというのを、お考えを、具体的なイメージをお持ちでしたら教えていただきたいと思います。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 こちらは、澤井会長、お願いします。

〇日本ジェネリック製薬協会・澤井光郎会長(沢井製薬代表取締役社長)
 はい。この価格帯についてお答えを申し上げます。

 現状のジェネリック収載、12年経過した製品につきましては2020年度から1価格帯になるということが決まっております。

 これに関しまして、2つの観点で改善が必要と考えております。

 1つは、市場実勢価格の安いものの薬価が加重平均値を用いますので、薬価が引き上げられたり、逆に高く売っているものの薬価が必要以上に引き下げられたりすることで、市場実勢価格と改定薬価に大きな乖離が生じております。つまり、薬価改正の趣旨が正しく反映されていないところがございます。

 前回の2018年度改定では124品目の薬価が平均13%、中には50%近く薬価が引き上がった品目もございます。2020年度におきましては約370品目がこのような状況になるのではないかと考えております。

 こういった品目は、薬価と市場実勢価格との差を薬価改正で還元するということが基本ですけども、逆に患者さんの負担が増えることにもなります。従いまして、こういうことを是正をする意味でご提言を申し上げております。

 もう1つは、価格がばらつく要因。

 これは2017年度の中医協資料で、ジェネリック企業は196社ありますけれども、300品以上販売している企業が6社、一方、50品目以下の企業が全体の80%。

 このようにですね、企業の規模、販売品目数によって、有している製造設備、それぞれが担う責任の大きさが異なります。

 当然、それらにかかるコストも異なることから、実勢価格にばらつきが生じることになります。

 安定供給に重きを置き、適正価格販売に努めている企業の薬価が、長期的な安定供給を考えずに低価格で販売されるような品目により過剰に引き下げられては、安定供給に支障をきたしかねません。

 そこで、改定後の薬価が改定前の薬価を上回る部分については、これは別途で、別に分けてですね、これらの品目だけで加重平均値を取るということを1つ考えておるところです。

 議論はこれからたくさんあろうかと思いますけれども、企業の再編とかが正しい方向に向かっていくためにも、こういうところは必要不可欠だと考えておるところでございます。以上でございます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 はい。では有澤委員、お願いいたします。

〇有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)
 1価格帯に集約されることによって実勢価格よりも逆に薬価が上がってしまう。

 まあ、これは大変問題だと私も認識しておりますので、ぜひですね、これは今後の中医協の中の議論でも検討するべき項目だと考えます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 はい、では今村委員、お願いします。

〇今村聡委員(日本医師会副会長)
 ありがとうございます。

 時間のないところ、繰り返しになって恐縮なんですけど、

 先ほど松本委員、それから多田さんのやりとりの中で介護のことが出てまいりましたけれども、

 HTAの議論の時にもですね、現在、いったい介護の中でどの程度の、例えば介護費に影響するとか、そういうのに全く客観的なデータがない中でこんな議論できないと。

 いわゆる議論が、

 エビデンスがきちんと集積されれば、それは議論してもいいんでしょうけども、

 現時点ではですね、例えば介護予防がどの程度、介護の重症度の進展に影響してるかとか、全く何も科学的な介護ということ自体が今、議論になってる中でですね、

 この議論をですね、薬価の中でするっていうのは、ちょっとこれは時期尚早じゃないかということは改めて申し上げておきます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 何か、ありますか。はい。
 じゃあ、多田会長ですか。

〇日本製薬団体連合会・多田正世会長代理(大日本住友製薬代表取締役会長)
 はい。時期尚早かどうかも含めましてね、

 要は、そういうことも含めた形で医薬品の価値そのものを評価していっていただければというのが趣旨でございますので、

 何も今すぐ、それを上乗せしてほしいとか、そういうことを申し上げてるわけじゃございませんので、ぜひ誤解されませんように、よろしくお願いします。

〇日本製薬工業協会・中山讓治会長(第一三共代表取締役会長)
 あともう1点、追加で、資料を準備しておりましたので、言及させていただきたいと思うんですけれども、資料の22ページに、医薬品が提供するさまざまな医療的価値という記載をしております。

22_薬価制度改革に関する意見(日薬連)20190724薬価専門部会

 その中で、例えばモニタリングが不要になる例というのがございまして、例えば骨髄毒性や腎毒性の懸念があって、血液検査をしなくてはいけない。

 それが軽減されれば、検査の回数が減るという具体的にカウントできるようなものもございますので、さまざまな事例を含めて、ぜひご検討いただければというふうに思ってます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では吉森委員、お願いします。

〇吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)
 今おっしゃってることは、すごいよく理解はできるんですけれども、

 考え方の順番としては、やはりそれは費用対効果制度がここに入れて、医薬品の価値をどう考えて、社会的な価値も含めてっていうところの順番に入ってくるんだと思うので、

 薬価算定の中でうんぬんというのは、やはり順番は違うんじゃないかというふうには思ってます。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 時間、超過しますけど、ほか、いかがでしょう。では幸野委員、お願いします。

〇幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)
 すいません。時間もあれなんですけど、後発医薬品のことについて意見とお願いを申し上げます。

 まず、新規収載時の価格決定については、これ、議論になるところだと思いますが、これについては新規収載品の実勢価格のエビデンスをもって、やはり議論すべきだと思いますので、それをもって判断したいというふうに思います。

 それから、後発医薬品の価格帯、先ほどから出ておりますが、われわれとしては、将来的には1価格帯に収れんしていくということを目指すべきだと思うんですが、

 その過渡的な時期において、例えば加重平均をするので、安いものが高くなったり、不当に引き下げられたりということができるというのは、やはり容認できないと思いますので、

 ぜひこれを議論するに当たってですね、エビデンスを、先ほど127品目とか370とか言われましたが、引き上がってるものがどれぐらいあって、引き下がってるものがどれぐらいあって、できれば、すごい安価な価格で出してる企業がどういう企業なのか、

 そのへんのところについてもですね、お教えいただければ、今後の議論にお役に立てるんじゃないかというふうに思います。

 それはお願いです。次回ヒアリングのときにでも、そういった詳細なデータを出していただければというふうに思います。

 それから、再生医療イノベーションの意見について、われわれもおっしゃってることをよく理解できますし、

 今までも、これを従来の原価計算方式に無理やり置くのは、ちょっと無理があるんじゃないかという主張をしてまいりまして、
 秋以降の中で、これも議題にされるということになりましたので、議論されていくと思いますが、

 実際にこの、団体として、じゃあ、どういうふうな算定が妥当なのかというふうなところについて、何かご意見をお持ちでしたら、ご披露いただきたいと思うんですが。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では畠会長、お願いします。

〇再生医療イノベーションフォーラム・畠賢一郎代表理事会長(ジャパン・ティッシュエンジニアリング代表取締役会長執行役員)
 はい。ご質問、ありがとうございます。

 まさに今おっしゃるとおりでございましたして、

 今、再生医療等製品に保険収載させていただいた品目が6品目ございます。まだまだ経験不足しております。

 当会におきましてもですね、まさに議論が始まっていたところで。

 今回、6品目ある中でもですね、それぞれ性格がもう違うものでございます。

 まだまだですね、先ほどもちょっとご指摘ありましたように、エビデンスがしっかり整ってはいないわけでございまして、

 この段階では製造の特性、それから輸送、それから一品物であるがゆえの課題、そういったものを取りまとめまして、またしかるべき機会にご説明申し上げればというふうに思ってございます。

 今、この段階では、そういうお答えに限定させていただければと思います。よろしくお願いします。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 では吉森委員、お願いします。

〇吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)
 はい。今のFIRMさんの発言に関連してですけれども、

 やはり再生医療等製品のその、製造工程の在り方、流通の在り方、このへんのコスト構造の分析のためにもですね、エビデンスの集積は必要だと思ってますので、

 これは事務局にはお願いですけれども、この、ご主張のとおりで、新たな価格算定方式の検討に資するような、この考え方を早急に整理しないといけないということでありますけれども、

 何もなければ整理できないので、この製造工程のコスト構造、流通面のコスト構造等々のエビデンスをしっかりと集積し、

 その在り方について、できれば薬価算定組織、薬価専門部会、中医協、それぞれにおいて早急に議論を開始するような、何か提示をしていただきたいというふうに思います。これは事務局への要望です。

〇中村洋部会長(慶應義塾大大学院経営管理研究科教授)
 よろしいでしょうか。はい。では、ありがとうございました。

 それでは、関係業界からの意見陳述についてはここまでとさせていただきます。本日予定されていた議題は以上になります。

 次回の日程につきましては追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。それでは、本日の薬価専門部会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

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