とんでもない表があるので、ちょっとびっくりした
医療者 松原謙二委員(日本医師会副会長)
今の説明の35ページ、資料2-3(成長戦略実行計画案)の35ページ。とんでもない表があるので、ちょっとびっくりしたんですが、
簡単に見ると、これ、サロンに行くと、3割は認知症が治ってしまって、そして、サロンに行くと半分も認定率が下がる。
(委員ら、苦笑)
これ、われわれ自然科学の社会では、何例して、そしてどこがやって、どのような結果だったということを示さないと、これだけ見せたら、ただのポンチ絵で、
(委員ら、笑い)
あまりにも無責任じゃないですか?
これ見ると、3割は、行くとみんな治ってしまうイメージを植え付けたいんでしょう。こんなの出されたら、すべての資料の信用性を失いますが、これ、やめませんか?
それとも、ものすごく、決定的な証拠があるんですか、これ。
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座 長 遠藤久夫部会長(国立社会保障・人口問題研究所所長)
では事務局、コメントがあればお願いします。
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「未来投資会議」のほうで出されている資料でございます
事務局 厚労省保険局総務課・鹿沼均課長
恐れ入ります。これ、内閣府のほうの「未来投資会議」のほうで出されている資料でございますので(苦笑)、申し訳ございません、そちらのほうでやられているものですから、あの、今ここで、なかなか私どものほうでお答えしにくいところですが、
ご指摘のようにですね、これ、あとのほうに一応、出典は書いてあるんですが、ちょっと、比較の仕方が乱暴なのではないかというご指摘は確かにあろうかと思います。
図50:左図:引地博之「高齢者が交流を持つ「コミュニティ・サロン」をまちに設置すると、 要介護認定率が半減する可能性がある. Press Release No: 056-15-01」、右図:引地博之「「憩いのサロン」参加で認知症リスク 3割減―7年間の追跡調査―. Press Release No:095-16-25」を基に作成。
ただ、いずれにしましてもですね、この未来投資(会議)の、この成長戦略にも書いてありますが、今回、私ども、この政策の中の1つのポイントが、えーと、37ページ目の③という所にございますけれども、「エビデンスに基づく政策の促進」というものを考えております。
要するに、あの、今、「これはちょっと乱暴なんじゃないか」というご指摘だと思いますが、やっぱり、ちゃんとした比較ができるように、まさに先生ご指摘のように、比較ができるようなことをきちっとやって、それで、エビデンスが出たものを政策につなげていこうという発想がありますので、それはまさにこれからですね、今まで以上に強力に進めていこうと思っております。
そういった考えで、われわれとしても今後、当たっていきたいと思っておりますので、ご理解をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
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医療者 松原謙二委員(日本医師会副会長)
了解しました。厚生労働省さんの資料ではない、ということですね。
(会場、笑い)
私たちの自然科学の世界は、もう1回言いますけど、正しいエビデンスがなかったら、いくら議論しても意味がありませんので、こういう曖昧なものはお使いにならないように。
簡単に、国民の皆さんにこれだけを見せたら、「サロンへ行ったらいいのかな」と、皆さんがお思いになるようなことを堂々とおやりになるのは間違っていると思いますので、よろしくお願いします。
(後略)