看護必要度のデータを修正、「気づくのが遅れたことはお詫びしたい」と厚労省担当者


20190619_入院医療分科会(会議風景)

「3つのセクションで資料を用意させていただいた」

事務局 厚労省保険局医療課・木下栄作課長補佐

 おはようございます。事務局でございます。では、お手元の(資料)「診調組 入-1」をお開きください。本日、大きく3つ、資料をご用意させていただいておりまして、

 1.入院医療を取りまく現状、さらには、
 2.一般病棟入院基本料等、さらには、
 3.入退院支援

 3つのセクションで資料を用意させていただいております。

 まず、「入院医療を取りまく現状」ということで、3ページまでお進みください。

 (中略)

 ここ(10ページ)までが、「入院医療を取りまく現状」をまとめたところでございます。
 
 で、11ページ以降、実際の、今回の入院基本料で得られました情報につきまして、

(1)患者の状態
(2)重症度、医療・看護必要度
(3)看護職員の配置状況
(4)今後の届出の意向

 というセクションに分けて説明してまいります。

 (中略)
.

「ご意見、ご指摘を踏まえて、現時点で用意できる分析結果を付けた」

 続きまして、28ページから「重症度、医療・看護必要度」について、ご説明してまいります。まず29ページでございますが、

29_【入院分科会資料】「入-1」_20190619

2019年6月19日「入院医療等の調査・評価分科会」の資料「入─1」

.

 これまでの基本小委もしくは、こちらの分科会のほうで、この(重症度、)医療・看護必要度につきまして、こういった視点で分析してはどうか、

 と頂いた「主な指摘事項」をまとめさせていただいております。

 まず、6月12日に開催されました基本問題小委におきましては、(中略) 「必要度ⅠとⅡの差について、分布(を含め)、更なる分析」をしてはどうか、

 (中略)

 というご意見を頂いております。

 また、6月7日の本分科会におきましては、「必要度Ⅰの割合が改定後に大きく上昇している医療機関について、(更なる)分析が必要ではないか」

 (中略)

 というご意見、ご指摘を頂きまして、それらを踏まえて今回、現時点でご用意できる分析結果をお付けしているところでございます。

 (中略)

.

30年のほうが重症患者の割合が高い

 39ページ以降、改めて、平成29年、平成30年も、いずれも割合の報告があった施設のみを選び出しまして、比較したのが39ページ以降となっております。

 まず39ページでございますが、こちらは29年と30年の割合の比較でございます。

39_【入院分科会資料】「入-1」_20190619

2019年6月19日「入院医療等の調査・評価分科会」の資料「入─1」

.

 この場合、いずれの施設の平均を見ても、30年のほうが割合が高いという結果が得られているところです。

 それの分布ということで、40ページ以降、入院料ごとの分布をお示ししているところでございます。
.

40_【入院分科会資料】「入-1」_20190619

2019年6月19日「入院医療等の調査・評価分科会」の資料「入─1」

.

 先ほど39ページで平均を見たところでございますが、分布を見ても、例えば、急性期の(一般)入院料1で見ていただきますと、29年の分布が緑の山、30年の分布がオレンジの山となっているところでございますが、山全体が右のほうにシフトしているという傾向が見て取れるかと思います。

 その傾向につきましては、入院料の2、4、5、いずれにおきましても、左に緑の山があって、右のほうに、やまぶき色の山があるという傾向は、だいたい同じ傾向が見て取れるかと思います。

 41ページに行きまして、入院料の6、7、さらには地域一般の1、特定機能病院等もお付けしているところでございますが、
.

41_【入院分科会資料】「入-1」_20190619

2019年6月19日「入院医療等の調査・評価分科会」の資料「入─1」

.

 やはり、いずれの入院料につきましても、改定前よりも改定後の割合が高いという分布の状況が見て取れるかと思います。

.

平成29年と30年の差は、「おおむね5ポイントぐらい」

 42ページにお進みください。
.

42_【入院分科会資料】「入-1」_20190619

2019年6月19日「入院医療等の調査・評価分科会」の資料「入─1」

.

 42ページは、今度はそれぞれの施設で、どのぐらいのポイントの差があるかというのを見ていっているところでございます。

 29年、30年の差で、おおむね5ポイントぐらいという差があるということを見込んでいるところでございますが、

 今回、急性期の一般入院料1で平均を集めますと、5.6ポイント。それ以外につきましても、(回答)施設数、(2施設や3施設など)少なくなってきているところでございますが、だいたい4から5(ポイント差)のところ。

 若干、急性期の4につきましては、(7.7ポイントと)高いポイント差が出ているところでございますが、おおむね5ポイント平均として並んでいるという状況でございます。

.

平均値で差が5.6、中央値は5.4、「ほぼ正規分布のような形」

 で、それの分布を見ていっているのが43から44(ページ)というところでございますが、

 こちらの見方としましては、(平成29年と30年の)差を見ているところでございまして、その差の平均値、中央値もあわせてグラフの中に付けさせていただいております。

 まず43ページの急性期の一般(入院料)の1を見ていただきますと、
.

43_【入院分科会資料】「入-1」_20190619

2019年6月19日「入院医療等の調査・評価分科会」の資料「入─1」

.

 こちらは(回答)施設数が322あるところでございますが、平均値で差が5.6、差の中央値は5.4となっておりますし、

 分布を見た場合も、おおむね2.5もしくは5ポイント程度の所に集積して、ほぼ正規分布のような形に近づいた分布の結果となっているところが見て取れるかと思います。

 で、急性期の2にいきますと、N数が(19施設と)少なくなっていること、(急性期一般入院料)4、5で85施設ぐらいというところがございますが、

 ちょっと傾向が異なっているかなあというところが見て取れるところでございます。

(中略)

 ここまでが29年、30年を比較したものになっております。

20190619_入院医療分科会(事務局後方から)
.

「気づくのがちょっと遅れたことはお詫びしたい」

 続きまして、45ページから、こちらは(重症度、医療・看護必要度)ⅠとⅡです。必要度のⅠとⅡを比較したところでございます。
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45_【入院分科会資料】「入-1」_20190619

2019年6月19日「入院医療等の調査・評価分科会」の資料「入─1」

. 

 前回(6月7日)の時に説明した資料(Ⅰ=35.2%、Ⅱ=26.7%)と数字が大きく異なって見える階級(急性期一般入院料1)があるかと思いますが(Ⅰ=35.4%、Ⅱ=31.3%)、

 そちらに関しましては、必要度のⅡにつきまして、各施設から「ゼロ」と報告いただいた所もまとめて、前回、事務局のほうで集計してたという点がございました。

 その点につきましては、要は、施設に確認したところ、「ゼロ」ではなくて、「測定していない」ことを「ゼロ」と報告いただいていたということが分かりまして、

 その「ゼロ」となっていた施設を全部除きまして、改めて再集計を行ったところ、必要度につきましては、その「ゼロ」で該当した施設が抜けたこともありまして、平均値としては高くなっているというところで、(委員ら、苦笑)

 ⅠとⅡの差で見ると、その差が小さくなっているということが今回、別途分析する過程で分かったところでございます。

 事務局のほうで、そこに気づくのがちょっと遅れたことはお詫びしたいというふうに思っております。

 45ページから改めまして資料のご説明をしてまいります。45ページにつきましては、必要度のⅠとⅡいずれも回答があった施設。特にⅡにつきましては、「ゼロ」だった施設を除いております。

 いずれも入っているという所のデータを比較しているところでございまして、

 例えば、急性期の一般(入院料)1でいきますと、施設数152の中で、必要度のⅠの平均が35.4(%)、Ⅱのほうで31.3(%)というような結果が得られているところで、

 各入院料ごとの差を平均したのが45ページになっております。

(中略)

.

ⅠとⅡの差、入院料1・2・4が「だいたい4ポイントぐらい」

 48ページからはまず、先ほどと同じように、必要度のⅠとⅡにつきまして差を集めていったというのが48ページになります。
.

48_【入院分科会資料】「入-1」_20190619

2019年6月19日「入院医療等の調査・評価分科会」の資料「入─1」

.

 その場合、ⅠとⅡの差につきましても、おおむね5ポイントぐらいの差があるという見込みを立てていたところでございますが、

 今回見ていただくと分かると思いますが、入院料1・2・4がだいたい4ポイントぐらい。7で、Nは1でございますが、5ポイントぐらいの差ということで、

 おおむね、このような、それぞれの平均を見た場合の差が見て取れるというふうに思います。

 また、それらにつきまして、49ページ以降、分布をお付けしているところでございます。

 (中略)

.

分析等について、「患者の状態等の観点も踏まえて進めてはどうか」

 81ページをお開きください。今までご説明したところをまとめたのが81ページになっておりまして、
.

81_【入院分科会資料】「入-1」_20190619

2019年6月19日「入院医療等の調査・評価分科会」の資料「入─1」

.

 まず、「現状・課題」という所ですが、読み上げますと、(中略) という結果が得られております。

 本日ご議論いただきたい「論点」といたしまして、

 まずは1つ目でございますが、
 「必要度の改定前後の該当患者割合の差や、改定後のⅠとⅡの割合の差をみると、急性期一般入院料1等において5ポイント前後の施設が多かったことについて、どのように考えるか」、

 2つ目といたしまして、
 「必要度の改定前後の割合の差や、ⅠとⅡの割合の差に着目した分析や、項目別・基準別の該当患者割合に着目した分析等については、今後、届出入院料や患者の状態等の観点も踏まえて進めてはどうか」

 というところを「論点」として挙げさせていただいております。

 82ページ以降、最後のかたまりになりまして、「入退院支援」のご説明をしてまいりたいと思います。

 (中略)

 長くなりましたが、説明は以上でございます。

 (中略)

「今後の議論にも影響するので、今後こういうことがないように注意していただきたい」

支払側 松本義幸委員(健康保険組合連合会参与)

○松本義幸委員(健康保険組合連合会参与)20190619入院分科会 (前略) もともとの基準値について、中医協のときに1号側の、うちの幸野(庄司・健康保険組合連合会理事)が言っておりますけども、

 「もう少し高い値が出せるじゃないか」ということを言っておりましたけど、この件につきましては、この議論は別の機会にしたいと思っています。

 (委員ら、笑い)

 あと、今回、Ⅱについて集計の取り扱いには、

 スライド45のとき、説明がありましたけど、取り扱いのところで、ちょっとミスがあったようでございますけれども、
.

45_【入院分科会資料】「入-1」_20190619

2019年6月19日「入院医療等の調査・評価分科会」の資料「入─1」

.

 そこのところ、非常にⅠとⅡの、かなり乖離があったみたいな感じがありましたので、こういう、今後の議論にも影響しますので、今後、こういうことがないように注意していただきたいと思います。以上です。

 (後略)

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